Amazonの悪魔

　最近何かと話題のソーシャルゲーム艦これこと艦隊これくしょん。
　かつての世界大戦時の戦艦や駆逐艦、空母がかわいい女の子になって登場！な訳ですが...　
　個人的にはこっちをはるか前に読んでしまっていたので、衝撃度はなかったり。
　この漫画がややマイナー気味なのもあるんですが、知名度が低いのはもったいないなぁと今回紹介する次第。

　船が女の子に...というネタは一緒ながらこちらではなんと主役が「雪風」。幸運艦かぁぁぁぁと思わず笑ってしまいました。まぁどじっこではありますが。
　女の子が船の装備を身につけて戦うわけですが、厳密には「人」は出てきません。船となる女の子達と子犬やらなんやらかわいいキャラクター達がメイン。まぁ戦ってるのがその犬さん達だったりするわけですが、これがまぁ人の代わり。
　どこかＳＦめいた設定もあるようで、艦載機が異次元から空母の女の子のところに出現したりと結構読んでて面白いです。
　船となる女の子達は学校に通っていたりしてどこかなつかしい日本のアニメや漫画の匂いを感じつつ。空母とか戦艦とかバトルシップに連なるのはだいたい先輩とか先生とかそんな感じ。
　主人公の雪風がお姉様と慕うのはもちろん「大和」。最新刊まで読むと生意気っぽい武蔵とか出てきてなんかこういい感じにほっこりしてきます。
　とはいえ...史実通りに地味に話が進んでいて、女の子と言っても「船」は船。
　沈没した艦船はそのまま消滅することになります。
　なのでミッドウェー海戦に突入した現在では空母の先輩方は軒並み撃沈...消滅（文字通り分解消滅してるみたい）してしまっています。
　
　ともかく鑑コレ等にはまる人ならその系列ということで一度読んでみて欲しい。
　２０１１年からずーっと続くかわいらしくも残酷な日本の海戦の物語。
　
　またなんかこう、すごいなぁと思うのがこれ書いてるの台湾の作家さんなんですよね。
　日本の船のこと、大戦のこと...よく調べてエピソードに組み込んでいます。
　ミッドウェー海戦に突入すると艦載機が出てきますが、これもまた女の子だったりする訳で、ワイルドキャットやゼロ戦が登場してきて話を彩っています。
　神通とか出すかーとかまぁ個人的なツボもあったりしますが、史実にあるアメリカ軍の同士討ちや陽動作戦（アリューシャン方面の話）なんかも盛り込んでて結構読んでて勉強しなおしたくなったりも。
　空母4隻を失ってこれからどうなる...というところまで4巻で読めます。
　お色気やキャッキャウフフもある訳ですが、4巻の前半とか特に「熱い」話になってますし悲しい話にもなってます。世界観が明かされていませんがどこか鑑コレに近いものがあるかと。
　登場時からどこか悲壮感を漂わせたお姉様「大和」のこの先を思うとちょっと怖いんですけどね（＾＾；

　使われている艦船に関してのトリビアも単行本にはありますので結構楽しめると思います。
　私はずーっと応援してるんですが、いまいち知名度があがってくれない...今のブームに乗ってもりあがってくれないかなぁ（＾＾；