ずっと愛用していたPROTREK(G SHOCKの兄弟でと登山家御用達のごつい腕時計)が調子悪くなり、電池交換も兼ねてメンテナンスに出していたのですが...どうも中のモジュール交換が必要なようで、しかももうこの型はモジュールないよ!とのことでして。
修理不能(涙)
ビジネスシーンで使うそこそこの時計は1つあるんですが、普段使う腕時計がないとちょっと不便。
そこで以前からずーっと気になっていたチプカシの世界にデビューしてみることにしました。だいぶ前から気にしていたのは...
「F-91W」
という腕時計。
もう外観からして「ああ、昔からある腕時計だよね」と言われる逸品で、子供から大人まで愛用出来る不変の名器です。
チプカシって何よ?というと「チープ カシオ」の略のようで。
時計売り場に行くと壁にぶらさがってる一個1000~2000円の時計たち。CASIOのそれらの腕時計を総じて「チプカシ」と呼んで愛用している人たちがいます。
ビジネスシーンには似合わなとか、安物はなぁとかいろいろ言われますが(確かに女性とのデートなどには向かないデザインも多いかも)、なかなかどうして性能は世界が認めた素晴らしいもので、馬鹿には出来ません。
「ビンラディン御用達」などと言われたりもする物騒な異名を持つF-91Wの話です。
(画像は秋葉原ヨドバシカメラで購入時のもの。1000円でした)
レトロ感が漂いつつもシンプルで使いやすい。安くてラフに使っても惜しくない。そうした良さが人を引きつけるのか。どこの時計売り場にもこうした時計はぶらさがっており、特にCASIOのコーナーには結構な人が賑わっていたりするものです。
私が購入した「F-91W」は世界的なベストセラーとなっている機種で、当のCASIOが「何個作ったんだろ?」とか言っちゃうぐらいに大量に世界に販売されています。
Wikipediaなんか見るとわかりますが、「テロリスト御用達」と言われる面もあったりなかったり(^^;
ビンラディンの家族の生前の映像を見ると腕にはF-91Wがしっかり映っていたりするんですよね。家族とともに確かに愛用していたっぽいです。
なんでそうなるかというと「安くて頑丈で信頼性が高く加工がしやすい」ために時限爆弾のパーツに使われたことが多かったからということでして。
それだけ頑丈で信頼性があると世界中で認められているということになるんですが...
私はF-91Wに興味を持ったのは過去にどっかで読んだ記事からで。
確か消防士とか州軍の兵士さんなんかのインタビューでこのF-91Wを大絶賛していたんですよ。
G SHOCKみたいに高いものを買わなくてもこいつがあれば十分さ!長持ちだしいいぜ!
みたいなノリで。
それこそ手を洗ったりシャワーをあびてる時もつけっ ぱなし。
過酷な現場でもグローブの下にはこいつがいつもあって、壊れず正確な時を刻み続ける。
丈夫だしプレゼントにしても喜ばれる...みたいな記事で。
ああなるほどなぁと思っていたんですよね。
それで今回「よしあの時あこがれたF-91Wを探そう」と思い立ち。
記事を読んだ当時は日本では発売されておらず(海外モデルでしたしね)、輸入かなーと思ってたんですが...
調べたらいつの間にか日本でも発売されていたのでした(^^;
海外限定モデルとかでもいいんですが、最初日本正規販売品が欲しかったので秋葉ヨドバシに出向いて購入しました。
他にもいろいろ検討したんですが(シチズ ンのビジネスウオッチとか)、どうもしっくりこない。
ビジネスシーンではオメガのシーマスターを愛用していますので(といっても一個しか持ってませんが、 高いんですもん)、プライベートのシーンではこの時計がなんかものすごいしっくりくるなーと思って、F-91Wだけを購入して帰宅した次第。
とても気に入っていてほぼ毎日左腕に巻いています。
北米なんかの荒っぽい仕事の人もそうですが、アジア全域でもこのチプカシ...特にF-91W の人気は高く、安い時計のはずなのにまがい物なんかもあるそうです。(原価100~200円で作って500円ぐらいで売ってるみたい。正規品が1000 円~2000円してるので、それでも安い方を買っちゃう人が多いとか。月収が数万なんかの地域では確かに安い方に目が行くよなぁ...なんて思ったり)
デザインもレトロな感じがするものの、ある意味で「完成された」デザインをしているためチープさも含めて愛らしさがあります。
普通に使っていれば電池も7年近く持ちますし、ストップウオッチや(やや暗いとはいえ)夜でも見れるライトもついている。アラームもしっかりあるので目覚ましにも使えます。
精度は...高級機のようにほとんどずれないとか、自動で合わせてくれるということはないんですが、それでも1月で数秒程度の誤差のようで(個体差、個人差があります)。
ほぼ誤差の範囲。1年で1分もずれることはない程度。
この値段の時計として考えたら驚異的かな...と。さすがはCASIOですね。デジタルへの本気度を感じます。
何より薄くて軽い!
わずか21g(約20.5g)という軽さと8.5mmという厚み。実際使ってみるとその凄さがわかります。かなり使い勝手がいいです。
まぁバンドがウレタンバンドなんで多少ムレますが(苦笑)
戦争でこの腕時計をしていた人もいたようで、参戦中もばっちり壊れず。
本人と共に帰ってきたようです。(つけっぱなしで様々な武器を使いまくったり降下作戦でぶつけたりしても壊れなかったとかなんとか)
ただ、時計は傷が多少ついただけだったものの持ち主はそこそこ大けがしたとかしないとか。
降下する際岩にぶつけたとかなんとか、もやっとする話も聞きましたが、無事だった腕時計を見るにやっぱこいつ丈夫だなぁと実感したりも。
時間を知るというシンプルな目的に対してのCASIOのひとつの答えがこのチプカシと呼ばれるシリーズなのかなーと。
本当はF-84Wというわずかに軽いモデルがあってそっちを買うのも検討したんですが、やはり最初にチプカシに興味を持つきっかけになったF-91Wを手元に置いておきたくなりまして。今回購入した次第です。
日本流通モデルは「F-91W-1JF」ということで微妙に型番が日本向けなんですけど。
チプカシとネットでは呼んでますが、ヨドバシに来ていたCASIOの営業さん曰く「スタンダードって言うシリーズなんですよ(^^)」とのことで。やはり愛好者が結構いるというお話が聞けました。そこまで認識してるならもっと宣伝してもいいのに...
買ってよかったな...と本当に満足しています。
1000円で買ったのに何万円もする腕時計より愛着をもってどうしたんだろ自分という気もしますが。
デザインは決して大人向けでしなく、よく言ってレトロフューチャー感があるという感じ。
悪く言ったらチープでダサい。
電池寿命は長いけれどそれより先にウレタンバンドがブチ切れる(笑)
人によってはダサいとかかっこ悪いという人もいるでしょうけれど。
アジア全域で愛され。
タフな職場で愛され。
戦場で活躍し。
水に晒され。
叩きつけられ。
貧乏でもがんばれば買える価格。
丈夫で長持ち。
性能も価格を考えれば驚異的な正確性を持つ。
何よりこのCASIOのスタンダード腕時計のシリーズが「いいな」と思うのは。
日本なら子供がお小遣いを貯めて買うことが出来る価格帯であること。
海外であれば貧困層であっても「手が届く」価格であること。
貧富の差を感じなくもないんですが、どちらも「ほしい」と思ったら「手が届く」価格であるのはとてもうれしいことです。
ウレタンバンドではなくステンレスバンドのビジネスにも使えそうなモデルもたくさんあります。
概ね980~3000円の価格帯でどこの時計売り場にもあるCASIOのスタンダードシリーズ。
コレクターしてる人もいますし、実用性のある遊び道具としても面白い。
中でもF-91Wはお気に入りの一本となりました。
チープで...でもなんだか楽しい腕時計。
1991年の発売以来、世界中の人々に正確な時間を知らせてきた名器。
世界を変えたベストセラー腕時計の一本。
貧乏人だろうが、テロリストだろうが。人の命を救うハードな現場でもどこでも。
時は平等に...刻み続け。この時計はそれを私たちに教えてくれる。
デザイン・ミュージアム・ロンドンの担当者に「地味な傑作」と言われたいぶし銀の魅力を持つ腕時計。
テロリストや軍人、消防士や工事現場の人々にも愛用される「信頼出来る相棒」。
加工のしやすさからアラーム機能が時限爆弾の起爆装置に使われてしまったりもしますが。
それもこれも性能と価格に優れた「名品」だから。
世界でどれだけ販売されたかわからないぐらい普及している腕時計F-91W。
買ってみると確かにチープで。子供のおもちゃのようだと人には言われましたが。
そんな評価もなんのその。
「お前知らないのかよ、この時計はあのビンラディンも愛用したすげぇ時計なんだぜ」とうんちくで反撃したりして。
話題の種にもなってくれる腕時計。
今後も何本かこのシリーズを買って行こうと思っていたりします。
(尚、うるう年対応してないんで、その年はカレンダーを自分で直さないといけません...たいていのチプカシは。購入の際年頭においてください)
※人と会った時に、腕時計を見て相手を評価する人が結構多いんですが、日本人の場合はコーディネイトよりも時計の値段を見て相手の財務状況を把握している人が多いです。
なのでヘタにいい時計をしているとセールストークを連発されたりマンションの案内の電話をかけられたりとひどい迷惑を被ることも(苦笑)
そこでF-91Wにしてみたところ、一切そうした無用のセールスがこなくなりました。仕事の時でもつけてる時があるのですが、「なんだかずいぶん懐かしいデザインの時計ですね。子供時代から愛用してるんですか?」なんて話しかけられることも。
そうした時に「いやこの時計はね...とエピソードを交えて会話を展開したりしています。
値段でしか判別出来ないような人なら次のタイミングでオメガあたりをつけていけばあっさり態度を変えてきたりして苦笑したりしなかったり。
CASIOを愛する私からして非常に満足の行く買い物となりました。
わずかに1000円。貧困の国ではそれでもかなり無理して貯めないと買えない1000円。
けれど1000円以上の価値をもたらしてくれた腕時計。世界で愛される日本の代表製品のひとつ。
今後またPRO TREKとか買うのかもしれないんですが...やっぱり普段使いの愛用品はこいつになっちゃうのかなぁと思います。
(これが私の買ったモデル)
(さらに軽いモデル。ふつうに使うならこっちの方がおすすめ)