悪魔、病に倒れる

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 だましだまし使ってきた身体。
 すり減らしつつうなんとか持たせて来た心。
 けれどやはり限界はあって...中年もいい感じに熟成してきたこの年では無理もきかず。

 私はついに倒れ...今月より療養することとなってしまいました。

 この話は7月の頭(正確には6月の頭)から始まります。



 6月。それまで体調が悪いながらもなんとかやってこれていた私は、ちょっとした仕事をもらいました。先輩が設定したスケジュールは無理のないもので、まぁ難易度は高いとはいえなんとかなる...そのはずでした。

 その頃私の体は糖尿病と高血圧...その他もろもろの病気を抱えてはいたものの、投薬と運動治療により少しずつ数値も改善し始めており。自分的には「いける」と判断していました。医者もこのまま改善すれば薬なしになるねと笑っていたぐらいです。

 ところが...こんな時に限ってというか。

 自らのミスで貴重な時間を使いつぶし。
 突然体調も崩れてしまう。
 あれよあれよと納期が迫る。

 これはまずいということで、6月中旬からずーっと土日も休みなしで仕事のリカバリーにつとめ(毎日ある程度残業もして)なんとかぎりっぎりのタイミングでクリア。
 仕事はそれでよかったんですが...

 この間の無理が身体に相当な負担をかけていたようです。


 7月に入りまして、土日明けの月曜日。
 布団から立てない私がいました。

 ともかくだるくて気持ち悪い。高熱を発して嘔吐を繰り返す。咳も止まらない。

 これは風邪をこじらせたんだな...と思い。
 会社を休んだ訳です。一段落してましたし。

 と、そこで完全に身体が言うことをきかなくなりまして。コントロールがまるで効かない状態に。

 私は連続4日間も会社を休むはめになってしまいます。

 会社に行こうとスーツを着て電車に乗った日もあったんですが、電車にのってすぐに気持ち悪くなる。頑張って耐えていると電車内で気絶しそうなぐらい。意識がどんどん薄れてくる。(後でわかりましたが軽い脱水症状だったようです)
 これはまずい...ということで自宅に戻って倒れる。

 ともかく医者に行って原因を究明しなければ...というこで、普段行く病院とは違うところ(通勤途中にある大きな病院)に会社を早退して駆け込んで。
 この時点での診断は『熱中症』。ただし病院に来る前に飲んだスポーツドリンクと休憩でかなり症状が緩和されている状態とのことでした。
 普段飲んでる薬も見せて説明したのですが主治医の薬は正しい処方だし今回はたっぷり水を取って寝てくれとのことで。
 いまいち納得出来ないまま帰宅。次の日はなんとか出社して...

 すぐにまた週末が来たんですが...

 ここでも動けなくなってしまい。とうとう病院にもいけない有様。
 なんとか回復した日にいつもかかっている主治医に「先生今こんな状態で...」と電話で相談したところ「ともかく今すぐこい。無理なら看護婦に迎えにいかせる。場合によっては診断終了後に俺が行くから...自宅どこだっけか」と心強いお言葉と共に内容と声は深刻。

 夕方にはなんとか動けたので病院に。
 血液検査もして心電図なども取って...血液検査以外の結果が(血液検査だけは外部委託なので数日かかる)出たところで診察室に入ると先生の顔が怒りの表情。
「おまえなぁ...なんでこんな数字になってるんだよ。このところの改善はどうしたんだよ」
 わりとマジ声で。おそるおそるいろいろと数値を見てみると...
 過去最高の悪化具合。

 血圧にいたっては下げる薬を飲んで上が170の下が120という状態で、時間帯的にも本来低い値が出やすいところでこれ。
 薬飲んでなければ上は220とかたたき出す状態。
 今までは薬さえ飲んでいれば上は130-150以内に収まっていたんですが...

 糖尿の方もまぁかなり危険な数値。
 先月までの数値がまるで幻のようで。

 心電図にいたっては「心筋梗塞の疑いを持ちたくなる数値なんだが」とか言われて思わずため息ひとつ。

「先生実は...」

 と先月の仕事内容について話すと先生もため息ひとつ。

「お前さんこのままじゃまずいよ。医者としてこうしろああしろとはいいづらいんだけれど、医者として言うならこの数値を放置は出来ない。まぁ疲れがたまってたり病気をしていたりもあったんだろうけどなぁ」

 とのことで。
 この一週間ぐらいの身体の状態など話したところ...おおよその流れというか身体の具合の悪くなっていく経過がわかったというか。

 風邪を引いたところで体力が相当に落ちていたためいつもより悪くなり。汗をかきまくった結果脱水症状に近い状態となったところで、体感温度がまともに感じられなくなっていた私は自宅で熱中症になりかけていた...

 だいたいそんなところらしいです。自覚はないんですが。
 そして若い頃からの無茶・無理が全て今になって負債として襲いかかっているんじゃないかと。先生はそう言ってました。ちょっとひどいな...と。


 ともかく一旦は薬でむりやり抑え込むことが出来るけれど、こんな状態では無理な投薬も勧められないとのことで。

 一応点滴などうってもらってある程度回復して帰宅したのですが...

 翌日またしても倒れる。

 ストレスによるうつかとも思ったのですが、それにしたって...な状態。私の人生では始めての経験でなにがどうなってるのかわからない。ひどく消耗して体が言うことをきいてくれない。
 再び数日会社を休むはめに。どうもおかしい...

 数日後になんとか出社したものの同僚や先輩からは「お前入院した方がいいんじゃないか...」と言われる有様で(見た目的にもかなりひどかったらしい)。
 部長からは「休職して本格的に治した方がいいんじゃないか?」と言われる始末。
 一応血液検査の結果が出てから返答しますと答えてその日は乗り切り。

 血液検査が出るというので医者に行ったところ...先生の顔がものすごく悲しい表情。ああ...なんかもうすごい数値出ちゃったかなぁ...といった雰囲気。

 数値を見て愕然。なにがどうというより全体的に悪い。
「一般の方はこの数値。病気患者なんかはこの数値」と書かれた場所の遥か上に自分の数値があるわけです。出てきた数値で唯一よかったのは尿検査で変なものが出なかったぐらい。

「医者としてはここでじっくり休むことを勧めたいんだが...」
「実は上司からもそういわれました...」

 と、いうことで診断結果をもって改めて部長に相談することにしました。
「最終的にはお前の体のことだ。自分で決めろ」
 部長の言葉に「休ませてください」と答えました。

 こんな状態では会社にも同僚にも上司にも迷惑です。
 これはもうすっぱりと諦めるしかない。

 まず人事の課長に相談。
 いきなりアポなしもなんだしと電話をして状況を説明したら「いいから本社こいや。今これるか?」との返事。
 慌てて本社に行きまして相談したところ「わかった。休みなさい」と。

 時間はないが短期間で引き継いで8月からでも休めと。
 相当よくない状態だというのが見た目でわかるんだ。
 いいから休んでくれと。

 普段合わない人にそこまで言われるようじゃいよいよもうだめだな...ということで休職願いを出すことになった次第。

 たぶんこのままだと8月も9月も激務になりそうな気配があり。
 幸いというか休んでいたことで仕事の切れ間が生じて今なら引継事項もある程度しぼれる。
 まさに「今しかない」状態だった。ぎりぎりで。

 仕事の引継時間もまるでない(わずかに数営業日)。それでもすいません休ませてくださいと頭を下げて。
 同僚や先輩には根回しとしてすぐに伝達。
「まぁ...仕方ないよな。治して早く復帰してね。なんとかしてあげるから」
 とのありがたいお言葉を頂きまして。
 短時間での引継ではありますが、なんとかやってくれると。涙が出るほどうれしい。ただまぁ厳しい先輩なんで言葉はグサグサ刺さる訳ですが...気がかりが減ったのは確か。

 ストレスでいうなら仕事休んでる方がある意味ストレスです。どうなってるか...大丈夫か...などと気をもんでる方がよほど辛い。それなら会社に来てしまった方が精神的には楽。けれど身体がついてきていない。
 嫌な咳も止まらない。水分とってればある程度はおさまるんですが、乾くと喘息のような状態になって会話もままならない。全身のだるさは糖尿もあるんでしょうが、体中がズタボロの状態でナニをやっても痛いし辛い。

 最初は1月程度休めば...と思っていたんですが、人事からも医者からも「だめ。最低2ヶ月」と言われてしまい仕方なく2ヶ月で休職を申請。

 そんな処理をしている間も体調は回復しない。
 どうも血圧だなんだという前に根本的に疲労が蓄積しすぎだと主治医には言われました。若い頃からの無茶が今になってきてるんだ。今休んでおけるならきっちり休めと。


 医者曰く「診断書では原因は糖尿とか血圧と書いた。けど、それだけじゃないだろうこれは。ともかく長い休みをとってリフレッシュして...体調を整えて復帰しないとだめだ。命にかかわってからでは遅い」とのことで。このままいくと心筋梗塞や脳梗塞も見えるし他の合併症も心配だと。血液の状態は相当よくないと。

 なによりストレスで心まで壊してはもう目もあてられないと。そんな仕事ぶりでは絶対に体と心を両方壊してしまう。それはこれまでずっと診てきた医者として勧められない未来だと。

 何度も言うがなにより体力の消耗がひどいと。
 消耗してるからちょっとしたことで発熱してしまうし風邪をひいてもなおらない。
 6月の無理がここにきて祟りまくりと思っていたのですが、どうも人生の負債が一気に襲ってきている。そんな感じ。


 そんな体調が悪い中で書いたとある記事に多くの批判が殺到し...1日100通を超える罵倒メールがくるなどありまして。

 普段ならなんでもなく対処出来るこんなこともこの体調の悪さの中ではどうにもダメージとなってしまうありさま。精神的にもへこむし疲れる。

 これはいけない。とてもいけない。

 身体をまず治すと共に精神的にも回復しないといけない。

 医者とも話しましたが、ストレスも要因のひとつだろうなぁ...と。メンタルクリニックに行って相談と薬の処方してもらうのも考えましたが、糖尿持ちだと薬限られそうだな...まずはこっちから改善しようか、と。

 そんな訳で人生半ばで少し長いお休みを取ることにしました。

 ブログの方はまぁ適当に更新するでしょうが(書くことでストレス解消になるんですよね私的には。反響が大きすぎた時にはびっくりしますが)、そんな状態です。

 この2週間ほど様々な人とメールのやりとりをしました。
 体調が悪い時は「子持ちの母親を追い詰める最低男」とか「主婦の敵死ね」とかいうメールが結構精神的にもきつかったりしましたが、それでも全てのメールに返事をして。どたばたも収まり。

 今は日々仕事もナニもかも忘れて健康の回復に努めています。
 食生活も野菜と肉中心で炭水化物は避けて。時間も以前と違って早めに定期的に。
 毎日ジムに行くか散歩と称したウォーキングを行っています。片道1時間半...3時間歩いて「散歩」もないものかもしれませんが(^^)

 食生活の改善と運動。ずっとやりたかったことをまずやる。そして検査の数字にそれを反映させる。仕事と同じできっちり確実にやるしかない。
 気合いいれても空回りするから適当に辛くない程度に。無茶しない程度にやっています。
 これで数字が改善しなきゃ入院してでも治す。そして健康にして職場に復帰する。でないと回りにまた迷惑をかけてしまうことになりますから。

 人生折り返し。疲れもたまっていたところでちょいと無茶をしすぎました。

 皆様もこの暑いおり体には十分に気をつけて。
 倒れてからでは襲いのですから。

※具体的な病名は書いてませんが不治の病ではないので。様々な病気の複合状態です。会社を休んでるのもあってめきめき回復してきています。暑さには負けそうですが、なんとかしてみせます。運動も楽しくなってきたところですし(^^)