まだまだ現役なPentium4世代のパソコンたち...仕事の効率を落とすパソコンが生み出す休憩時間?


 今時Pentium4のパソコンなんて...と個人でPCを使ってる人はよく言うわけですが(私も言いますね)、実際のところまだまだまだまだ現役で活躍しています。
 どこで?といえば企業で。

 企業のPCは一定のサイクルで入れ替えられて行きます。リースの期間などにもよりますが、5年ひとくぎりというところも結構多い。
 今から5年前というと...2007年。



 大手メーカーのフラグシップがCore2Duoに移行し始めている頃で、具体的にはE6300辺りがNECのVALUESTARの春モデルに搭載されていた頃でしょうか。

 実際のところ民生用PCは企業用PCよりもやや高スペックなものが多いのが実情です。企業で使うPCは「安価であること」がまず第一に用件としてありますし...その上で「長期の保守が可能なこと」や「サポート体制」「耐久性」などが重視されます。
 
 わかりやすくいうと「一個前」のスペックのPCがだいたい企業用として導入されます。
 ましてこの当時メモリは「金ばかり食う上に売り上げに貢献しないパーツ」として認識されていたのか少ないが多い多い。
 1Gのメモリを積んでいれば十分。最安のモデルでは512Mなんてこともザラ。OSはXPが絶好調の頃ですし企業がVISTA導入はなぁどうするかなぁ...とかやってる頃。

 その当時導入されたPCにはまだまだPentium4のモデルがごろごろ存在していました。
 企業導入ではLenovo(旧IBM)系が強かった訳ですが、その頃から(ある意味今でも)需要として「なるべく小さいもの」への需要が強い傾向がありまして。まぁ限りある会社の机の面積を有効活用したいから...というのがその根源かもしれませんが、ともかく「小さくて安いもの」が好まれて大量に発注されては導入されて行きました。

 当時その需要を満たしていたLenovoのモデルといえば、「ThinkCentre A55 Small Desktop」。正価で66150円の価格で企業での一括導入時には14~15インチのスクウェア液晶モニタとのセットで39800での導入が可能でした(私も当時企業への導入でこの価格を見てますから間違いないかと)。

 こいつのスペックがCPUにCeleronD 352かPentium4 631辺りだったかな。メモリ512Mで80GのHDDでDVDが読めるけど書けない。導入時期によってはOffice2003もセットでお得でお安くそこそこ使える...そんな感じのPC。

 そう、2007年に導入されたこいつがいまだ現役な企業が結構あるんです。
 他社のPCでも低価格の企業向けは当時まだCore2Duoではないものが多く...CeleronD搭載機がかなりの数見受けられました(2006年モデルの在庫処分がまた良い感じで安かったから代理店が大量導入条件に相当値引いていたのも記憶にあります)。

 これ、メモリが1Gになってるものを先日見たんですが(知人の会社のコピー機をメンテナンスさせられていたという...中古のコピー機買って保守も入らないとはいい度胸ですが、まぁ古いリコーかキャノンならパーツ破損か損耗でなければなんとかなりますし)、起動も遅ければ処理も遅い。
 何かするたびにハードディスクががりがりがりがり。

 いやーこれで仕事するのはきついなーと思って見てましたが、社員の方々にとってはそれが当たり前。
「会社の遅いんだけどさ。これがまたいいんだよ。エクセルにちょっと計算式いれてあると再計算に5分ぐらいかかるしな。その間にたばこ休憩取れる」
 とか言い出しまして、まぁ個人的には超よくわかる感覚ですが、全員が全員そんな感じなので「仕事時間のどれだけの時間がこのがりがりいってる時間に取られているんだろう...」と思ったりも。

 そこの社長は知りませんが部長は私もよく知る人ですので(そもそもこの人に夜9時に拉致されてきたわけで)、少しばかりお話をしました。

 リースアップなんですが延長リースしたい意向があると聞いてクラクラ。確かにPC導入のコストも台数があると馬鹿にならないわけですが、それにしたってです。これはちょっとばかりよくない。

 かと言ってメモリを2Gぐらいに増強すればいいのかというそんなことでは根本的な解決にならない。
 感覚の問題ですが、「ハードの導入費用」は目に見えやすいのですが、「社員が仕事出来ない時間の合計」は見えづらい。比較すると...期間にもよりましょうが私からしてみたら人件費の方が遙かに高い。
 その会社の全社員600人とちょっとと聞いています。
 (各地に拠点があって拠点ごとの人数は少ないそうですが。中古のコピー機を買ってきたのもちっちゃな事業部で予算が事業部ごとになってるかららしい。これについてもいろいろと文句は言ってきましたが)

 その人達の「がりがりいってる時間」がどれほどか。
 遅いパソコンは起動までに10分近くかかるそうです。エクセルの表などもネットワークドライブから開いて使えるようになるまでに平気で7分程度かかっている。

 これで効率うんぬんを言う気にはなれませんでしたが、ちょっとなーとも思います。
 とはいえ部長の感覚では「壊れてないんだろう?まだ使えるしもったいないよ」ですので、無理強いも出来ないところ。冷たい言い方ですがよそ様の会社ですしそれでいいならまぁ一応は忠告はしましたよーということで。

 これはほんの一例で。
 世の中にはたくさんこんな会社があります。考え方の相違がありますし私の考えが一概に正しい訳でもないでしょう。
 もう少し小さい会社だと範囲はもっと広がります。
 
 企業の経営者の方々がどう考えるかですが...私的にはこれは相当に効率が悪いと思っています。
 別にハイスペックのPCを導入する必要はないのですが、今のPCの進歩は5年の入れ替えでは少々取り残され気味になるかと。3年...とはいいませんが、せめて4年程度のサイクルで入れ替えていく。一気にやるのが辛いなら部署ごとなど年ごとにある程度入れ替わるようにしていく。
 ある意味でたかがパソコンかもしれませんが、今時エクセルやメール環境なしで仕事は成り立たないところも多いでしょう。それは社員数人の会社であってもそうです。
 コストに見合う成果が見えづらいところですが、遅いことを言い訳にして社員がさぼれる口実を用意しまくっているのはいかがなものかと。それで業務の効率化を訴えても笑われる気がします。

 2013年ごろに入れ替えになるPCは初期のCore2DuoのPC。XPで使う分にはむしろ快適なぐらいの世代ともいえます。メモリを増やしてHDDを入れ替えたら余裕で「現役」で使えます。
 効率もあがるかもしれません。でも、今更DDRやDDR2のメモリを増強してHDDを...なんてのは企業じゃやりませんので(笑)本体の入れ替え時にスペックアップということになりましょう。

 最近ちょっと思うところあってPCのスピードによる効率化とエクセルなどの業務に使うソフトの習熟度による効率化について調べています。金をかけなくても効率がよくなる方法はいくらでもありそうだなぁ...と思う反面...ある程度コストをかけないと早くならない部分というのも存在する訳で。
 PCを早くしてソフトのうまい使い方を伝授するだけでその部署の効率が一気に上がるなんてことはよくあることです。わからない人には本当にわからないことだらけなのがパソコンというもので。
 業務で使っているソフトの使い方はある程度わかるけどそれ以外はさっぱり!という人は結構ごろごろいます。
 そういう人達はパソコンだけスペックアップしても効率は上がらないのかな...とも思いますので、別の手を平行して打たないといけないでしょうけれど。
 ちょっと一服する時はコンパイルかけていく...なんてのは一昔前のプログラマーなら笑ってくれるネタですが、今時はエクセルファイルをダブルクリックしたらコーヒーが一杯飲める時間が余裕で出来たりする環境もあるという。

 どうしたらいいのかは答えは見いだせていませんが、故障の問題もありますのであんまり古いパソコンを大事に使うのも...企業としてはどうかと思うなぁ...という感じに今のところはまとめています(笑)

 ま、私も雇われ側の人間ですからパソコンが遅かったらやはり「ちょっと一服して来ます」という口実には使う気がしますけれど。雇う側が許容しているから遅いパソコンなんだよこれは!と嘯きながら。実際のところはどうだかわかりませんが...(遅いパソコン使ってるとイライラしてくる人なので会社のパソコンは頭を下げてメモリを増やしたりしたものになってます)

 効率をあげて儲けて残業減らしたい企業は...PCのスペックのこととエクセルのショートカット等を含む基礎教育をしっかりやると見違えるほど効率あがるかもしれませんね。他の要因もあるでしょうが、わかりやすいところでは。
 自分の身の回りを見てみて、勤め先のPCを見てみると...
 あなたの周りの環境はどうなっているでしょうか。

※リースの単位によっては3年という企業もいるので、2009年のモデルが入れ替えになってたりもします。あの辺りは結構いいスペックだったりするので、リースアップ品がこっそり秋葉原とかに流れてますね(^^;
 個人で使うには余裕で現役で使えてありがたいし小さな会社だと全然困らないスペックだったりしますので、中古市場ではある意味おいしいタイミングではあるかもしれません。春を超えて決算後の入れ替えをしたところの廃棄品などが結構いい感じに出回ってますから。まぁ余談ということで。狙うなら毎年この時期...というのがありますので調べて見ると面白いかもしれませんよ(^^)