格安パーツで夏を乗り切れ!...AMD A8-3870Kを使った格安PCを構築する

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 秋葉原というのは不思議な街で、WEB掲載の特売品が売り切れになっていても店頭にはたっぷりと在庫があったりします。今回はそうして手に入れた格安マザーと格安CPUを中心に自宅の余りパーツを使って「ちょっと小粋に使える使い勝手のいいPC」を安価に構築してみました。
 手持ちパーツを使ってはいるもののどれも格安で売ってる新品に置き換え可能ですので...この記事が掲載されてすぐで秋葉原にいける人なら同じようなPCを安価に構築出来るかもしれません。

 さて。今回の主役となったのはこのマザー。

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 ASUSのMicroATXなAMD FM1ソケット用マザーです。チップセットはA55ではなくA75を搭載。この2つの違いはいろいろありますが...まぁぶっちゃけUSB3.0とSATA3.0を搭載しているかどうかの差だと思えば早い。

 こいつが3980円で売られているというので飛びついてしまいました。
(さらに安かったのでついA8-3870Kにまで手を出してしまいました)

 おいしいのはこのマザーはA75を搭載してこの値段だということ。マザーの性能でいえばわりと上位機種と言ってもいい。
 デメリットはというと...

1.メモリが2枚しか刺さらない
2.HDMI端子がない

 の2つぐらいでしょうか。

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(マザーを組む前にパチリ。SATAもばっちり4+2を搭載。USBも背面に2.0x4に3.0x2と価格を考えたら驚異的と言ってもいいほど。フロントや増設ブラケットでさらに6つぐらいUSB2.0は増やせます。廉価マザーといえどここまで安いと価格の性能比がおかしなことになってますね)

 まずメモリの件ですが実用上8Gもあれば64bitのOSと対応ソフトを使っても大抵の場合は足りると思います。まぁ画像加工や動画編集だと厳しいところですが、普通にゲームやったりWEBで遊んだり...であれば問題ないかと。なのであまりデメリットには今回なっていません。
 HDMIの件は考え方ひとつでしょうか。オンボードではDVIかアナログにはなりますが(今回アナログRGBで使用する前提)、もしHDMIが欲しいならそれこそGPUを増設すればいいかなーと。ハイブリットクロスファイアに興味があるところですが、実際は無視して上位のGPUを積んでしまっていいと思います。ハイブリッド...はあんまり宣伝ほど効果ないと私は思ってます。
 HDMIにこだわるならもう数千円出してちょい上のマザーを買えばOK。

 まぁそれはそれとして、格安マザーに飛びついて店頭に行ってみれば...A8-3870Kまでまさかの値下がり。9800円前後だった価格が7800円に。これはもうセットで買えという天命に近い(笑)

 さて。今回私が購入したのは以下の三点。値段もそれぞれ書いてみました。

1.ASUS F1A75-M LE(3980円)
2.A8-3870K(7800円)
3.CFD 4Gx2(cfd elixirヒートスプレッダ付き)(3980円)

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(同時購入したメモリ。CFDのelixir使用品。ヒートスプレッダがちょっとオシャレ?な逸品。永久保証があるので箱と中の台紙も捨てずにレシートと共にとっておきます。今回はDDR3-12800...DDR3-1600でもいいんですが、やや早いメモリを購入しています。これでいて3980。うーん安くなったなぁ。しかも買った後また値下がりして3600円前後にってたし...ぐぬぬ)


 改めて考えてみるとうーん。安い(苦笑)
 これにケースと電源とHDD(SSD)があればほぼ1台組み上がってしまいます。

 今回は手持ちにパーツがあったため以下のパーツを流用しました。

・サイズ製特売ケース(以前今は亡きクレバリーで買ったもの)
・パワグリ2 525W(やはり特売で買って積んでいたもの)
・HDD×2(500Gのシーゲートと640GのWD。売っても二束三文なので使用することに)

 これで1台でっちあげようというわけです。今時のパーツでいえばHDDがおそーい部類になりますが、まぁ無駄な出費を抑えたということで。
 Windows7を入れてエクスペリエンスを図ったのがこちら。

exp.jpg



 うーんやはりHDDが(涙)
 まぁこれは予想済み。
 とはいえ、ゲーム等の数値が6.9出てますのでオンボードのGPUとしてはまずまず悪くないかなと。(なんせ7800円のCPUな訳でコストパフォーマンスはバツグンです)

 ついで定番ベンチマークの3Dmark Vantageを。

van.jpg



 うん。なかなか健闘。(苦しい数値といえば苦しい数値ですが)
 内蔵GPUの素性がいいですね。ここはINTELへのアドバンテージと言ったところです。
 参考数値でいうと、Sandyなi3であるにi3-2120TですとCPUスコアが8607でGPUスコアが803だったかと思います。i3+特売マザーでもこの性能は出ないかな...まぁでもGPUの数値は後付けしちゃえばって言い出すとなんなんですけどね(笑)
 この価格でここまで出来れば上等でしょう。

 まずは簡単に組み上げてさっとベンチなど撮ってみましたが、この価格でこの性能はかなり驚異的です。
 マザーとCPUの値段はINTELで対抗するとなると本来はCeleronがライバルとなる価格帯。あるいはPentiumでしょうか。i3ではやや高い。2000~4000円は高くついてしまうかな...同じ価格でやるとしたら特売のマザーを掴めれば今回の構成と同等の価格はたたき出せるかもしれません(価格だけならH61マザーとセレロンの組み合わせには絶対勝てないんですけどね(笑))
 それでもこの価格でこの性能ならまず文句はないところです。実用上問題はない。

 A8-3870Kというのは不遇なCPUだと思います。i3と比較されるといたるところでやや負けると書かれる。GPUはそこそこ優秀なんですが、それだったらちゃんとしたものを後から搭載すると言われてしまう。
 ただそこにはコストの計算がどうしても抜けている。
 安くて早くておいしい。
 そういう選択の時には結構いいCPUだと思います。
 ただ...今まではマザーがどうしても高くつきすぎた。INTELにはH61とかこう...とりあえず安くて使える系のチップセットやマザーがあるんですが...
 AMDだとA55でもやや安いだけだし我慢しないといけない部分も多々ある。
 それが今回格安のマザーが出物であったことでぐっと変わってしまいました。

 情報をTwitterで聞いて次の日にはもう秋葉原で購入している有様ですから。私的にはそれほどお得だった。
 A8-3870K自体が7800円で買えたというのも大きい。当日のWEBでは9800円前後だったわけで。
 トータルで1万2000円しないのかーっと思ったらもう走ってました(笑)

 本当はメモリも流用する予定だったのですが、どこにしまいこんだのか2G×4枚のメモリが行方不明。まぁ遅い部類のメモリですし今更感もありましたから...2枚しか刺さらないんだし予算的にもいけるしいいやと。HDDやSSDの購入をしませんでしたからねー。その分メモリに回しました。

 今回流用したパーツ類を新規に購入したとして。秋葉原だと電源付きのケースで4980円とか5980円なんてのは結構見つけることが出来ます。これにHDDかSSDを購入するとして...まぁ1Tとか2T、あるいは128G辺りのSSDの特価品を結びつけるとケース5980円のHDD等が7980円なんて仮の金額が算出出来ます。(実際に今回の購入日に秋葉原で価格を見た限りでは両者とも普通に買える状態でした)
 光学ドライブは趣味ですが1980円から2980円で入手出来ますし。

 そうすると...

 CPU+マザー+メモリ=15760円(今回買った組み合わせですね)
 ケース+電源=5980円(サイズの特売品がありました。電源は500Wぐらいだったかな。今回のセットをオンボード運用ならまぁ問題なくいける)
 128G SSD=7980円(HDDだと2Tの特売品狙いでしょうか。今回はサムスンを想定)
 光学ドライブ=2980円(USB接続のものを買って今後も使い回せるように想定。バッファローのものがこの価格でありました。内蔵ではLGかNECオプティックアーク辺りがこの価格でごろごろしてたので)

 これで合計32800円。光学ドライブを削ってやれば3万円以内で買えてかなり快適なPCが新品だけで構築出来ます。後はOEM版のWindows7を好きなおまけで買えばいいかと。つくもたんに負けてもいいしななみたんに負けても結構です。ええ。好きなものに負けてください(笑)

 実質OS込みで4万ちょっとで組み上がります。CPUのランクを少し下げたりすればOS込み4万以内も不可能ではありませんが、せっかくなのでちょっと奮発してみた方がいいかと。7800円で買えるならA8-3870Kはかなりのコスパを誇れます。

 自宅に流用出来るパーツがあれば私のように出費は14000円前後ということも。
 これもひとつの格安PCの形でしょう。

 そう秋葉原中を歩いて特売品のみを集めてPCを組み上げる。それもまた自作のひとつの形かもしれません。昔はそんな人がたくさんいたんですが...(そして相性問題で涙を流して人柱となって散っていった)

 以前書いたAmazonの特売だけで構築した格安マシンとは違ってこちらは特売品狙いですからどうしてもタイミングに左右されます。今回も特売マザーがあってこその話。
 でもまぁ通販だけでなく店舗を回ってこその自作という人も中にはいますのでそういう人にはとても面白くておいしい情報でした。

 どれだけ在庫が残ってるか知りませんが、もし同じような構成で格安に...と考えている方は早いところ秋葉原でパーツを押さえた方がいいかもしれませんね(^^;
 マザーもCPUも九十九本店にて購入しました。お盆の時期に夏を乗り切れずに古いPCが昇天してしまった人はこの構成...いいかもしれませんよ?

 まぁ、いくら内蔵GPUが優秀と言ってもゲームもそれほど重いものは...と思っていたんですが。
 参考までにFF14ベンチの結果なぞ。
 まずはLOWで出した値。

fflow.jpg

 数値はまぁ低いわけですが、カクつく場面も少なく遊べそうな感触。オンボードでここまでエフェクトなど再現出来るならむしろ十分かもしれません。
 で、さすがにカクついてましたがひっそりとHIGHで表示した結果を...
ffhigh.jpg

 散々な数値だったのでやや暗くして(笑)さすがにカクつきがありましたが、フルHD環境で遊んで遊べないことがないと思えたのはちょっとびっくり。やるなA8-3870Kと言ったところでしょうか。(マザーの設定上多少のオーバークロックが自動でかかってるかもしれませんが、まぁそれも含めてコストパフォーマンスがいいなぁと思っていただければ)

 そもそもA8はローエンド扱いされていますが、れっきとしたクアッドコアCPUであり...そこまで性能は低くありません。すごく乱暴に言えば「ちょっと前のPhenom2を低クロックで動かしつつローエンドのRadeon6450辺りを内蔵した感じの性能」と思っていいかと。そう考えると「あれ?するとちょっと前のローエンドPCがミドルローの性能と同じじゃない?」と。

 i5...それもIvyのものを持ってこられるとCPU性能では太刀打ち出来ませんが、そこそこ使えるGPUのおかげでオンボード運用ならかなりおいしい製品だと思います。ブルーレイの再生も含めて動画再生でもまぁ困ることはありませんでした。
 そろそろ次世代APUがお目見えする訳で互換性もなく...1世代限りの運用となるかとは思いますが、それでも数年はそのまま使っていけそうな性能を持っています。低価格で自作したい...安価なセカンドPCを作りたい...自宅鯖を作ろうと思ったらうっかりこれにしてしまってちょっと性能が想定より豪華になっちゃった...etc。買った人達はまぁいろいろ言ってますけれど(笑)
 通販では瞬殺されたマザーでしたが店頭には結構在庫がありましたので今週ぐらいはまだ買えるかもしれませんねー(^^)
(購入日は2012/08/14でした)


なお今回購入したパーツをAmazonで買った場合は以下の通り