意外と悩むあのパーツ(1)...メモリはどれだけ積めばいいか

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 パソコンの心臓部といえばCPU。記憶装置といえばHDDで。ではメモリは?というと漠然と「あった方がいいのかな」というのが一般認識のようです。
 実際それはそんなものかな、と思われているようで。少ないとパソコンが遅くなる、多いと早いんじゃないかな...そんな認識。まぁ、だいたいそれで間違ってないと思います。
 ものすごい高いパーツというわけでもないので(馬鹿みたいに大量に搭載したり、最高速の飛びぬけた高いメモリを装備しなければ)。

 メモリが少ないと動作が重くなるのは知られてますが、じゃあたくさん積んだらどうなるの? と言われるとちょっとすぐにいいところが浮かばないようで。

 HDDやCPUと違って使い勝手の実感をするまでその大切さがわかりづらい。しかも一定以上の容量になると、増設しても恩恵をさらに感じづらくなります。

 XPで例をあげると...たとえばメモリが512MのPCと1GのPCでは体感出来るほど差のがすぐにわかるぐらい。使ってる最中にああ、違うなぁ...という場面が結構出てくる。(OSが新しければ新しいほどその体感差は大きいかと。特にXP以降であれば...2000とか98とかは今回対象外)

 たくさんアプリを平行して実行する人(たとえばエクセルのファイルを開きまくるとか、IE等のブラウザの画面をたくさん開いてしまうとか)だと、1Gより2Gにしたほうがいいでしょう。この辺りも細かいところでの機敏さを感じることが出来たりします(パソコンの構成やOSによってはまったく体感が変わらないことも多々ありますが)

 では、メモリ2Gから3Gにしたとしたら...これがまたあまり変わらない(アプリによって差が出てきます。あくまでも一般的な用途を前提としています)。

 また、OSによる制限というものもあり、一般的な32bitのWindowsではおよそ3G程度までしか、メモリを活用出来ません。(ハードウェアやチップセットによる制限もあるのでこの辺りはややこしいです。古いPCだと1Gまでしか搭載できないとかあります)。

 これをあまり詳しくない人にわかりやすく説明しようとすると、いろいろと難しい。

 そこで概念として生まれてきたのが「だいたいこのぐらい積めば快適」と思われるメモリ容量。

 インターネットが発達する前、雑誌から主に情報を得ていた世代の人なら記事の中にそれっぽいことが書いてあったのを思い出せると思います。たとえばWindowsXP初期なら「512Mあれば問題ないが、やや重いので1Gにした方が快適」なんて書き方をされてたのではないでしょうか。

 この概念、かなりわかりやすい。OSが変わると容量も変わるもので、WindowsVISTAなら「1Gあれば動作はするが快適にするには2G。出来れば3G以上」となります。世代が戻るとWindows2000辺りだと「256Mで動作はするが、512Mあった方が快適」だったわけです。だいたい倍になってる気もしますが(^^;

 実際、机の上が広ければ作業がしやすく、部屋が広ければ掃除も早い。メモリ搭載量が大きければその分パソコンは「気兼ねなく性能を発揮出来る」と思った方がわかりやすいかもしれません。別に脳みそが早くなるわけではないのですが、作業効率があがれば性能があがる。メモリはそんな縁の下の力持ちです。(実際の動作ではなく、あくまでたとえ話です)

 じゃあ、最新のWindows7はといえば...VISTAと同等だと思っていただければ。宣伝ではもう少し少ない容量でも快適だとうたってはいますが、2Gは搭載しといて損はない。空いたメモリを有効活用して動作をさらに軽くしてくれます。まぁ同等というと語弊あるんですが。7のが相当優秀なんで...メモリの使い方は。

 ただ、Windows7といえども32bit版ではやはり壁があり、これがまただいたい3Gちょっと程度のメモリしか使いこなせません。余った容量をRAMディスクにして使う方法もありますが、慣れてない人には敷居が高い。

 チップセットにもよりますが、性能を発揮するには2枚づつ(あるいは3枚づつ)の同容量メモリを搭載するのが有効といわれます。まして相性とかで動作不良が発生するのが嫌なら、最初から2枚セットの同じメーカーの製品を買っちゃったほうが。

 2枚づつ導入するのが基本とすれば、最初から2Gを2枚にすれば4Gで。多少もったいないですが32bitOSを使うのなら、これでほぼ「万全」というか「MAXだぜ!」というイメージでいいかと。

 メモリの種類にもよりますが、1万円しない価格で2Gが2枚というセットが売られていますので、最初にこれを選んでおけば...ということで、パソコンショップで売られているPCは最近この容量が主流っぽい気がします(気がするだけかもしれませんが)

 では実際4G必要かと言われると...微妙なライン。個人的には1Gが2枚で2Gという容量でも十分かな、とは思います。低価格で仕上げたい人は特に。確かに2Gと4Gとで体感できるほどの差が出る場面というのはあるのですが、実用上問題ないレベルで使えるので...(windowsXPなら特に)

 ここでひとつ注意したいのは、普通の人はメモリの増設なんてそうそうしないってこと。パソコンの蓋を開けるのなんてめったにしないって人が多いので(特にメーカー製)...

 また、メモリを装着するソケットも物理的な数が決まっています。2枚しか刺せないマザーボードであれば、最初から2Gを2枚刺してしまった方が面倒がないのも事実です。

 値段差を考えると、後者が正解の気がしますけれど。予算と使い勝手といろいろ天秤にかけて、この辺りは選ぶといいのかな、と。別段1G*2にしたからといって、目に見えてスローモーな動きになるわけではないので(^^;

 なので、Amazonの悪魔的には「新しいPCを買うなら最初から4Gにしとこう」というのをお勧めしています。

 細かく言えば、メモリを4枚刺せるマザーがあったとして、1Gを4枚刺すのと2Gを2枚刺すのとでは、後者の方が安定しているという経験則があります。メモリが高速であればあるほど、その傾向が強いです。

 また、OSを64bit版のwindows7などにすれば、4Gを無駄なく使えるようになるため、価値はあるんじゃないかと。



 で、ここからは「必要にして十分」という話ではなく、「大容量メモリを搭載する意味」という話。

 今時のPCのパーツで構成しているなら、ハードウェアによる制限は少ないので、OSの制限さえ取り除けばメモリはかなりの容量搭載することが出来ます。microATXのマザーだと厳しいですが、ATXマザーなら4枚程度のメモリが搭載出来るのが一般的。

 そうすると、2Gのメモリを4枚刺せば、8Gの大容量メモリを搭載したPCになります。

 具体的な例でいえば、私自身のメインPCが8Gのメモリを搭載しています。2Gのメモリを4枚搭載して8Gです。OSにはWindows7の64bit版を使用。これがなかなかに快適です。(先日のPC入れ替えによりセカンドマシンも同様の構成になりました)

 OSが64bit版でないと、ここまでの大容量を積んでもOSからは「見えないよ?」という感じで、どうにか使ってもらおうとしても特殊な手段で使わない限り無駄になってしまいます。

 実はこのWindows7の64bit版はかなり画期的な存在だと私は思ってます。パソコンもマニアックになってくると、やはり大容量メモリというのはひとつの願望として出てくるわけで、フォトショップ等を使用して絵を描いたり加工したりする人達は古くから大容量のメモリを求めてきました(なにせ開ける画像サイズや動作スピードまで露骨にわかるほど早くなったので)。

 ところが、WindowsXPの64bit版は存在こそしていましたし、そこそこ売れてはいたものの「とんでもないじゃじゃ馬」で。もし詳しい人が近くにいたら聞いてみればおもしろい話はそれこそたくさんあったりなかったり。素人が手を出すにはちょいと気むずかしいお嬢さんだったとでも思えばいいのかな...

 WindowsVISTAの64bit版はうってかわって「使いやすい」ものになってました。ただ、アプリの互換性等がありまだまだ敷居は高かった。それでも安定性がまし、「優等生」っぽい雰囲気を醸し出していました。いかんせんちょっと重さがあったのと、WindowsXP時代の資産の継承の問題があってまだまだの感が強かったのですが。

 で、今現在売られているWindows7の64bit版はというと...

「とっても明るくてとっつきやすく、気さくで優しい子になりました」

 そんな感じ(笑)

 古いアプリやフリーウェア等で動かないものは確かにあるんですが、それでも今までの中では抜群に「いい感じ」な存在です。普通に使ってれば意識することなく使い続けられる。そして、安定性も高い。VISTAが地ならししてくれたおかげで、対応ソフトもかなりある状態。(そこそこ新しいハードウェアならドライバーもそろってきてますし)

 異論はあるでしょうけれど、私自身が使ってる感じでは普通に使えるものに仕上がったなぁ...という感じ。。次のWindowsからは64bitオンリーでいいんじゃないか?そう思えるほど。もちろん、動かないアプリケーションだってあるわけで、バージョンアップしてくれれば...と思ってるソフトもありますが、最悪XPモードでどうにか(ごにょごにょ)

 今までの互換性の壁であった32bitアプリケーションもかなりの確率で動きます。お姉さん?のVISTAが綺麗に道を作っていてくれたおかげで、7はとても恵まれたスタートを切れてるんじゃないかと。

 アプリケーションやハードウェアのドライバー等の整備もちゃくちゃくと進んでいますし。もちろん、完璧ではないんですがそ...れでも人に勧められるモノに仕上がってるかな、と。古いハードを使用してる人からしたら「ぐぬぬ」とうめく部分が多いこともありますけれど。特にドライバーのない古いハード使ってると...たぶん一生動かない(^^;

 そこはがんばって新しいハードで代替するとか考えないといけませんが。

 そして、メモリ4G以上を素直に使えるようになるという意義は大きい。

 先にも書きましたがパソコンのメモリスロットはそう多くはありません。

 だいたい1~4枚のメモリを搭載出来るようになっているものがほとんどです。安価なマザーやメーカー製PCですと、MAX2枚というのが多いかも。そうすると、比較的手が出しやすい価格帯で2枚セットとなると...2Gを2枚という組み合わせが多くなります(逆に大容量メモリを必要としなかったり、そもそも1Gが1枚入ってるから増設しよう!という場合は1Gを2枚というのが定番ですね(^^))。

 2Gを2枚搭載して、メモリを無駄なく効率よく使ってくれる...それも難しい知識なしで。そして対応アプリケーションであれば、その大きくなったメモリを存分に活かしてくれます。

 そしてなにより大きいのが「対応アプリがなくてもそれなりに快適になるようOSが出来ている」これが大きい。

 ただ...大容量メモリがいいよ!いいよ!と言ってるようでなんですが、実際には64bitのWindows上で大容量メモリを活かしてくれるソフトはまだまだ少なく、高価だったりします。

 そこで仮想PCに眼を向けると...大容量メモリががっつり生きてきます。2G程度仮想環境に割り当てても、びくともしない。これは使いやすい。ホストPCでいろいろとアプリを動かしつつゲストOSにもリソースを割けるというのはとてもありがたいことです。

 なので、個人的には「必要とまではいかないけど出来れば積めるだけ積みたい」という感じ。

 けれど一般的な用途ではないので、人に勧めてはいません。アプリをがっつんがっつん起動しまくる人であっても、4Gのメモリを搭載してwindows7の64bit版を使用している限り、実際その4Gのメモリを使い切るシーンはほとんど見たことがなかったりします。(32bit版でも実際3Gのメモリを使い切るケースは少ないです)

 だから、4Gのメモリを積んでおいて、自分の使用スタイルや利便性(ゲームとかは32bitのwindows7でないと動かないものもあります。...逆に64bitが先に動くようになっちゃったラグナロクオンラインみたいなケースもありますが)に合わせてOSを32bit版と64bit版とでセレクト出来るアップグレード版のwindows7と組み合わせるのがAmazonの悪魔的なご提案。

 でも、4Gというのは一昔前からしたらかなりの大容量だったりするのです。OSがたくさんメモリ使うようになって、メモリも安価になっている今、ある意味バランスのいい時代かなとは思いますけれど。

 4Gだって十分大容量化だな、と私は思います。

 メモリを購入する時は一気にマザー(メーカー製PCならメーカー製PCを買った店)と一緒の店でメモリも買ってしまうのがお勧め。いろいろと安心感が違います。案外...相性というかなんというか。異なるメーカーのメモリを混在させると。エラーで出て悩んじゃうことも多いので(^^;

 互換性の問題で32bitOSを使用する前提となると...4G程度で、それ以上はいらないってことに。だったら4Gにしておいて、どっちでも使えるようにする。ノートPCでも4G程度なら搭載出来るものが多くなってきていますし、メモリも安価になってます。


 私のように大容量というか、馬鹿みたいに搭載する人もいますが、あまりお勧めしないし一般的ではありません。どちらかといえばこれは自己満足の世界。仮想環境をいくつも動作させつつ、メモリを食うようなアプリを立ち上げまくるなんてのは、一部の酔狂な人かアプリの開発に携わる人ぐらいです。

 2Gである程度十分。保険も兼ねて、のちのちのことも考えて、予算の無駄も抑えつつ...いっそ4G。

 この辺りが今のPCだとひとつの基準かな、という気がします。


※余談

 windowsXPを使用するのであれば、2Gでも余るかもしれません(笑)

 馬鹿みたいにメモリを使いまくったVISTAや、その妹分の7は2G~4Gのメモリがあるとさらに快適になりますが、windowsXPは発売当初512Mで十分とされ、メーカー製PCは下手すると256Mの状態で売られてたぐらい。

 後期では1G程度搭載されたPCも多かったですが、自宅で普通に使う分にはこれでも結構快適です。(実際、今働いている職場のPCはメモリ1Gですが、結構快適です)

 ブラウザーをたくさん開いたり、その上でエクセルのファイルを開きまくって、さらに動画を再生しちゃうような人は...2Gぐらい積んでおいてあげると、PCがてんてこまいしたり、HDDにがりがりといろいろ悪さしたりしなくなると思います。

 あと、この記事は多分に「個人的な経験則からの記事」なので、見る人が見ると「おいおい」という部分があることを

ご了承ください。


※掲載時日付がバグって?ました。なぜ未来日付に...(T_T)現在は修正してあります。