蜂に祟られた夏

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 今年の夏はともかく「蜂」に祟られた夏になりました。
 何度も巣が出来ては駆除という日々で。

 そう、最初はある土曜日の朝から始まったのです...


「ピンボーン」
 呼び鈴がなって。ああAmazonの荷物かなと無防備に開けたドアの先。
 二人組の主婦の姿。
(ああやべえ、これは宗教の勧誘だ。開けちまったぜ...)
 と思ったが、声には出さず。とりあえず笑顔で何でしょうか?と聞いてはみたんですが、どうも様子がおかしい。

「み、みやびさん蜂の巣が出来てますよ...」

 震える声で指さすのは私の頭上。
 よく見ると。


 ドアの上に蜂の巣が出来ている!?


 ゴルフボールよりは大きく...公式野球のボールぐらいはあったでしょうか。見た目にでかい成長した蜂も巣にとりついてます。というか巣に対してその蜂はでかすぎる。そしてオレンジ色混じったの特徴的な身体。

「うおっ」

 とか叫んで扉を閉めまして。
 外からは...

「こ、こんなことがなければもっと別のお話をしたかったのですがー」
 などと言いながら遠ざかる声が。いや別にそんな話まったくしたくはなかったですが、ともかく主婦の方々も刺されなくてよかった。
 とりあえずiPhoneをひっつかんでゆっくりとドアを開けます。そして素早く部屋を出て階段へ。我が家は3Fにあるのですが(建物も3階建てなので最上階っちゃ最上階)、そこからゆっくりと降ります。蜂は追ってきてないですが、ぶぅぅぅぅんと飛ぶ音が聞こえてはくる。蜂の巣はまだ小さかったですが、飛んでる成虫は数匹いる印象。
 とりあえず安全圏まで離れて頼りになる大家さんの元へ。
 うちのアパートの大家さんはとてもとても頼りになる人で、こうしたことがあればまず間違いなく何らかの手を素早く打ってくれる(たぶん蜂対策の防護服ぐらいもってると思われる)。

 が。

 いない。

 大家さん沖縄の実家に里帰り中。

 ぴぃぃぃぃぃんち!

 慌てて普段はかけないアパートの管理会社に。大家さんが何でもやってくれるアパートゆえ管理会社はほとんど管理出来ないというかまぁそんなアパートなのです。でももう仕方ない。
 電話してみたところ。

「ああ、そのアパートは結構よく出来るんですよ。ともかく見に行きます」

 近いところにあるし時間もあるので5分でくるとのこと。一安心。自動販売機で水を買ってともかく落ち着きます。
 4分で来てくれたのはちょっとうれしかった。持っていたのは殺虫剤。

「大きくなければこれでいけますよ」

 笑うおにーさんの顔が頼もしい。

 その後は殺虫剤によるトライ&アタックを数度にわけて(私は1Fにいたのでおにーさんの激闘の音しか聞こえなかった)行ってくれて。無事蜂の巣は取り除かれました。

「あれですね、交番の上にある赤いランプみたいでしたね大きさ的に」

 ともかく駆除してもらって一安心。スズメバチは一度刺されたことがあるので、たぶん次刺されると危ないかなという気がしたのでともかく全力で逃げました。

 が。

 この時私は管理会社の方の言葉を耳にもう少し残しておくべだった。
(このアパートは結構よく出来る)
 悪夢は3日後の月曜日に再び。

 殺虫剤効果が残っているのか、私の部屋には出来ませんでしたが、隣の部屋との間に今度は軟式野球のボールよりちょっと大きいぐらいの巣が。

「ナンデ!?ハチナンデ!?」

 とかいいつつ。ともかく管理会社に再び連絡(大家さんはまだ帰省中)。つながらず。
 外出のために出たタイミングで発見したので、そのまま駅前の管理会社(まぁ不動産屋さんですが)に飛び込んで。ちょうど出ようとしていたおにーさん発見。

「また蜂です...たぶんアシナガバチだと思うんだけど...」

 と涙目で。なんか蜂について調べてたのでにわかに詳しくなっていたりいなかったり。
 駆除しといてくれるというので、安心してでかけて。
 用事を済ませて戻る時...私の手にはハチ退治用の殺虫剤が。もう次見つけたらやってやる...やってやるぞ...みたいな精神状態に。

 そして再び数日後...
 廊下の隅にまたしても蜂の巣出現。スズメバチではなさそうでまだ小さかったし...やれると判断して殺虫剤を噴射。
 ものすごい効き目で、ほぼ全ての蜂が一撃で落ちたという。3mぐらいの距離はいけると書いてありましたが、ほんとその通りで。1000円で買ってきたけどその価値は私にとってはとんでもなくたかかった。いやー数匹でもホバリングされると(威嚇してるらしい)怖いなんてもんじゃない。

 巣はたたき壊して捨ててしまうことに。管理会社にも一応連絡をいれて。
 もう大丈夫だろうと。

 実際数日は平気だったのですが。
 
 外に行こうとドアを開けたその朝。
 ドアの外には飛び回るスズメバチの群。

「アイェェェェェェ!?」

 とか奇声あげかけましたが、その場でユーターン。
 もう祟られているとか思えない状況。

 よく出来るとは聞いてましたが、ここまでとは。でもこの6年ぐらいこんなことは一度もなかったので...もしかしたら見つけたら大家さんがたたきつぶし続けていたのかもしれず。
 まぁそれを最後に一応は静かなアパートに戻ったのですが(大家さんが帰省から戻ってきたら止んだともいう)、ともかく数週間の間にあちこちに蜂の巣が出来ては粉砕されを繰り返し。
 すっかり蜂恐怖症になってたり。

 玄関には常にハチ・アブ用と書かれた殺虫剤を常備しています。
 一応は都内23区に住んでるんですが、なんかもう田舎っぽいというか自然多い(近くにでかい公園等がある)からなぁなんて思って。
 田舎だとどうなんだろうと実家に帰省した時に聞いてみたんですが。
「知んねぇ間にでかくなっちまってよ。んで、もうどうにもなんないから農協さ連絡してよ。みんなでやっちまうんだよ」
 とのことで。そっちのが怖いわ...(苦笑)

 私の夏は母が倒れて始まり...蜂に悩まされて終わるというなんだかよくわからないものになってしまいました。
 みなさんがどんな夏を過ごしたかはわかりませんが、まだ夏は終わってませんので。くれぐれもご注意を。

※私の愛用は下のハチアブスーパージェット。
 近所の薬局の方曰く「これでだめなら諦めるしか。安いけど結構効くと評判です」とのことで購入したんですが、本当によく効く。ただしスズメバチの巣には効かないと注意書きがしてあるので、私もそれは試さなかったです。通常の蜂なら数m先から噴射するだけで落ちます。巣にもいけました。過信は禁物ですが、一本常備しようと誓ってます。
 記事中では省略しましたが、実際にはもっと多くの蜂の巣が出来てます。2ケタ以上。数日に一回は巣が出来るというなんというか泣きっ面に蜂とはこのことかなぁという状態でした。