SEのお仕事...「おじさん、システムエンジニアってどんな仕事?」

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 先日、年長の友人宅を訪ねてご夫妻とお酒を交えて歓談(ぶっちゃけ旧交を暖めつつ酒盛り)していたんですが、その友人の長男(13歳。中学校1年生)がとことこと歩いてきまして、挨拶も早々に

「おじさん、システムエンジニアってどんな仕事?」

 その場で私だけがカキンっ...と硬直。友人夫妻は興味津々の様子ですか、こっちはというと...

(どうしよう。どう説明しよう。いかん、どう説明してもいい説明が出てこない。子供の夢を砕くわけには。じ、実例を挙げよう...だ、だめだロクな話がない、ああ、どうしよう)

(ともかく、無難に収めよう。会議と一緒だ、まずはこの場を乗り切るんだ...俺は子供相手にナニを!?)

(SEっていってもいろいろある...仕事を押しつけられるSEと、逃げるのがうまいSEだ。どっちを説明しよう)

 

 と、約2分間マルチタスクで、しかも全てのタスクが脳内無限ループ。CPU使用率100%で固まったかのように(笑)

 

 奥様がウイスキーのおかわりとおつまみを目の前に置くまで、本当に固まってました。彼(長男)の目は真剣です。ものすごく興味がある様子。なんだか追い詰められた気分。気付けば、その弟で小学生5年(4年だったかも)の子まで一緒になってこっちを見つめています。

 

(なんの罰ゲームだ、これ)

 

 そう思いつつ、私の答えは

 

「いろいろなトラブルや難題を、考え抜いた提案やコンピューター技術を使って解決する仕事だよ。コンピューターだけじゃなくて、その会社の仕事に精通しないといけないこともあるし、いろいろと大変だけど...やりがいがある仕事かな」

 

...嘘は言ってないはずだ...けど...なんか違う気がしないでもないという返答でした(苦笑)。

 

「もっと詳しく言うと、そのシステムに必要なものは何かを定めて、設計したり、システムをきちんと使えるように指導したり、いろいろなことをするんだ。場合によっては、システムを効率よく使えるように会社の仕事自体を改革することもあるぞ」

 うん、Wikipediaにも書いてあることだし、間違ってないはずだ。実際には無茶振りに対抗すべく日々胃に穴があかないように耐える仕事という説もあるけれど(^^;

 

「SEになるのって難しいの?」

いや、すごい簡単ちゃんと勉強すれば、そんなに難しくはないかな。で、どうしてそんなこと聞く?」

「学校の先生が、すごく頭のいい人がやる仕事だって言ってた。お金も稼げるし、とにかくすごいって」

 

(とりあえずその先生は小一時間ほど説教した後一晩正座させたい...)

 

 どうやら、学校の先生と我々とでは認識にズレがあるようです。ITバブルははじけてますし、今高給取りを目指すならそれこそ本当に一握りの「すごい人達」の仲間入りをするしかない気が。ちょっと前は割と先生の言う通りのイメージがあったんですが、今はなぁ。とにかくすごいっていわれたら、確かにすっごい仕事ですが。いろんな意味で。

 たぶんですけど、学校の先生にとってシステムに関わる人は全部「システムエンジニア」でひとくくりなんじゃないかと。プログラマーもマネージャーもみんなひっくるめて。そう考えれば...辻褄は合いそう。

 弟の方はよくわかってない様子でしたが、ともかくすごいねーおにーちゃんすごいねーと連呼してるので、ここで二人が道を間違えてはいけないまだ理解するには難しいと思ったので...

「興味があるなら、まずはパソコンの使い方からだな。お父さんに買ってもらえたら、いろいろ教えてあげるよ。学校の宿題とかパソコンで作れるぐらいじゃないとな」

 と締めてみました。興味がパソコンに移り、親にねだり始めたためこっちはほっと一息。奥さんにはなぜか笑われる始末。

 

 私自身の正直な感想を言ったら絶対...

 

ドン引きするか、びびっちゃうか

 

 だろうなぁ...と(^^;

 ただ、SEという仕事自体は、やりがいあるし楽しいものだと思うので、将来の選択として彼の候補にいれていいかもしれません。ただ...

 彼が成人する時...今我々がSEと呼んでいる職業自体が変質し、別のものになっている可能性もあるわけで。私自身はその思いが強く。細分化するのか、汎用性が求められるのか、まだわかりませんが。

 

 ただ、余計なことを言ったおかげで友人からは「...俺のお古のパーツ交換して長男用の作るから、ちょっと手伝えよな...余ってるパーツあったら安く出せよ」とにらまれました。うーん...回避方法を間違えたか(^^;

 

 子供の夢を砕くものではないですが、現実はいつだって厳しい。彼が高校生になり、もう少しだけ世の中のことがわかるようになったら...夢ではなく現実の「仕事」としてSEのことを教えてあげてもいいかな。下っ端SEだけは本当になるもんじゃないぞと(^^; やるならもう少し上を目指してプロダクツマネージャーぐらいになれば、学校の先生のイメージに近い仕事になるかもしれない。

 

 あ、そうだ...プログラマーとSEの違いについても教えておかないと。プログラム技術より、一般常識とエクセル・ワードの使い方を覚える方が役に立つような。あ、あとパワーポイントはもっと重要かな(^^;

 後は、対人関係の構築方法や交渉術を含む話術なんかも...いかん、書いててますますお勧め出来ない職業の気がしてきた...面白い仕事なんだけど、なんでだ(^^; 好きでやってる仕事なのに、人に勧めたくないとは...複雑な気分。たぶん、いろんな仕事があるんだから何もSEを選ばなくても...そう思ってるのかな、私は。

 実際には特定言語でプログラムするスキルがなくてもSEはこなせますしね...むしろ営業能力が欲しいかなぁ...プレゼンテーション能力は本当に必須だしなぁ。

 小規模開発だとプログラマーがSE兼任しちゃったり、逆もしかりで...結構曖昧だったりしますけれど。

 これが欧米だと、全部ひっくるめてプログラマなんですけれどね(笑) マネージャー職が全体統括して、下にプログラマー。後はコーディング専門の人ぐらいか...そう考えると日本特有の仕事なのかもしれません、SEって仕事は...

 Wikipediaのシステムエンジニアの項目の一文にこんなものがあります。職業SEの方は思わず大きくうなずいてしまう一文。最後にそれを転載させていただきます。

 

「コンピュータの技術的なスキルよりも、対外交渉能力、調整能力、問題解決の整理能力、場合によっては不屈の精神と粘り強さが問われることになる

Wikipediaより