前回の記事では簡単に終わらせてしまいましたが、原因は...マザーボードの破損だったという...オーバークロックやりすぎたのか、それとも気合いをいれすぎたのか。さすがにAMDに申し訳ないので再度同じマザーを用意しました。
前回は余りパーツも使って構成していたのですが、今回はすべてをリニューアルしてパーツをリフレッシュ(電源だけ流用)。ケースやSSDを購入して新規PCとして再構成しました。OSは発売されたばかりのWindows8を使用。
その使用感と簡単なベンチマークをご紹介。
使用したパーツもAmazonのリンクを貼りつつ安価なものもご紹介しつつで開幕となります。
1.パーツのご紹介
まず、今回構成したPCですが、根幹となるパーツは前回の記事から変わっていません。
冒頭にAmazonのリンクを張りましたが、CPUはA10-5800K。マザーはGA-F2A85X-UP4を使用しています。メモリも最速メモリではなく、AMDのPC3-12800のメモリです。早いメモリを使うとGPUのスペックを生かした描画が得られますが、コストパフォーマンスがまだ悪い。今手に入る安価で早いもの...そしてブランド的に安心なもの(AMDのシステムにAMDのメモリで動かないんじゃ泣けてしまう。あとASKの保証も入ってたので。多少高くなりますが代理店保証は結構重要)を選びました。
CPUクーラーにはKABUTO2。前回はこいつに自信をもって(結構冷える)しまったがためについつい遊びすぎてマザーを吹き飛ばしましたが、今回は安定運用。ぶっちゃけこんなごついものはいりません(笑)
リテールクーラーがあれば十分だとは思うのですが、私がもってるのがバルクなので...新しいものを買う予算がなかったのでそのままつけてます。値段の割には冷えるシリーズですが、さすがにでかい物体なのでケースによってはおすすめしません。
まぁANDYからシリーズずーっと使ってますからね...まぁ参考程度に。
ケースはぶっちゃけ予算不足...だったのでいっそ格安ケースで行こう! ということでこれを調達。先日シルバーストーンの電源を購入して気に入っていたのと、もともとこのケース中国向けの格安ケースで日本には出ないかなーと思っていたらあっさり出た(しかも安かった)という面白いケースだったので試しに。
ケース自体の評価としてはこの価格ならありかなーと。ボルトレスで内蔵ドライブ類が固定出来るのは。USB3.0対応のフロントコネクタもいい感じですが、逆にいうと2.0を使うには背面を使うしかなくなってしまうので、フロントベイに増設できるようにしたほうがいいかも。
ぶっちゃけ今買うなら...
ZALMANのこっちをおすすめ。組立安く使い勝手もよく恰好も悪くない。で安い。ベストセラーな安価ケースの代表格です。わたしも何個か組みましたがケースファンも含めてコストパフォーマンスはいいです。
USB3.0も使いたい! という人には...
こちらの方がいいかも。価格以上の満足はありますが、高級ケースではないのであまり期待しすぎないこと。でも変なケース買うよりは絶対おすすめです。
さてケースはおいといて、今回の目玉はこれ。
後継ともいうべき335シリーズも出ましたが、価格がこなれた330シリーズは今が旬です。7000円台でこの性能が手に入るなら積極的に狙いたいところ。3.5インチベイにとりつけるためのパーツもついてきますしねじも一通り入ってますから初心者にも安心です。性能は必要以上に十分というかぶっちゃけ早いです(笑)
電源だけはさすがに予算も厳しく既存の流用品です。Abeeの80PLUSブロンズ電源です。
まぁ、Amazonで今買うなら...
ちょいと高めですがこいつがおすすめかと。定番っちゃ定番ですが、定番の理由がある。後で使いまわすにしろGPU追加するにしろ多少余力があった方がいいでしょうし安定してしっかり動くよい電源なのですよ。
今回は光学ドライブなしで運用します。
2.各種数値から見るA10の力はどう?
さてそれではWindows8をインストールしてさっと性能を見てみましょう。
ドライバー類は11/17日時点で最新のものを使用しています。
まずはWindows8標準のベンチマークというかエクスペリエンスの数値から見てみましょう。
Windows7と数字が変わってしまってわかりずらいところです。
比較対象として友人のi5-3550の数字を電話で聞いてみました。
プロセッサ 7.6
グラフィックス 6.6
ゲーム用グラフィックス 6.6
だそうです。
プロセッサで負けてグラフィックスで勝つといういつものAMDのパターンといえばパターンですね(^^;
実際のところどうなん?というと、価格的にi5-3350のが数千円高いけどマザーの価格次第では似た感じの構成になるかな?と私の方で勝手にライバルCPUにした(手近にi5もってる人がこの人しかいなかったのも...みんなi7なんだもん)んですが、わりといい感じにライバルでした。
さすがに他のベンチを頼むにはうとい人(そもそもOFFICEとネットしかやってない人の仕事PCなんでベンチマークソフトはやだって言われてしまった)のものなので、以後ベンチ等は取れませんでした。他のサイト等で数字を拾っていただければ幸い。乗り込んでって取ろうかなーと思ったら外が土砂降りで...機会がありましたら追加します(汗)
で、次に一般的な3Dゲームのベンチマークを取ってみようということで3Dmark11のスコアなど。
うん。内蔵GPUにしてはすごいかもしんない。
ぶっちゃけこれならミドルレンジのGPUと闘えてしまっている気がする。というか、我が家のRadeonHD5670とかの立場がない。
(RadeonHD5670で測定した以前の結果がだいたい1670ぐらいなのでほぼ肉薄しているかと。RadeonHD6670でも1840辺りのスコアなので、ベンチマークだけみたら内蔵GPUとしては相当に優秀なんじゃないかなーと)
まぁそうは言ってもミドルハイというかハイミドルというか、ちょっと前の1万~2万前後のGPUを搭載されるとぶち抜かれますが。我が家ではRadeonHD6850が3500近くですんで、内蔵GPUとして優秀だということを忘れずに。
ベンチマーク中の映像はさすがに重い処理をしてるので結構カクカクしています。が、逆に言うと多少カクカクしてもこのくそ重いベンチが内蔵GPUできっちりいけてるってのが個人的にはびっくりでした。
2_1.実際にゲームを遊んでみたらどうなんだろう?
さて、それでは実際に自分でゲームするとしたらどんな感じになるんだろう?ということで、いろいろ試したんですが...ぶっちゃけ私が遊ぶオンラインゲーム(ラグナロクオンラインとか)では軽すぎてあっさり動作してしまうためどうにも評価が出来ませんで。そこでさっきのとは別の友人に「いまどきは何を指針にしたらいい?」と聞いたところ「PSO2だな」と言われましたので、素直にPSO2のベンチマークを取ってみました。
条件としては、
画面サイズ:1280*720(ウインドウモード)
は固定として、あとは簡易設定の簡易描画設定をスライドさせてそれぞれ数値を図ってみました。
まずは標準設定であろう3(スライダーでいえば真ん中。ベンチマーク起動時の標準設定)での数字を取ってみましょう。
むう。指標がわからん...
さっきの友人にもう一度電話して「具体的に数字としてはどうなんだよ?」と聞いたところ...
「2000~3000あればいい感じ。5000超えたら快適。逆に描画レベル上げたいかなー」
とのことだったので、今一歩足りないんでしょうか。
でも画面見てる限りは結構快適に遊べそうな感じで、これだけ動く内蔵GPUってすごいな...というのが私の実感。
では1ランク落としてみよう...ということで、スライダーをひとつ左に動かして描画を2の状態でもう一度。
お、惜しいかも? でもさっきよりさらにサクサク動いてる画面を見る限りこの状態ならゲームにも支障なさそう。エフェクトとかもそこまでひどい簡略化はされてない感じ。内蔵GPUでここまでできれば相当嬉しいですね...これは...
もしかして最低描画ランクならもっと快適なのでは!?ということで、スライダーを一番左に。もっとも簡易描画となる1にしてみたところ...
...早いは早かったんですが、しかし。
描画がしょんぼりに。見た目には結構きれいではあったんですが、どうにもあちこちの表現がしょっぱいというかしょんぼりというか。快適さはとんでもないので、遊ぶだけならこの状態で遊んだら超絶快適だろうとは思いますが、私が遊ぶなら多少重くなっても標準の3か2でしょうか。
試しに最も負荷がきつそうな状態も試してみようとスライダーを一番右の5にしてみたところ...
綺麗だなーーーーーーってさすがにきつすぎるかぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!
という状態に。数字が物語ってますね(^^;
そこそこいいGPUを増設すればこの画質でも快適なんでしょうけれど。まぁ今回はあくまでも内蔵GPUでどこまでやれるんだろう?というのが年頭にあるので、あくまで参考に。でも遊んで遊べないことはないかなぁ...多少ひっかかるけど...3とか4の辺りなら綺麗なままいけるかな...うーん。
3.気になる純粋なCPUとしての性能は?
内蔵GPUが優秀なのはわかりましたが、CPUとしてはどうなんでしようか。
自分で計測してもいいんですが、大量にデータがあるPassMarkというサイトがあるのでそこで比較してみたところ。
A10 =4860
i5-3550=6907
ということでさっき私が定めたライバルCPUに比べると大きく負けているかな?というところ。実際のところ比較対象としてはSandybridge世代のiシリーズと比べると負けているのが実情で。これがNehalem世代であればi7-920辺りといい勝負が出来たかもなんですが、いかんせんSandy、あるいはIvy BridgeになってからのINTELのiシリーズは大幅に強化されています。
正直新しい世代のAPUであるA10といえど勝負するのは辛いかなと。純粋なCPUパワーが欲しければ選択すべき製品ではないと言っていいかもしれません。
先ほどのPassMarkのデータを見ると
i5-3470T=4693
ということですので、本来のライバルはこの辺りのCPUになるのかもしれません。i5-3470T相手であるならGPUでも負けませんしね...この辺りのとらえ方は人それぞれですが、INTELのCPUは型番が多すぎてわからん! という人もいるので私情丸出しで簡単に言うと...
早いi5には負けるが、発熱量を減らしたややスピードの遅いi5とならCPUとしてもいい勝負になる。i3辺りなら得意分野次第で互いに面白い勝負になる。
という感じでしょうか。i7相手では純粋なCPU勝負では相手にならないのが実情です。
4.INTEL SSD 330(120G)のパワーはどうだったの?
さて、今回はA10の記事ですのでここまではA10を主眼に書きましたが、トータルの安価なPCとして見た場合はどうでしようか。搭載したSSDがここにきていい働きをしています。
CrystalDiskMark 3 Shizuku Editionを使用してベンチマークを取ってみました。
うん。早い(笑)
本当はもう少しだけ早いんですが、ちょっと今回環境をまだ煮詰めていませんのでこんなものかなーと。でも必要にして十分なスピードです。
どのぐらい早いかというと、Windows8を自動ログインに設定して再起動すると、35秒でメトロUIのスタートメニューとご対面出来ました(今回のPCでの計測)。
もう少し煮詰めれば30秒でほぼ再起動が終了となるでしょうか。マザーの設定次第ではもっと早く出来るかもしれませんが。
もちろん普通に使っていてもものすごい快適な環境です。7000円台でありながらいろいろとおまけもついて...しかもINTELの安心感ですからSSDに詳しくない人でも安心してほしいところです。(私が購入したものにはHDDからの移行ソフトがついてましたので、40Gとか80GのHDDを搭載したノートPCとかからの移行ならもっと感動がすごいかも)
AMDのシステムにINTELのSSDというのも皮肉かもしれませんが、安くていいものはいいのです。まぁサムスンのSSDとかでもよかったんですが、今回はコストパフォーマンス重視のシステムにしたかったのでこれで。
全体として通してみると、価格を考えると驚くほどパフォーマンスが高い...というのが私の実感です。
そうですね...ちょっと前のINTELのi5(Nehalem世代)にRadeonHD5670を搭載したPCをちょいと上回るPC。そんな感じの所感でしょうか。それがこの価格で手に入るというのはうれしい時代です。SSDの恩恵もあって実際にはより快適でした。
5.ベンチにでなかった謎の性能(私的意見)
それと、これはベンチマークには出ないところなんですが...
ぶっちゃけMS-OFFICEがすごく快適に思えます。なんでかは知らないんですが。
旧A8(Llano世代)から思っていたことですし、知り合いがどこかのAMDのブースでAMDの人にも聞いたようですが、ともかくエクセルであればセルの移動やらなにやらの描画がきびきびしている。ワードを使っても同様。
オフィスで仕事するならi7よりこっちの方が快適なんじゃないか?などと思ったりも。こればっかりは個人の感想なので参考程度にしておいてほしいのですが...
体感でいうと我が家のi7-2600KのPCより体感で快適でした。RaeonHD6850搭載時にはそう差はなかったような気もしますが、今外している上に分解不能状態なので確かめられませんでした。
なんにしろエントリーレベルのPCがここまで性能があがるとローエンドビデオカードはだいぶその需要を減らしてしまったかな...というところです。INTELもHD4000を搭載したIvy世代のiシリーズならよほどのことがない限り(今回試したPSO2を遊びたいとかゲームがしたいとか言い出さない限り)十分以上の性能を有していますし。
INTELに対してのアドバンテージがずばりこのGPU性能なので、そこをどう捉えるかでこのAPUの価値は決まってくるでしょうか。CPU性能を重視するかどうか。そこが購入の際の決め手になるかと。
6.最後に所感
ただ、今...CPUのパワーを求めるソフトがどれだけあるのか?というのも実情で。本来ならば動画エンコード等の用途がありそこではINTEL最強! などと私も言っていたんですが法律の改正によりこうした用途は徐々に違法行為の範疇になりつつあり...ぶっちゃけそうなるとそこまでCPUパワーいらないんじゃないか?というオチになりつつあり。
そんな時代だからこそA10も含めたAMDのAPUシリーズは結構いけるコストパフォーマンスのPCの土台になるかな?と思っています。チップセットがもう少しだけパフォーマンス出してくれると不満も減ると思うんですが...まぁそれは今後のドライバーの成熟次第でしょうか。
今回Windiows8でいろいろとテストしていたのですが、実際のところその性能はかなりのもので。不満が出るシーンはありませんでした。描画に関してもCPUパワーに関しても十分以上にWindows8を堪能出来るかと思います。もともとOS自体がそんなにパワーがなくても快適に...と作られた訳ですが、A10であればそんなこと気にしなくてもWindows8がやりたいことはすべて賄えてしまったのかもしれません。GPUパワーも含めて結構ベストマッチなんじゃないかなーと。
ブルーレイの再生なども試してみましたがサクサクでした。ただ使用ソフトがまだwindows8対応のものにしてなかったので、途中でハングしちゃったりしたので...いずれちゃんとした対応版で試したいところ。Windows7使用時にはまったく問題なく堪能出来ました。
消費電力に関してはアイドル時はそれほどでもなく、3Dゲームなど遊んでる時はかなり食うなぁ...というのが実感です。が、肌色過多のゲームやってる限りはぶっちゃけアイドル時とそう変わりません。
コストパフォーマンス重視であるならば、今後の値段の推移も含めてA10やA8といったAPUシリーズは十分に競争力のある製品だと思います。
反面、CPUパワーを重視したいならば黙ってINTELのi7辺りを選択してほしいところ。GPUは後付前提でともかくハイパワー重視の人はそちらの方が幸せになれます。...そんな性能が必要ならですが。
自分の使用目的を考えて賢くお得なPCを作るのも自作PCのいいところです。遊んでよし実用してよしのAPUはこの冬ちょっと面白い製品だと思います。(...5Gまではいけたんだけどなぁ...回しすぎたかなぁ...A10は無事なのに先にマザーがもたないなんてどんな設定にしたんだろ私...とほほ)
余談
正直なところA8辺りで格安PC作ってしまえば国内の大半をしめる肌色過多の可愛い女の子がいっぱいのゲームを遊ぶならかなりいけてるPCになると思うのです。ソフトに金を使う人たちに向けての福音になるんじゃないでしょうか。例えば今回のPCにサブで3TのHDDをひとつ追加するだけで一気に...っとこれは余談ですね(笑)