PCのバックアップは絶対必須の作業と言ってもよく、OSの機能だけではちょっと心許ない...それがWindowsなら特に。
例えばこれがMacならTimemachineがあるため、特にツールを買ってくるとかする必要はまったくなく。
専用ハードでもNAS(QNAP辺りが楽だった)でもどこでも好きなところに好きな時点のバックアップを取るとこが出来る。
Linuxはどうだろうか。
OS標準でとなるとディストリビューションによるかもしれないが、強力なツールがいくらでも揃っている。
下手するといい機会だから環境構築し直そうなんて猛者もいるが、まぁそれは別格だ。普通はなかなか踏み切れない。
ではWindowsは?というと、ファイル単位でのバックアップなど手軽に出来る行為はあるもののOSごとシステムバックアップを取りたい...となったらツールを使った方がてっとり早い。
Amazonの悪魔が推奨するのは2つのツール。
ひとつはAcronis True Image。
パッケージでも販売されているし老舗の安心感もある定番のソフト。
もうひとつはEaseUS Todo Backup。
フリー版でも十分な機能を持った「無料の定番」とでもいうべきソフトで使用者も多い。
ともかく無料でツールを探そうとすると真っ先に見付かるこれも定番中の定番だったりする。
個人的にはこっちを最近は愛用しているけれど、有料版とフリー版でそれほど差がないこともあり他人にはフリー版を勧めてきたわけで。
では有料版のHomeにはどんなメリットが?というと「バックアップしたイメージを違うPC上に復元出来るよ!」という謎な機能が。
メリットとして知ってはいても試してないと怖くて使えないよそんな機能...という訳で試すことに。
今回はそのEaseUS Todo BackupのHomeに追加された「異なるPCまでシステムを移行」機能を使って、いざという時の備えを試した話になります。
True ImageはWDの箱に入ったHDDとか買うと専用バージョンがダウンロード出来たりするので安価に入手出来ることもある。
システムバックアップをするだけなら、一番安いもので十分以上の機能があると思う。
Todo Backupの方はどうだろうか?
無料バージョンの解説記事は昔からたくさん見てきたが、では有料パッケージの方は?というとあまり記事がない。
せいぜい上位のTodo Backup Workstationの記事ぐらいだったりする。
というのもWorkstationバージョンには「異なるPCまでシステムを移行」という機能があり、ここに有用性を見いだした人が購入して記事を書いてくれていたりという経緯があったりなんかしちゃったりする。
がメリットとしてあげつつも「お前ら実は試してないでカタログだけ見て書いてるだろ!?」と思うような記事ばかり。実際にやってみた話は...あんまりにも少ない(探した限りでは英語の記事しかまともなのは見つけられなかった...)
この機能、ちょっと考えればわかるがかなり???である(^^;。
そもそもwindowsの仕組みからしてチップセットとか変わっちゃったらどーすんねんみたいな部分があるし。
ドライバーとかどうなのよ!?みたいな。
とはいえ。まぁVMwareで吸い出した時の仮想PCみたいな感じなのかなーという想像も出来なくもなく。
使えればかなり強力な機能でもあるので魅力的ではあり。
お試ししようかなーと思ってるうちのこの機能が下位のHomeに搭載されるようになったので、チャンスがあれば試してみようと思っていたんですよね。
今まではWorkstation(4980円)にしかない機能だったのがHome(3980円)に搭載されるようになったのはちょっと面白いなぁと。価格差あんまりないけど(苦笑)
でいろいろあって。
今回はEaus様のご厚意でHomeをあずからせてもらうことが出来ました。
そこで一番気になるこの機能を試しつつTodo Backupのフリー版とHomeとの最大の違いだとAmazonの悪魔が思ってるこの機能を中心に試してみようかと思います。
※最後までずらずら読みたくないよ!という人向けに最初に結論を。
・実際に出来た!便利だ!(デスクトップPCのバックアップをノートPCにリストアしてしっかりと動作まで確認)
・異なるメーカー(INTELからAMDとかAMDからINTELとか)は試してないよ!でもたぶんいけるんじゃ?
・予備の機材(SSDとかHDDとか接続ケーブルとか。せめて外付けHDD)がないと作業が出来ないよ!
・パーテーションとフォーマットの違いがわかるぐらいの知識は必要だよ!(これは本文読んでね)
といったところ。結論から言えば「余裕があるなら買っとけー。複数PCもってる人は買っとけー」というところかなー。
では本文に。
まず、異なるPCへのシステム移行ですが、予想していたのはWinPEなどを使ってイメージ復元して移行するパターン。
というかこれしか方法が浮かばなかった...(^^;
実際にインストールして試してみると、やはりやり方はWinPEを使ったものでした。
手順を見ていきましょう。
今回はデスクトップPCからノートPCへのシステム移設をイメージして作業を行っています。
◎デスクトップ(自作)のスペック
・i5-6402P
・ASUS Z170-GAMING
・メモリ 16G
・SSD 480G(SDSSDHII-480G-J26)
※その他SSDとHDDがたくさん
◎ノートPC ASUS X202E-CT3317
・Core i5 3317U(一応Ivyだけどあんまり早くはない)
・メモリ 4G(増設不能...)
・SSD 250G(crucial MX200)...ただし今回はテストのためSAN DISKの240Gを接続してリストアしました
というスペック差が結構あるようなないようなあるよなーみたいな機材を使用。
単純に手持ちで余ってるデスクトップから余ってるSSD使ってノートPCへーな感じですが、運用テストなのでいいかなーと。
一応INTELベース同士だしいけるいける!とかわけのわからない徹夜のノリで作業してました。
まず、USBメモリなどに起動用WinPEを作成します。
これはTodoBackupのメニューの「ツール」から「ブータブルディスクの作成」を選択すれば作成することが出来ます。
USBメモリを刺してあれば起動用USBメモリを作れます。
古いシステムだとDVDの方がいいかもですし、比較的最近のシステムだと逆にDVDドライブを搭載していなかったりするので、USBメディアの方がいいかも。
この辺りはお好みで。
次にシステムドライブのバックアップ。これはメニューの「システムバックアップ」を選択して実行すればいいんですが、サイズがサイズですの外付けHDDに取ることに。
バックアップを取るHDDと、別PCで使う復元用HDDが必要となるので用意は忘れずに。
通常のバックアップではなく「システムバックアップ」でないと他のPCに復元出来ないので注意を。
ただのバックアップを定期的に取るだけなら通常のバックアップでドライブやらフォルダごとにとっていれば問題なし。
バックアップが取れたら、新しいPCに新しいHDDをセットして、WinPEから起動しましょう。今回はASUSのノートPCにデスクトップのバックアップをリストアしてみることに。
起動ディスク(USBメモリ)から起動したところ。メモリによってはちょっと起動に時間かかります(^^;
今回はトランセンドのそこそこのメモリを使ったのでそこそこ早かったかな...
起動するとこんな画面に。ここからシステムバックアップすることも出来ますが、今回はリストアというかシステム移行なので画面下の「System Transfer」を選択。
外付けしたHDDから内蔵のSSDにシステムを転送したいのでバックアップを選択。USBに接続すればメニューに出てくるので楽ちんといえば楽ちん。
(ちなみに128GのUSBメモリで試したところものすっっっっっっっごい時間がかかったのでオススメ出来ません。なんでやろうと思ったかな私...)
さくさくと操作を勧めます。戻すのはこれよーみたいな感じでイメージを選択。
戻したいのはCドライブだけなのでこんな感じに。
さーてじゃあやってみますかーと操作を進めると...
*おおっと*
テレポーターでなくてよかった...ではなく。警告が出てしまいましたが。
これは冒頭の結論のところにも書いたフォーマットの違いのところ。
バックアップしたシステムドライブのパーテーションがMBRなのにGPTのSSDに戻そうとするなんてだめだぞ?という警告。
つまり「移設先のHDDやSSDも事前に移設元の形式に合わせておかないといけない」という前提があるという。
このツール上から操作出来るのかなーとも思いましたが、すでに起動しているデスクトップがすぐそばにあるので、そっちにつなぎ直して領域解放の~MBRの~とコーヒーブレイク。
MBRにしてからノートPCに接続して再度実行。
今度はばっちり。
で、復元が終わったら...ノートPCを再起動。
すると...おお、Windows10がしっかりと起動しデスクトップの環境が再現された...!
(画像は都合によりお見せ出来ません。壁紙や使用ソフトのアイコンなどに大変な問題が...汗)
ドライバーの絡みがあって無線LANなどは死んでますが、Windows10自体はしっかりと動作。
オンボードLANは生きていたのでLANケーブルを接続したらネット周りメール周りも問題なく。
確かに異なるPC間で移行が出来た!という結論に。
ただし。この後何回か違うPCなど使って試したところ...
Windows10のアクティベーションが走ることがある(走らないこともあったけれど高確率で発生)。
ということでパスワードをきちんと用意しておいた方が(苦笑)
とはいえ。基本運用として「緊急時の対策」としか思っていないので私としてはこれだけで十分以上に満足。
データのサルベージも出来るしいざという時は起動して使える。
なら新規にSSDを購入してきてWindows10を導入して再インストールするまでの間しのげればいいかな...というところ。
うわーーーーっPCがふっとんだぁぁぁぁぁ!?となった時数時間以内にさっと環境構築してともかくメールやらなんやらの処理が出来る...それだけでも十分以上の価値があるかなと。
まぁ移設してずーっと運用する前提が私にないだけで、PCのお引っ越しに便利っちゃ便利だよなぁと思いつつ。機能的にそこまで頼るのもどうかなぁ...
なんにしろ「いざ」という時に頼れる機能なのは確かです。
なんとなーくこれフリー版でも出来ちゃうんじゃ...とも思いましたが、試しておらず。
この価格なら購入してもいいよね!と(テスト時は割引きセール中でHomeが2980だったし)
さて、試したかった機能を試したところで、最新バージョンのHomeとフリー版の違いも見てみましょう。
ホームページにも書いてありますが、フリー版とHomeの機能差は下記の通り。
(EAUSのホームページからキャプチャーしました)
まずはフリーで出来ないところを見てみると。
・バックアップ&復元スピード
Homeの方が早いらしいのだが、フリーと比べても差が感じづらい。
昨今の早いPCだと差が感じづらいが、2TなどでかいHDDにシステムを構築していると効いてくるかもしれない。試した限り500G程度だと体感で差は出なかった。
・一部のファイルを除外してバックアップ
別にいらないんじゃ...というなかれ。
ZIPなどのアーカイブファイルや動画など不要なものだけを除いてバックアップ出来るというのはそれはそれは便利だったりする。
特にHDDの中がどんなデータでぐちゃぐちゃになっているかわからない人ほど有用だ。
・無料技術サポートサービス
まぁ、フリーでついてる訳がない(笑)
機能というより質問とか出来るサービスなので...とはいえ、煮詰まっちゃう時はあるかもしれないので、これがあるとないとではねぇ(^^;
初心者ほど欲しいサポートかも。
あまり繋がらないが「ないよりは絶対あった方がいい」部分。
・Outlookのバックアップ及び復元
メールソフトにOutlookを使っているなら結構便利。
他のメールソフトあるいはWEBでGメールなんて人には不要。
はっきりと必要な人と不必要な人が別れる機能かもかも。
Outlookはかなり強力なツール(メールだけじゃない)ですがバックアップとなるとかなり面倒なのでツールで取れるのは大きい。
・Eメール通知...以下略
わりとディープな使い方をする人向け。
Homeにあるのがちょっと驚き(本来はworkstation版こその機能だと思うし)。
とはいえ必要な人にはありがたいかな。
普通の人は使わないと思う。
・異なるPCまでシステムを移行
今回試した機能。結果は記事の通り。Home最大の魅力かも。
と、上記の機能がフリーにない機能。
正直なところをいえば、フリーで十分と思えなくもない。
ただ...これは腕も知識もある人向けの話で、そうでない人は「無料技術サポートサービス」のためにHome版を買うべきだと思う。
サポートを軽んじる人ほどだいたい適当なことをしてしっぺ返しを食らうもので、十分でないかもしれないが訪ねる先があるというのは大事なこと。
ここだけでHome版をオススメ出来る。
手慣れた人ならば普段はフリー版で運用しておいて、必要に応じてお金を払ってHomeやworkstation版を購入する手もある。
とはいえ金額的にはそれほど高くないのでworkstation版を買ってしまうのが手っ取り早いという人も多々いたり(笑)。
さて、それではフリー版も含めてEaus Todo BackupについてAmazonの悪魔的な評価はというと...
いいからフリーでいいから入れとけ、
そしてバックアップを取れ。
という感じ。騒ぐ馬鹿ほどバックアップを取らない。準備をしない。
PCは消耗品で突然壊れるものという前提が頭にない。という常識的な話を説教する人もいるが、そんな理屈はどうでもよくて。
いいからバックアップは日常的に「もう癖でもなんでもいいから」取ってくれと。で、そのためにもフリーで十分以上の機能があるこいつをオススメしたいと。
実はもともとフリー版を愛用していて、ディスクのクローンを使ってSSDを大容量化してたり、システムバックアップをとっておいていざと言うときに使ったりと長らく愛用していたという経緯もあり。
特にシステムバックアップは本当にありがたく。
NASの中にいれとけば世代管理も出来るし。
いざとなればイメージ内のデータだけを取り出す(特別なことをしなくてもソフトさえいれておけばイメージ内のデータは通常のエクスプローラーで取り扱うことが出来る)など活用しまくり。
特に最新の10からはHDDとSSD間で復元出来るようになったこともあって、システムのバージョンアップ時にもありがたい相棒となっている。
他人のPCでHDDからSSDに移行だーとか発生した時にまずどっぱまるんだけど、こいつがあれば大抵大丈夫。(だめなシーンもあるけれど)
あと、9まではクローン作成時にこけてしまうことがあったが10からは手が入ったようでかなり安定した。
新しいUIは好みによるが好印象でもある。
今回はHomeを使用して試しているけれど、まずはフリーでいいから試してみてはどうだろうとか思ってる。
128Gや256GのSSDから大容量化したい時など、このソフト一本で一発解決出来ると思う。
その後パーテーションをいじりたいなら、同社のPartition Master Freeを使うことでパーテーション操作も自在に出来る。
この2本はフリー版でいいから入れておきたい定番ソフトだと思う。
今回はどうしても気になる機能があったためにHomeを使わせていただいた。
Homeだけの機能も試せて面白かったが、やはり緊急避難的な使い方を想定して使って行きたい。
全体としてはworkstation版から機能がだいぶHomeに降りて来ている印象だが、価格差がもともと小さいので買うならいい方を...と思ったり。
でもまずはフリーで試して見てはいかがだろうか。
基本的にフリーで大抵のことは出来るので、そうそう不満はない。
ふとっぱらだなぁと思うけれど、その恩恵をしっかりと甘受させていただこう。
そして余裕がある時や必要な時に有料版を購入して使う。これでいいと思う。
それとバックアップに関しては...
嫌だったら他社のツールでもいいから入れろ。そしてバックアップを取れ。
と口を酸っぱくしていろんな人が言ってるところなのでいい機会ですからこのタイミングでバックアップツールの導入をご検討くださいと結ばせていただきます(苦笑)
でもフリー版で相当なことが出来るからTodoBackupでいいとは思うんだけれど。