自作PCを未だに「安い」と思ってるのはやってない人だけで。実際のところは「むしろ高く付く」もんです。
マスコミなんかでは「自作出来る=PCの知識が特別にある」とかになっちゃってとますが、+ドライバーで組み立てるプラモデルぐらいの難易度で。
なんというか「やんないとわからない世界」なんですが、そのメリットは値段ではなく「使いたいパーツをこだわって自分だけのオンリーワンのPCが作れる」のがなんといっても魅力。電源にいいものを使いたいなんてのは最たるものだったりしますし、マザーの仕様もこだわったものにしたいとか。
私個人で言うなら「知識があれば修理がとても容易」というのがありがたい。メーカー修理が受けられなくても問題の切り分けが出来るなら簡単に修理出来る訳で。バージョンアップもパーツ単位で簡単に出来る。
これらは魅力を感じる人にはとても魅力的な部分。
そうした部分を踏まえた上で。
Amazonの定番パーツを使って「本当に使える」自作PCを「ある程度安価に」構成してみたいと思います。今回は「最安値」を無理に狙わず「定番パーツで安定した構成をある程度安価に」というちょっと上な感じで構成しています。ミドルレンジ想定で考えていただければ。
それでは行ってみましょう。
1.CPUを何にするか。 まず頭脳たるCPUを決めます。
今回は「使える」というのを前提としていますので3万円以下で全パーツ...なんて縛りは入れてません。その上で私がオススメするのは...A10-5800K。
CPUの性能こそ振るわないシーンが多くなって来ていますがGPUの強力さはそれを補って余るほど。私自身使っていて不足を感じるシーンは少ない(エンコード時ぐらいでしょうか。普通の人が使う分にはまったく問題がないレベルの性能だと思います)。
難点は消費電力等にありますが、毎日つけっぱなしで使う前提で今回は考えていませんのでそこはあえて無視しました。普通の人が普通に学校や職場から帰宅して使って寝る前には電源を落とす。土日は結構使うかもしれないな...そういう想定です。その上でベストはA10-5800Kとしました。
特にオススメな理由は2つ。エクセル等のOfficeを使用した時に軽快なこと。もうひとつはちょっとゲームをしたいな...と思った時に特に拡張しなくてもそれなりに遊べてしまう性能こと。
価格が多少高くなってもいいなら次点に勧めたいのは...Core i5-3570K。
CPUの性能はA10と比べて勝るところもあり...なによりAVXの強力さが対応ソフトで活かされるシーンが日本では多い。i7には及ばないとはいえ内蔵GPUは現在INTELでは最高のHD4000を搭載。後々GPUの搭載まで見据えてコストをかけるならこちらを選択するべきでしょう。ただし値が張ってしまうことが難点。GPU性能はいくらINTEL最強とはいえA10に比べると見劣りすると私は思います。
でも安定性とブランドの信頼性を重視して今後の拡張まで自作PCとして考えるならこいつがオススメ。下位のi7よりむしろこちらを選んどけって言っちゃいます。この辺りは考え方ひとつ。
それもまた自作の楽しみと考えるならこいつは遊べるCPUです。
2.マザーはどうするのか
CPUが決まったらマザーをどうするかですが...私が選んだのはA10ならこいつ。
私自身が使っていて「これはいいなー」と思ったマザーなので推薦してみました。
まずバツグンに安定していること。
豊富な画像出力端子があること(HDMIとDVIとD-SUBがある上にDisplayPortまで標準で搭載している)。
チップセットの能力を引き出しまくった結果のUSB端子の数とSATAの数。
(USB2.0 端子8,バックパネルに2 USB3.0 端子2,バックパネルに4:SATA3 7 eSATAバックバネルに1)
地味に嬉しいPCIスロットが1つあること。
マザーボード上にCMOSクリアボタンがあるのでなんかやらかしても電池外して...なんてことをしなくていいこと(電源ボタンもリセットボタンもあるのでケースに組み付ける前にいろいろテスト出来ます)
まぁ私の家で散々に酷使されているというのに現役稼働中というのがひとつの頑丈さの証明になっているかなーと。
ではi5を選んだ場合はどうなのか。
私はこれをチョイス。定番からチョイスしてるので当然といえば当然ですがこいつになりました。
上位機種に比べてもそれほど遜色ない性能です。オーバークロック等しないならむしろこいつで十分といってもいい。
USBは不足はないんですが、SATA3がやや少ない感じ。とはいえ大幅な拡張を考えなければこれでも問題はないかと。
(USB2.0 端子6,バックパネルに4 USB3.0 端子2,バックパネルに2:SATA2 4,SATA3 2)
PCIeよりPCIを重視する人に嬉しい構成をしています。
豊富な出力も同様でこいつもDisplayPortを搭載しているのが選定のひとつの理由。長く使えるように細かいところで要所を掴みたいところ。
上位のマザーに比べてそう遜色がなくCPUが高い分マザーが安価になるのでトータルコストを下げるのにも貢献してくれるかと。実際組み立て安いんだこれ。
3.ならばメモリをどうするのだ
オーバークロック等は今回考慮していませんので定番で普通に早いメモリを使います。
別記事にも書いてますが定番ですねこれ。そこそこ早く安定していてヒートスプレッダ付き。永久保証もありということで。
予算に応じて8Gでとどめるか16Gまでやってしまうかという選択もありです。
ただし最近のメモリはどこの買っても初期不良がつきまとうので購入したらOS導入前にメモリチェックは必ずしましょう。CFDだろうがトランセンドだろうがまじってる時はまじってるものです。
私のエンコードPCにこいつが4枚乗っかってますが購入時に2枚の初期不良引いて交換しています。以後は問題ないですが、自ら引いたかーーーっという感じで。
4.今の時代ならばSSDでいいのではないか
HDDで安定...といいたいところですが時代倜はそろそろSSDでいいでしょう。240Gで17000円しない訳で円安下でもそんなに割高感はないです。特売時にはもっとお買い得感が増すものですが、欲しい時が買い時ということで...今回はこいつをチョイス。
早さだけなら他にもいいものはたくさんあるんですが、価格と性能。そして安定性。マウンタやツールの付属など考えると最初に買うSSDはこいつでいいんじゃないかと思います。
INTELの安心感もありますしね。3年保証もうれしいところ。
ダントツの性能とはいいませんがまずまず早いです。うれしいのはOS移行用のツールがついてくるところ。今回は1から組み立てる前提なので評価対象ではありませんが、このSSDだけ買って既存PCのバージョンアップを考える時にはポイント高い部分です。
今回は値段と入手性と保証期間を選定基準にしました。AMDのマザーでも問題なく動いてますし。
前機種330との違いは消費電力ぐらいなので値上がってしまった感じはありますが今でもコストパフォーマンスは高いと思います。
5.光学ドライブも購入する
普通なら今時いらないよね!と言いたいところですが、現実的にはあった方がよかったりします。パッケージソフト買ってきてインストールしようとすると...やっぱりあった方が楽。で、チョイスがしたのは...
外付けのこいつ。BDドライブも考えましたが、あえて安いDVDドライブをチョイスしました。外付けにしとけばいろいろと取り回しがいい。使わない時ははずしとけばいいですしね。
まぁあえてつけない選択もありますが、持っててまず損がないです。
6.では電源をどうするというのか
高い電源安い電源いろいろありますが、電源だけはマジでいいの買った方が方がいいです。
下手なものを購入して壊れるとマザーやCPUやメモリやHDDを巻き込んですべてを破壊してしまうこともあります。私も何度も経験があります。
いいものを買ってもあんまり長年使ってるいると劣化してやはりトラブルの元に。
数年ごとに買い換えていいものにしていくのを推奨します。
定番高級電源でもいいんですが、今回はあえてこいつをチョイス。
ほんのり高めっちゃ高めですが1万円は超えないラインで。750Wということで今回の構成ではオーバースペック気味なんですが、価格と性能とバランス見ていくとこの辺りがお買い得ラインになってしまうというかなんというか。
80PLUSはシルバーですが、つけっぱなしにしないのであればこれでもまったく問題なし。
後々GPUを搭載することがあってもこの電源なら余裕で持つでしょう。
(ものすごいの積んじゃうと足りないかもですが)
5-7000円の範囲でいろいろ選んだのですが、どうも今時期が悪いのか個人的に触ったものはみんな高くて高くて。安いものは結構トラブル情報があったり。80PLUS GOLDやらPLUTINUMもあるんですが、ちょっと個人的にいくつかトラブルを見たことがあるものが多く。
そんな中トラブル事例も(私の周りでは)少なく安定していること。GOLDの方を私が常用していて評価しやすかったことなどからこいつをチョイスしました。品質もなかなかいいものです。
とはいえ通販でもシルバーストーンのGOLDなんかは特売になることもあるので、買うときにはいろいろとチェックすることをお勧めします。
7.ケースこそ定番が一番かもしれない。
PCケースは今時期が悪くておすすめのものがあまりない状況。
高ければそれはもういいのがいくらでもあるんですが、安くたっていいものはある。
というわけでAmazonではど定番のものをチョイス。
AmazonのPCケースではいつも1位にいるケースで安価なケースの代表格。その兄弟機です。
使い勝手はなかなかよいものです。
兄弟機との違いはフロントのUSBが2.0x4だったのが3.0x2と2.0x2に変更されたこと。その分少し値上がりしてますがフロントにUSB3.0があったほうが今後は使い勝手がいいだろうとこちらをチョイス。
デザインも案外格好良くて(実物は写真以上だと思います)、自作らしい格好に。
やろうと思えばファンもたくさん積めます。冷却に気を使って風の流れを作る時には地味にありがたい。
HDD等が取り付けやすいこと。
長いGPU搭載してもいける奥行き。
ファンコントローラーを搭載している。
SSD専用の搭載場所がある。
などなど。
安価なケースなんですがこれでもかってぐらいいろいろ詰め込まれてます。何より初心者でも苦労しないで組みつけられる安心さが今回チョイスの最大の理由。安くてもいいものはいいということで。
8.OSのセレクトがキモとなる
無言で選択しましたが、実際のところは他に選択肢がないというか買うならこれだろうと。
DSP版以外のWindowsは高いですし...DSP板はWindows7までは何かのパーツと一緒じゃなきゃ買えなかった。となると単品で安価に買えるDSP版はWindows8しかない。
その上でノーマルかProか...という選択になるんですが価格差が2000円以上あるもののある意味「一番買い換えない」ものなのであえてProに。後から変更すると高くつきますし。割り切って使えるならノーマルのほうが安いのでそちらでもよいのですが...(差もそれほど少ないっちゃ少ない)
まぁここはあえてこっちで。
そうですね。あえて言うならリモートデスクトップに対応してるので誰かに助けてって言い安いとかいうのもひとつの理由でしょうか(笑)
Hyper-Vも魅力的ですが、あえてでそんな理由を出してみました。まぁ好きな方でいいとは思いますが。
9.最後にキーボードとマウスを選んで締める
キーボードとマウスも重要なパーツです。
個人的にはMX-5500とか勧めたくなるんですが、やや高い。
ここは安くて使い勝手のいいところ...ということでワイヤレスのキーボードとマウスをセレクト。
ひとつのアダプタを共有出来るってことと私も使ってて安価な割によかったキーボードとマウスのセットをチョイス。ここは趣味になるのでひとつの参考に。
ワイヤレスのキーボードで比較的安価で使い勝手も悪くないのでK270はなかなか好きなキーボードです。M510はほんのり高いんですが、この価格ではまずまず使い勝手がよく定番っちゃ定番。組み合わせると結構よい感じになるのでセットでの評価を元にチョイスしました。
ワイヤードなら別のチョイスをしますけど今回はこいつらで。
上記で構成したPCがAmazonの定番パーツから使えるPCを作ろうとしたら...というものになります。実際調べてみればわかりますが、どれもAmazonのランキングに入るものばかりです。
それだけ売れていてそれだけいろんな人に使われているため情報が入手しやすいかと思います。
あえてA10で構成するのを主眼にしていますが、実際コストパフォーマンスがものすごく高い製品で、マニアの人はサブマシンにして遊んでいるぐらいです。マニアのサブマシンなんてものはある意味で普通の人のメインマシン以上だったりすることもあるので、そういう意味では実績ばっちりかも(そんなことはない)。
価格としては上記組み合わせでA10で構成した場合8万円になります。
ぶっちゃけるとショップブランドのPCを買った方がはっきり言って安価です(笑)
あくまでもこだわりのパーツで「自分だけのPC」を作ろうとした場合を想定していますので、パーツのチョイスによっては価格差はもっとあがります。
i5で組んだ場合は86000円前後になります。マザーにもう少しいいものを使えば9万。
ショップブランドで構成した場合は向こうで組み立ててくれてサポートもついて1万円以上安い価格で手に入るでしょう。
ただその場合電源も含めて「希望するパーツ」は選べません。自分のほしいブランド等で固めることは出来ない。となればそこにこだわってこその自作PCだと思うので...今回みたいなことになっちゃったりもするのです。
もっと安価なパーツで構成すればOS抜きで5万とか出来るんですが今回はそういうアプローチではなく。自作だからこそやや安価にしつつもこだわりたい...他人と違う方向のPCを欲しいと考えた場合をAmazonだけで構成してみました。
やっぱり安価にしつつも「このぐらいは欲しい」ってやってくと...高くついちゃうなぁというのが結論です。
安いショップブランドであればi7のPCでOSが入ってるのが10万しないでごろごろしてますので、そちらを選択するのもありだとは思います。それをベースに自作の世界に入っていく...というのもひとつのあり方だったり(笑)