高速HDD VS 旧世代SSD...使い勝手がいいのはどっち?

 SSDは一過性のブーム...だなんていう人もいましたが、すでに一般的なハードとして認知され始めたように私には思えます。

 あくまでも速いHDDというイメージで使うことになりますが、その進歩は速く...というか速すぎて。いろいろあってすでに何世代進んだんだろう...という状態なんですが(汗)

 たまたま手元に古い世代のSSDと最新...でもないんですが、結構高速な2.5HDDがありましたのでベンチマークを中心にその使用感など比べてみようかと思います。

(あくまでも旧世代のSSDとの比較です。最新のSSDはHDDに比べてもかなり早いんですがそれでは面白くないので(笑))

 

 さて。今回のターゲットとなるハードですが...まずはSSDから。

 一時期I/Oデータの「白箱」と呼ばれて秋葉原で特売されていた一品。SSDN-S64BことサムスンのMMCRE64G5MPP-0VA。公式には読み込み90MB/s書き込み70MB/sという代物で、SSDとしては結構古い(2008年末ごろのもの)。プチフリと呼ばれる問題がありまして、まぁ一時期のSSDでは結構有名な問題だったんですが...このMMCRE64G5MPP-0VAはプチフリもなく。安価でそこそこのスピードのSSDとして珍重されていました(というより64Gの容量で9800円で売っていたことの方が驚きでしたが)。

 

 対抗するハードディスクは...Travelstar 0S02599 BOX (500GB 7200rpm)。7K500と呼ばれるシリーズになります。高速ドライブにしては安価な逸品で、16Mキャッシュも効いてなかなか速いHDDです。価格とスピード・容量を考えると現状ベストにかなり近いHDDだと思います。静穏性も高く、根強い人気のHDDです。後発の7K750等ありますが今回は7K500を用いました。

 

 さて、ベンチマークをとってみましょう。ターゲットPCは...手持ちのノートPCで最も大活躍のThinkpad X61sをチョイス。実はある意味ミスチョイスなんですが今回のテストにはうってつけ。どういうことかというと...このX61s、sATAにBIOSで制限がかかっているためMAXのスピードが150制限。せっかくのsATA2だというのに...

 でもこれが旧世代対決にはある意味ぴったりかな?と。やや古いPCにSSDを搭載して...なんて考えている人は多いと思います。中古や友人から譲ってもらったりしてパワーアップを考えている人もいるでしょう。最新型のSSDなんて買ってもX61sでは一定以上のスピードがあるとPCの方のボトルネックがあるためせっかくの高速性が犠牲になってしまいます。

 今回の2つのハードではそんなこともないのである意味ぴったりかなーと。

 ではまずSSDの方から...

 

SSD.jpg

 まぁある意味公称通りのスペックです。ベンチマークは64bit版で取りましたが特に意味があってのことではありません(笑)さすがにSSD。シーケンシャルもそうですが512Kや4Kといったランダムアクセスの数値が高めです。これが小さなファイルにアクセスが多い人には地味に効いてくる数値なんですよね。

 

 次にHDDのベンチマークを。

HDD.jpg

 

 シーケンシャルアクセスの値はSSDを凌駕しています。実際かなり早い。反面ランダムアクセスの値は低くなります。でも2.5HDDとしてはかなり立派な数値だと思います。というか...

 ぶっちゃけ早い(笑)

 なんというか、かなりの健闘ぶりです。

 

 でここからは数字ではなく使用感からの話。まず、それぞれの環境で常時運用を数週間ずつ行いました。起動・終了は基本的に休止モードを使用しましたので、通常のノートPCの使い方に近い体感を得ているかと思います。OSはWindows7の64bit版を使用しました。

 まず、起動・終了。これについては...立ち上げているアプリによりますがほぼ拮抗します。実際ストップウォッチの計測ではSSDの方が早いのですが、体感で1~2秒の差だと比べないとわからないレベルです。画面が出るまでのスピードは変わらず...その後のアクセスでやや差が出るといったところでしょうか。

 次に日常行うテキストファイルの編集やエクセルファイルの作成。ネットブラウザーの使用、メールソフトの使用などですが...これもSSDの方が早いという感じ。ランダムアクセスの力が効いている感じですかね。

 動画ファイルや大容量サイズのファイルコピー。これはほぼ同一...かあるいはHDDの方が早い感じでした。ファイルの種類にもよりますが巨大ファイルに関してはHDDに分がある感じです。

 軽さ。馬鹿にしたものでもなくSSDの方が圧倒的に軽いです。モバイルノートではこのちょっとの差の積み上げが体感に大きく作用すると思うので一考の余地あり。

 

 で、それぞれ運用したのですがなかなかに甲乙つけづらい結果となりました。確かにSSDの方が全般的に快適なんですが...今回使用しているHDDがかなりの大健闘で...普通に使う分にはこっちでいいんじゃないか?というのが私の結論です。

 理由としてはまずその値段。安いところでは5千円を切ることもあるという恐ろしいほどのコストパフォーマンスを誇ります。

 次に容量。これはもう圧勝で、SSDはどうしても大容量=高額になりますから仕方ない。そんなに大きなサイズのHDDは必要ないかもしれませんが、動画を持ち歩いたりする人には重要な部分でしょう。

 価格が安くて容量も大きく...そしてSSDにそう劣らないスピードを持ったHDDだということが今回の結論の決め手でしょうか。

 

 た・だ・し

 HDDは振動や衝撃にもろく、その点ではSSDには勝てません。そこに魅力を感じる人ならSSDを選択した方がよいでしょう。今回使用したものよりも高速なHDDが特売でごろごろしてる世の中です。地方の方であっても通販の特売などで容易に入手可能だったりします(私もときたま見かけて、帰宅後チェックするとまだ在庫あったりとかしばしばあることなので探していればいつかいいものの巡り会えるかと)。

 ただ、その一点以外はそう劣らない性能をたたき出している事に素直に驚きました。

 7200回転のHDDは熱が怖いのですが今回は特にそういったこともなく。つけっぱなしでエンコードとか無茶なこともしてみましたが熱に悩まされることはありませんでした。むしろX61s本体の熱が(汗

 これは取り付けるPCによるので換装される方は十分注意してからチョイス。不安なら5400回転を購入するといいでしょう。それでも値段が下がる分だけお得感もありますから。

 

 

 

 アマゾンでは6100円前後とやはり悪くない価格。送料無料なのを考えるとこれはかなりいい感じかも。

 SSDの高速性も捨てがたいのですが、価格の安さと大容量が魅力的ですのでそこら辺はよく考えて。

 もしスピード重視でしたらINTELの120GなSSDが超おすすめ。そこそこ高いのですがスピードもあって容量もそこそこというSSD初心者でも安心して買える逸品です。

 

 とはいえこの価格差。スピードを追い求めるかどうかで変わりますが...壊れるリスクがあっても今回はHDDの方をおすすめしておきましょう。特にSSDの場合いろいろと気をつかわないといけないので(デフラグしちゃだめとか言われたり、ちゃんと性能を引き出すためにはPC側の設定がいくつか必要だったり。HDDだとその辺りは気にしなくていい)。

 最近のHDDの進歩はめざましく。2,5インチでは破格の対価格性能だと思います。

 予算があるならSSDを。そうでないならHDDを。そんな選択でもいいかもしれませんけれど(笑)