PenM世代ノートPCを新生せよ...メモリ増設とSSDと

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 ノートPCがここまで安くなると、古いノートPCから新しいのに買い換えなさい...とアドバイスすることが多くなります。

 先日紹介したMSIのノートやAsus、Acerといった海外製ノートの価格性能比の高さは目を見張るものが(円高で安くなってるのもあるんでしょうが)。

 ただ、モバイルノート市場となるとなかなか難しい。古くからレッツノート派やThinkpad派がいるように、使い勝手の好みや要求に合わせて値段と性能が設定された比較的「高い価格」の市場でしたし。

 

 

 

 ネットブックから始まった低価格路線で、最近ではB5ワイドノートとかでもかなり安価でバッテリーも持つ商品が出てきましたが、いまだ決定版というものを私自身見いだせずにいます。

 まぁ...このひと月の間にMBA(Mac Book Air)の新型ブームが到来し、これにWindows7をインストールしてハイブリッドで使用するのがもっともよい最適解である!!とばかりにある程度余裕のある人や、PCマニアの人たちがこぞって突撃してはいるんですが...それも「決定版」とは言い難く。

 まして、古いノートPCの方がキーボードも含めて出来がよかったりする場合もあって、趣味的な部分でも新調を進めづらかったりします。まぁ、WindowsXPを使用する前提ではあるんですが。

 持ち歩くノートにそう性能はいらない、いまのまま延命したい...という話になると、安価にできることは2つ。必須なのが1つ。必須なのは...バッテリーの交換だったりします。モバイルノートのキモともなる稼働時間を購入時の長さまで戻す唯一の方法ですし、性能をあげるより「持ち歩く」ことを重視するモバイルノートにおいてはやはり欠かせない「消耗品」です。

 そう、ノートPCのバッテリーは消耗品なんですよね。ほっといたって劣化しますし。最近バッテリーがもたなくなったな...と思ったら、バッテリーの交換を検討するのも手だと思います(とはいえあんまり古いノートだと安価なバッテリーがなかったり、Thinkpadの一部機種のように純正バッテリー以外は警告を出してきたり(ユーティリティをインストールしなければ出ませんが、それでは魅力が半減したり)する場合もあるのでなかなか難しい部分もありますが。

 そこを乗り越えて、今もってるノートPCを延命したい、もう少し快適に使いたい...という投資を行うとなると、比較的安価に出来て効果が高いのが「メモリ増設」です。

 案外買ったときのまま使用している人が多いもので、古いノートですとメモリ512Mで運用しているのがザラだったりします。世代にもよるのですがメモリ増設することで、これを768Mや1.2Gに増設すると快適さがぐっと増します。ハードディスクへのアクセスも減りますし、投資額も少なく(数千円程度)て財布にも優しい。(ただし、機種によってはこのメモリすら高くついてしまう場合がありますので、そういうときは新機種を検討した方がいい場合も...)

 そしてもうひとつの選択肢がHDDの交換になります。

 買った時期にもよりますが、20Gや30G...あるいは40Gといった2.5HDDが搭載されていた場合、世代の問題もありますがかなり遅いのが現実。これを早くて新しいものに交換することで体感速度も上昇し、容量も増やせて一石二鳥というわけです。

 普段頼まれればそれを勧めます...が。

 どうせなら。

 SSDへの換装はどうでしょう? と最近は勧める機会が増えてきました。

 理由としては...

 

 ひとつは、IDEの2.5HDDが少しずつ流通量が減少していること(まだまだ余裕で手に入りますが)。

 ひとつは、モバイルノートの特性上...持ち歩く機会が多く、可動部分の存在しないSSDのメリットが大きいこと。

 ひとつは、安価なSSDが出回り始め、その効果が高いこと。

 ひとつは、チップセット等の制限で120G程度のHDDにしか換装できないものがあること。

 

 こんなところでしょうか。大容量HDDに対応していないノートの場合、それこと80Gや100GのHDDを探して買う...となるとやや割高感もあるので、だったらいっそ...という話になりやすいのです。

 ノートPCの機種によってはとんでもなく難易度が高くなってしまう場合もあるのですが(私が手掛けたなかではレッツノートの旧機種で相当手こずった記憶が...ネジが何本か余ったりとかお約束もしてましたけれど(^^;)、それを乗り越えられる人にはとても魅力的。機種によってはすごく簡単だったりしますし(ネジを外してキーボードを外すパターンが多いですね...ダイナブックとかそんな感じ。VAIOは...実は成功したことが少ないのでなんとも。持ち込まれることも少ないのですけれど)。

 専門の業者に頼む方法もありますが、あんまり費用をかけてしまうと最近の機種を買っちゃった方が...なんてことも。

 実際中古市場を目にいれれば、レッツノートやThinkpadのB5タイプは企業のリースアップの時期でもあり、程度のいいのがごろごろしてたりします。新しめの機種であればメモリも安価ですし、HDDの交換も簡単なものが多く、タイプもSATAなので入手性も高いし制限も少なく大容量のものが安価に手に入る...とメリットも多くなります。下手するとバッテリーだけ新調すれば現役続行も余裕だったり。

 私も紆余曲折あったうえで現在はThinkpad X61sを使用していますし。まだまだ快適にいけると思ってるノートです。中古市場でX61辺りはかなり安価になってるのでわかってる人は捕獲したりしてるようで。

※メモリは4Gまで搭載可能、CPUはCore2Duoを搭載(sだと低クロックになりますが、1.6G程度あれば実用に問題なし)。965G搭載なのでVISTAや7もインストールして実用出来るポテンシャルがある(快適かは人それぞれ感想があるでしょうが)。SATAの150G制限問題もありますが、知識と度胸があれば突破可能...ですが、障害がないでもないのでおすすめはしません。大容量のHDDが使えればとりあえずOKとしといた方が。mod-biosを使用しなくてはならず、難易度はともかく自己責任の意味がわからない人にはとてもとてもおすすめ出来ませぬ。高速SSD搭載で「一番いいのを頼む」みたいな望みがなければ標準で使うのがおすすめです。私はやっちまいましたが...搭載するSSDがそれほど高速でなかったので恩恵が(涙)

 

 閑話休題

 

 先にも書いたようにキーボードのフィーリングがどうしても旧機種の方がいい(古いものの方がコストかかってる場合もあるので、確かにありえる話なんですよね)とか、レガシーインターフェイスが欲しいなどの理由で古めの機種を延命したいなら...

 SSDはとても有効な手段だと思うのです。

 サンプルになるかどうか。一例を。

 先日私のところに持ち込まれたダイナブックSS1610。私も以前所有していましたが、丈夫で使いやすくコンパクトなノートPCです。CPUはPenMの1.1Gのもので、搭載メモリは512Mで運用されていたようです。紆余曲折があって社員の方の私物となることが決定したそうで(減価償却済みなので新規PC入れ替えで廃棄になるところをキャッチアップした)。

 もらった社員の方からすると今まで毎日使っていたノートPC。スピードはこれで十分、タダでもらえるなら最高! という感覚だったんですが...HDDがやや心もとない状態(SMARTエラー出してる状態と思っていただければ)。

 もともとの所有企業の社長さんからHDDのクリーニング依頼もついでに受けまして。だったらリカバリー領域だけコピーして新しいHDDで運用した方が...ということに。快適になるなら任せるわ! との声に後押しされて予算2万円を預かって悪魔の工房入り(実際そう言われてた...ふつうのアパートなんだけどなぁ...)

 メモリ搭載とSSD換装で予算内だな...ということで作業を行いましたが...いやー、もうなんというか「おいおい東芝さんよ、そいつはびっくりだぜ」というトラブルに見舞われ、冷や汗をさんざん流しまくり...2日ほどいろいろやってどうにか成功。なべラボさんのこのページに行き当たらなければ本当に危なかった...あらためて感謝、感謝です。古いカードがなんの役に立つかわかりませんなぁ...しかもなんでそれで動くのよ...とかまぁ、いろいろ。リカバリーからスムーズに行けばよかったんですが、ちょっと諸事情ありまして(元のHDDのリカバリー領域が破損していたという...とほほほ)。

 

 結論として。

 

「早っ!?」

 

 ということで(笑)

 手渡した後持ち主大興奮。

 OSがXP使用なのもありますが、彼の予想以上の速さに。いやいやこれならまだまだいけるよ!! と彼は大興奮して帰宅しました。まぁ、もともと入っていたHDD(20G)が容量ぱっつんぱっつんな上にそんなに早くないという状態だったので...ずるいっちゃずるいんですけどね(^^;

 秋葉原で購入したDDR PC2700メモリ1Gの中古品(3980円)の搭載を行い(最初に入っていた256Mを抜いて交換。本体に256Mのメインメモリが実装されている機種なので、合わせて1.2Gとなりました)、SSDは9800円の物を使用(後述)。

 メインメモリは倍増し、HDDはSSDへの換装で大きくパワーアップ。元の速さを知っていれば、この体感速度の向上は非常に大きく感じたようです。私が出した提案では「2万まで。予算はそこまで。それ以上になるようだったら、安価なノートPCや中古のいいのを探すのも手だ」というものでした。実際には16000円程度の投資で彼は満足のいくバージョンアップとなったと。(もう一つ彼が速さを体感した理由はOSがクリーンインストール状態だったから。入れたてのWindowsは一際早く感じるものです。)

 安価なDDRのメモリが見つからなくて結局中古メモリになっちゃったのが予定外でしたけれど、まぁまぁ満足のいく結果に。(最初に買った新品のDDRメモリがどーしても動かず。PC2700の機種でもいけるという話だったんですが...だめだったんですよね。まぁ、よくあることです)

 今回使用したものとほぼ同等、同額なSSDがAmazonにありました。

 

 私はバルクで9800円で売ってるのを見かけて購入しましたが、同じCFDのもので速度等もほぼ一緒。型番は比べてませんが、たぶん同じようなものかと(いい加減な話ですが、すでに物は他人のところにあるので確認しようがないもんで。すいませぬ)。

※画面右でAmazonから購入を選ばないと出店してるショップからの購入となり、やや割高になってしまいます。2010/11/04現在ではAmazonの方が安いのでそちらから買うといいかと。

 元が20Gや40Gのノートを使ってる人にとっては64Gになることで容量と速度の両方を手に入れることにもなります。インターフェイスの問題もあるので、早すぎるSSDを搭載できたとしてもその力が出ないと思いますし。元が元ですから、十分に速さを実感できると思います。

 世代的にPenMの1.0Gとか1.4Gとかのノートを使用している人はここまで価格が落ちるとSSDは十分に視野に入るものかと。HDDと違って衝撃に対しての破損率は低いし、軽いし...でなかなかいいものです。

 もし古いPCの延命をたくらむ考えるなら自分の所有するノートPCがSSD搭載可能かどうか等、購入前にいろいろ検索しておいた方がいいでしょう。同じようなことをして成功している話などがあると、参考にもなるしどのSSDを買えばいいのかの指針にもなります。IDEタイプのSSDで安価なものが市場に出回ってるうちだけかもしれませんけれどね(^^;

※余談

 Amazonの悪魔の基本スタンスは「買い換え推奨」なんですが、なぜかやってることは「改造させられたり、延命のプランを作成させられたり」なので、需要としては後者の方が大きいんでしょうかね...WindowsXPにこだわりないんだったら、最近の安価なA4ノートとかかなり魅力的なんですが...モバイルノートの分野だと、まだちょっと言い切れるほど商品出揃ってない気がしています。

 また、そこそこの中古を買って、バッテリーを新調し、メモリを買い、HDDを交換し...などとやっていると、最新機種の割引品とたいして変わらない...なんてことも。予算を決め、スペックと最近の新製品等と見比べて...自分に合ったやり方で欲しいものに仕上げるのがよいかと。ノート本体がすでにあって...だと今回みたいにメモリやSSDで延命の方が安上がりですが...チップセットが855Mあたりならともかく、それより古いPen4-M時代だと結構厳しかったりしますので、安価な新製品を探した方がいいと思います(^^)