その性能は本当に必要かⅡ(ツヴァイ)...大容量HDDは本当に必要なのか

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 自宅のメインPC兼母艦PCのHDDは、2TのHDDがそれこそ積めるだけ積んである状態です。

 なんに使ってるのかといえば、動画のソースが入ってたり、その動画をエンコードしたデータが入っていたり、仕事上必要なデータが入っていたり、B2ポスターの原稿をフォトショップのPSDでもってくる友人がいたり(それもたくさん)するためで、もちろん必要だからそうなっているわけですが、その他のPCはというと、実はそれほど大容量のHDDなんて積んでなかったりします。

 容量単価でお得なHDDを買う...というのがPCショップでの定番意見で、今の主流は2Tと1.5Tがそのお得なHDDになります。予算を落とせば1Tあたりがぐっと売れるラインですし、主流と言ってもいいでしょう。

 

でも、本当にその容量を使い切ります?

 

使うとして、それはシステムドライブ(C:ドライブ)としてですか?

 

 パソコンに詳しい人ほど、なぜかCドライブは少ない容量のものを使用しているケースが多いものです。コアな人ほど、Cドライブは小さい方がいいといいます。

 そういった人がPCを自作する場合、HDDの買い方はなぜか複数台購入が基本です。そして概ね2つのパターンがあります。複数台購入するのは同じなのですが、ひとつはCドライブには容量の少ないものを選択し、大容量のものをDドライブ(データドライブ)にする。もうひとつは、同容量のものを買い、RAID化するというものです。

 後者の選択は雑誌等でもよく特集されている「高速化(RAID0)」を目的とする場合と、「安全性(RAID1)」を目的とする場合があり、結構明白な目的があるのですが、前者は...実際のところ結構曖昧な基準だったりします。

 経験則から少ないものを選択して行くようになるようで、システムクラッシュで苦い思いをした人はバックアップの都合上少ない容量の方が楽だから...なんて言います。あるいはそんなに使わないから...なんて言う人もいます。またある人は、データはCドライブに入れないから...なんてつぶやきます。

 

 ところでSSDという商品があります。HDDの代替え品の様に紹介されることも多いです。書き換え自由で早い。けど、その書き換え回数に限界があり、いずれは障害が出る。でも、HDDだっていつかは壊れるわけで、その寿命の差はあれど似たような使い方が出来る商品です。※(3/1 に。3/12 に文章自体を修正しました。原文は最後に保全してあります)

 ただ、HDDに比べると単価が高い。少ない容量で価格は何倍もします。ですが、その高速性は麻薬のようなもので、高くても一度使うと離れられない人がでちゃったりするのです。そのSSDを使ってる人達は小容量でシステムを構築せざるを得ない人達なんですが、実際のところ40Gや64Gといった容量でそんなに不自由を感じてはいないようです。

 データは外付けHDD等にいれ、システムは最小限にする使い方に自然となるからなんですが、よく使うアプリケーションなんて実は少ないものでして。本当によく使うソフトだけに厳選すると、さらに小さな容量で済むように。大概の人が、一度入れたけれど使わなくなったソフトや、雑誌のおまけでついてきたCDやDVDからツールやソフトの体験版をインストールして消さないままだったりするのです。

 

 あとは...ダウンロードしたデータ類を消さずにいれっぱなしにしてたりとかも。

 マニアックになってくると、どこまで削れるか。どこまで小さなシステムにするか...そんなことを目的にする人も。

 閑話休題。

 Cドライブに必要なのは最低限OSです。そして、よく使うアプリケーションを数本...そんな構成なら、確かに64Gあればお釣りがくるものです。私でもWindows7+ATOK+Firefox+thnderbirdが基本セットで、thinkpadには実際その程度しか入ってなかったりします。

 システムドライブには確かに大容量は必要ありません。...では、逆にどんな人が大容量ドライブをCドライブに必要とするでしょうか?

 

 答えは簡単です。自分のPCのデスクトップ画面を見てください。たくさんアイコンが並んでいませんか? ショートカット以外のデータがたくさんありませんか? マイドキュメントの中を見てください。マイピクチャーの中は? マイミュージックの中はどうですか? たくさんデータが入ってませんか?

 もしそうなっているなら、それが答えです。データの整理が出来ない人。あえてしない人。なんでもかんでもとりあえずマイドキュメント。作業はすべてデスクトップ。そんな使い方をしている人こそ、大容量のHDDでシステムドライブを構築した方がいいでしょう。

 その使い方が悪いとは私は思いません。本人にとって使いやすいのなら、それもいいと思います。否定する人も多いのですが、たまにしか使わないパソコンならどんどんそんな環境になりがちだったりします。そして、一度使用したり見たりしたデータを消さないで放置して、どんどんため込むと...うん。64Gなんかじゃ無理。1Tでも下手すれば足りない。

 以前、パソコンの動作が重い、重いと言っている知人のPCをメンテナンスして、びっくりしたことがあります。SONYのVAIOのデスクトップだったんですが、容量80GのHDDを2つにわけてあり、Cドライブは30G。Dドライブが50Gになっていて、そのDドライブにはまったくデータが入っていないのです。Cドライブは空き容量数メガバイト。これではエラーも出るし、重くもなるでしょう。Dドライブにデータをいれるように言ったところ「Dドライブって何?」と返され、その場で硬直。まぁ、わからないなら仕方ない...と、パーテーションマジックを使用して、Dドライブを解放。Cドライブを80Gにしてデフラグをかけてあげました。

 本人はとても喜び「メーカーも余計なことするなぁ。なんで分けるんだよ。一個でいいじゃん。マイドキュメントにしかデータいれないんだし」と一言。...何も言いません。そういう使い方をしたいなら、そう使えばいいだけです。ですが、せめてドライブ名とフォルダ名の区別が付くぐらいには勉強した方がいいかな...と思い、ネットでいろいろ検索させて勉強させたりしました。

 でも、この使い方はパソコンの動作を重くします。そして、目的のファイルを見つけづらくします。ちらかった部屋と同じで、覚えている間はいいのですが、ちょっとしたきっかけでしばらく触っていないと、どこに何があるのかわからなくなりがちなのです。それでもいいなら、それはそれですが、この機会にそんな使い方を見直してみるのもいいかも。

 Windows7ではいわゆるマイドキュメントにあたるユーザーフォルダを別ドライブに簡単に設定できます。これを利用すれば、外付けHDD等にバックアップを取る時も楽ですし、物理的な別ドライブにユーザーフォルダを設定すれば、若干ですが体感でも高速化が体験出来ます。複数PCでマイドキュメントを共有する...なんて使い方も(笑)

 マニアな人達ほど、データは別ドライブに整理して保存するようになるため、最初に出てきた使い方になっていくのかもしれません。効率がいいし、手間も実は思ったほど大変ではありません。

 マニアックなこだわり方をすると、「1プラッタ辺りの最大容量と同一の容量を持つHDDをCドライブにするぜ!」とか言い出すのですが、そこまでこだわらなくてもいいとは思います(けれど実際はその容量とは500Gで、市場で手に入るそこそこ割高感の少ないHDDが500Gなので、こだわった人と偶然同じドライブを買うことになるかも(^^;))。高速性を求めるなら、いい選択なんですけどね。

 Cドライブがシステムドライブといわれるのはなぜか。データドライブは別に持つ前提だからで。メーカー製PCの多くが1つのHDDを複数のパーテーションにわけているのはなぜか。

 そして、大容量HDD最大の弱点...それはクラッシュした時のダメージ。それがデータであったとしても、そのデータを集め直すことや、再度作り出す労力を考えると、いくつかのドライブに分散した方がリスクは少ない。そしてシステムディスクが最もクラッシュしやすい(OSが頻繁に読み書きを繰り返すため、HDDやSSDの消耗が激しい)のですから、大切なデータは別ドライブにしておいた方がリスクが少なくなります。(物理ドライブが1つしかなくても、パーテーションを分けてあればそれだけでリスクは減ります。物理クラッシュは無理ですが、OSのクラッシュに巻き込まれないですみますし)

 そして、もう一度見直すべきは「そのデータは本当にPC内にいつもいれておかなければならないものか」ということ。

 DVDディスクに焼いたり、外付けHDDに待避すればバックアップも兼ねられますし、別PCでもデータを利用出来ます。

 そうやって考えていくと「大容量HDD」って本当に必要?という気にもなってくるものです。

 実際のところ、普通にPCを利用している人ならば500Gでも余るぐらいだったりします(笑)

 まぁ...youtubeやニコニコ動画のデータを大量にダウンロードしたりしてる人は、2Tといえどもすぐにいっぱいになっちゃうみたいですけれど(規約違反なんですが、かなりたくさんの方が...)。あとは...画像データを死ぬほど集めちゃう人とか(どんな画像かは人それぞれ。コンパニオンさんの画像だったり、着ぐるみ画像だったり、人には言えない画像だったり)。そんな人は、データドライブに大容量なものを。そして、見なくなったデータは外付けHDD等に待避して後で整理。そんな運用をお勧めしてみたり。

 SSDをいつかは導入したいな...そう思ってる人は、そのいつかに備えてCドライブのダイエットを始めるのも悪くはないかもしれません。そもそも物理的に容量が大きいものはとんでもなく高いので、手が出る範囲だと32G・40G・64G辺りになるから。

 実際に秋葉原の店舗で聞いてみたところ、まだまだ500GのHDDはたくさん売れてますよ~とのことでした。容量単価より、実際に支払う金額も考えて。トータルの予算も考えつつ。※

 本当にその大容量HDDが自分に必要かどうか。一度考えてみるといいかもしれません。

※低予算PCを組む場合、HDDを小さめにするのは定番ですね♪

 

2/22 追記

 

 メールでご質問がありました

 別にわざわざ小さなHDDと大きなHDDの2つにわけて買うのを推奨するわけではありません。安価に大容量HDDが手に入る時代ですから、パーテーションで区切るだけでも運用上は十分です。記事中にも書きましたが(^^)データロストのリスクヘッジと運用の便利さはそのやり方で十分効果を感じられます。

 ただ、物理的には1つのドライブですから、windowsが頻繁にシステムドライブにアクセスする状態で同じ物理ドライブに作られたデータドライブのパーテーションにアクセスすれば...当然スピードが落ちます。なので、詳しい人は2つのHDDを購入する方向に走るんですね(^^)ただ、あまり古いパソコンですとHDDの規格上交換が面倒(S-ATA世代は何も考えなくてもいいんですが、IDE世代ですとマスター&スレーブの概念があり、ジャンパピンによる設定が必要だったり)するので、世代によっては最初から運用を考えて新調しちゃうのも手です。

 別記事にも書きましたが、E3200+G31(G41)の組み合わせでもかなり使えるPCにはなるので。HD動画等に不安を感じるなら予算が許す限り最上級のCPUにすればいいかと。複数台買うと予算に跳ね返るので、大容量HDDを複数買う選択より、やや小さめのHDDと大容量HDDの組み合わせか、それこそ500GのHDDを2台購入してRAID0なんて買い方が出てくるわけです。(2TのHDDを買うより、秋葉原とか限定ですが500GのHDDを2台買う方が安いです。500G+1Tでも2Tを一個買うよりやや高い程度の価格に収まります。地方だとちょっとまた事情が変わるのですが)

 そもそも予算があるなら、別に小さなHDDにする必要はないので、1Tと2Tの組み合わせ!なんてのもアリだと思います。私なんかはその口です。...ただ、Cドライブは1Tどころか64Gに収まっちゃうサイズなので、近いうちにSSDに換装しようかな?と思ってます。

 

 

※3/1追記

 SSDに関して

「SSDはRAMではなくFlashROMということはご存知でしょうか?そして、RAMはROMと違った劣化の仕方をします。」
「偉そうに間違った知識ひけらかしてんじゃねぇよ氏ね」
「誰でも間違いますが、間違った知識を堂々と書かないでください実際には...」(以下、サムスン社のSSDに関する資料とintelの資料がコピペされていました)
等のメールをいただきました。

 当方も存じた上でのたとえ話として書いたつもりでした、誤解をまねく表現があったのは事実ですので記事中の一文に「ようなもの」等を追記させていただきました。ご意見ありがとうございました。

 

※3/12追記

 記事の趣旨はあくまでも「その大容量は必要なのか」なのですが、「SSDはRAMじゃねーよ」「Flash ROMについてのまともな知識がないやつがえらそうに」「わざわざフォントサイズ大きくして「でっかくて消えづらいRAM」と言ってるのが悲しい」「FlashROMは文字通りROM。書き換え可能だけど。あとRAMの書き換え回数には確かに上限があるけど、HDDより多いぞ?馬鹿じゃねえの?」等メールでの批判が止まりませんので、記事の趣旨を理解していただけなくなるよりは...ということで修正を加えさせていただきました。元々の原文は以下の通りです。(元の発言主の特定を避けるため一部文章を変更してあった方に修正しました。改変して悪口にしてあるのもどうかと...)

---------------------該当部分

「ところでSSDという商品があります。HDDの代替え品の様に紹介されることも多いですが、実際のところは「でっかくて消えづらいRAM」みたいなものです。RAMみたいなもの(正確にはFlashROM)ですから、書き換え自由で早い。そして簡単には消えない。けど、その書き換え回数に限界があり、いずれは障害が出る。でも、HDDだっていつかは壊れるわけで、その寿命の差はあれど似たような使い方が出来る商品です。

---------------------ここまで

 記事の内容への批判は読んでいただけた結果なのでうれしいのですが、書きたい内容ではなく、たとえ話の一部分だけにこだわり、メールで批判を繰り返されるのは少々疲弊しましたので、修正させていただきました。また、修正したこと自体を批判される方もおられるかと思いますので、原文を最後に保全させていただきました。元々の私の文章に問題があったのでしょう。個人ブログとはいえ、読む方はどうも区別されていないようですので、気をつけて書くようにしたいと思います。

 なお、こちらに届いた批判メールは3/12日現在で86通。大容量HDDが必要な人には必要。いらない人にはいらない。言ってしまえばそれが言いたいがための記事なのですが、揚げ足とりが多く、全体を読まずに批判してくるメールも多かったため、このような処置をしました。SSDに関する記事は別の方の詳しい記事をご参照ください。私が言いたいのはそこではありません。

 なお、メールの中にtwitterのつぶやきを引用する方が増えています。twitterで批判をされる方は、その辺りを気をつけた方がいいかもしれません。「この人もこう言ってるぞ!」という形で引用されていたり、さも自分の意見のように書き殴ってくる人がいました。このつぶやきの流用を禁ず、等明記しないといけない世の中になるのでしょうか...

 元々の発言をされている方の文章を把握していましたので、複数の方から同一文章が来ていることから当人ではないと断定しました。文句・意見はせめて自分の言葉していていただけるとうれしいです。例え他人の言葉が「そう、それだよ!」と思うようなものであったとしても。

 twitterでの批判すら容易に出来ないようでは、ちょっと困った時代になっちゃったかもしれません。なお、当ブログは批判・意見等は素直に聞くようにしたいので、twitter等で「これおかしくね?」「馬鹿だなーこいつ間違ってるよ」等いろいろ言われること自体はむしろ大歓迎ですので、読んで思ったことがあればガンガンつぶやいたり、ネタにしてもらえればと思っています。読んでもらえることが、ブログを書く原動力なので...それに間違ってることを間違ってると言うのは結構勇気がいるものですから、言ってもらえるのはとてもうれしいです。

 ただ、一部分だけを誇張したり揚げ足を取る人ばかりではちょっと悲しくなりますね...

 最後に文章自体に問題があったことを反省すると共に、今後の糧とさせていただきます。ご批判・ご意見ありがとうございました。