「私は悪くないの!いつもどおりつかったの!パソコンがおかしいの!」...そんなことはまずありえない

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 先日、上司からちょっと頼み事をされまして。とある偉い方のPCをサポートすることに。とはいっても、今いる会社の偉い人ではないんですが...

 これがまた、あまりにもありがちな話過ぎて、対処してて疲れ切りました。

 電話して、状態を聞いたのですが最初の第一声が

「私は悪くないの!いつもどおりつかったの!パソコンがおかしいの!」

 

 ...おちつけ。冷静に行こう。

 とりあえずリモート接続しようとしたのですが、どうもうまくいかない。(logmeinをいれてあったのですが...)

  インターネットつながりますか?の問いに...

 

「わかんないわよ、私悪くないわよ、だって何もしてないもの!」

 

 ...誰も責任の所在については聞いてないんですが...まいった。会話が成立しない。ともかく「私は悪くない、パソコンが悪い」の一点張りである。

 

「私悪くないの、パソコンがおかしいの、なんでかわからないの!」

 

 ...ハード故障かウイルスにでもやられないかぎり、そうそうおかしなことにはならないはずなんだけどな...つい先日も見に行ったけど、それほどおかしなことはなかった。せいぜいアウトルック2003がオフライン接続になってたんで、メールが送信ボタン押しても自動にいかないとか、そんな騒ぎだったぐらいだし。

 30分ほど電話でやりとりしていたのですが...しまいには...

 

「なんでわかんないのよ!専門家でしょ!?」

 なんということでしょう。逆ギレされてしまいました。

 こっちも限界が近かったので、ともかく現場へ。直に見て話していれば、そうそうヒステリーな会話にはならないものです。電話だと相手の顔が見えないので言葉がエスカレートしてしまう。よくあることですから。

 車ならすぐの場所だったので許可をもらって外出。現地入りしました。

 で。パソコンを見ると...どうも様子がおかしい。見慣れないスクリーンセーバーやアイコンが先日見た時よりごちゃっと増えています。

「何もしてないって...ソフトいれてるじゃないですか」

「知らない。わからない」

 そのアフ○ックのスクリーンセーバーはいついれました?  その画面を彩るアイコンは?  先日見たときにはなかったですよ。おかしくなった原因はそれらを入れたからではないんですか?

「ちょっとソフトいれたぐらいでおかしくなるなんて、このパソコン変よ。壊れてるんじゃないの!?」

 

 ...まぁ、ソフトいれて壊れるとしたらwindowsのせいでパソコンのせいじゃないです(笑)

  やっぱり、クライアントにアドミニ権限をいれるとこうなるよなぁ。...やっぱり、何か原因は必ずあるもので。何もしてないなんてことはないんですよね...

 ともかく、原因はわかりやすいほどわかりやすい。ともかく早くなんとかしないと私の仕事にも影響が出ます。早急に戻って会議資料を時間までに作らねばなりません。

 普段散々馬鹿にしていたwindowsの復元ポイントがこんな時に役立つとは。ちょっと時間はかかりましたが、わりとあっさり復旧することが出来てちょっとほっとして。(LAN関係のドライバーーがおかしくなっていたのが最大の原因。何をしたんだろうなぁ...)

 ともかく、抜本的な改革をしないと年中呼び出されては私も上司もこまります。まして違う会社の人のPCだし。

 一応手抜き回答で「パソコン買い換えましょう」という提案もしたのですが、あえなく却下。手抜きは駄目か...

 ...仕方ない。あんまりやりたくないけど、パソコン素人だと言い張るなら、こんな手で行くか。そう思って、アイディアを告げると...

 

「え、そんなこと出来るの?是非お願いしたいんだけど」

 OK。騙すようで申し訳ないが、たぶんこれがあなたにとってはいい方法だ。

 携帯で知り合いの業者に電話。

『あ、悪い。俺だけど。実はさ、客紹介したいんだけど。光がすでに入ってるマンションの客。今ADSLだよ。他社の。プロバイダーごと切り替えで。おいしいだろ?住所言うから調べて』

 かけた業者は...インターネット回線関係の業者。結構つきあいが古いので、多少の無茶も無理も聞いてくれる会社なので重宝しています。

『でさ。ものは相談なんだけど。しばり結構深めでいいから、パソコン一台つけてよ。こないだやってたじゃん。2年しばりでHPのノート100円とかさ。終わっちゃった? わるい、俺の顔立ててさ。頼むよ。あ、遠隔サポートとウイルス系も全部入るからさ』

 なんというか、携帯電話の販売ではありませんが「フルオプションで奴隷のように全部入るからともかく安く」という話なわけで。電話の向こうからかえってきた言葉は...

『あんた、たぶん今すげぇ悪い顔してるよ』

 どうも声に本音がダダ漏れだったようで。まぁ、いいのです。ともかく、条件を整えて本人が満足するプランニングをしてるのですから。

『社長決裁とれた。windows7のノートPC出しましょう。メモリも4G乗ってるやつだ。特別だ。そんかわり、入ってほしいオプションは...』

 ...あら、そんなサービスもあったのね(笑)というほどオプションてんこ盛り。とはいえ、金額的な増額はそれほどでもなく。

 壊した...もとい、おかしくした本人にその条件を伝えると...

「あら、そんなものでいいの? お願いしたいわ」

 という返事。うーん、無駄な知識が役に立つ。個人のPCと回線だから出来る技。会社のじゃこうはいかない。

 

 で、何を仕組んだかと言うと...その方のところはADSL回線を使用していたのですが、プロバイダー代金コミでそこそこの出費になるようなプランだったと。そこを最近新興で売り込んできてるところに変更することで...

「インターネットのスピードも速くなるし、毎月の負担もそんなには変わらないんですよ。で、今私が頼めば新品のノートPCがついてきます。セットアップも業者がやってくれるし、月々数100円で遠隔サポートしてくれるサービスもあるんですよー。あ、アンチウイルスも毎月数100円で最新ものが使えるサービスがありますよ。毎回買うの大変でしょう?」

 ま、手抜きというなかれ。業者の手先というなかれ。素人にとってはありがたいサービスともいえるのですよ。当人が説明聞いて、毎月の負担増聞いて納得されてるのですから。

 メールソフトの設定が出来なくて、プロバイダーメールを使用しないでYAHOOメールを使っていてくれたのも幸いでした。

『インセンティヴなしでいいから、引けるだけさっぴいてくれ。頼むよ』

 頼んでる私の顔は相当の悪人面だったかもしれません。でも、悪いことはしてないはず。ただ、この人のサポートをすることになる業者の電話担当は大変だろうなぁ...とは思ってましたが。

 最終的に工事の日取り等もすべて段取り、現在の環境からの移行だけ私が後日来てやることに決定。

 今使ってるPCも...まぁなんとか動いてる状態になりました。新しいパソコン来るまではソフトいれちゃだめですよ?と念押しして。「古いからあんまりこき使わないであげてくださいな」と更に追加。

 あと、ノートンが2009のままだったので2010に。多少は何かが違うかもしれない。...悪化する恐れもあったけど、とりあえず問題ないからバージョンアップしておいて。

 windowsXPでメモリ512M。CPUはちょっとど忘れしてしまいましたが、結構古いもののはず。だったら、こういう提案もありかな、と。回線業者の売り込み合戦を利用して、初期投資を抑えた形でのご提案。

 本音は...もうサポートしたくないので脱出する方法を!でしたけれど(苦笑)

 ネットも早くなり、サポート無料で(実際には有料だけど、キャンペーンで無料)ついてきます。アンチウイルス等も安価に提供されます、パソコンもただです。この殺し文句が効くとは思いませんでしたが、ばっちり効いてくれて助かりました。

 

業者は客をつかむ。客はサポート体制が確立する。私は面倒な用件が片付く。

 帰社して上司に報告して、このミッションは終了となりました。しかられる予感はしたんですが、全部ありのまま報告したらしかられました(笑)まぁ、仕方ない。

 私悪くないもん!と連発してた人は上機嫌でお礼の電話を上司にくれたそうで。るんるんしてたぞ?と言われて「そうですかー」としか言いようがなく。まぁ喜んでるならOKでしょう。

 アフターサポートのアウトソーシングといえば聞こえはいいですが、まぁぶんなげた訳で(^^;

 それでも、いくら私でもこれ以上はちょっと辛い...というか、同じ会社の人のものを上司命令で...というならわかりますが、ちょっと事情違うし。友人の...でもないし。ちょっとサポート仕切れない。まともに会話が成立しなかったのも辛かったですが...ヒステリックに騒ぎまくられて、責任がどうのと言い続けられるのは拷問ですねぇ...ほんと、まいった。

 

 たぶん、パソコンのサポートしてる人や、友だちにちょっと見てくれって言われたことのある人は必ず言われたことのある言葉。

 

「何もしてないのに壊れた」

 

 現実には...ほぼ、何かしてますよね(涙)

 勝手なことをして、勝手に壊して、それでいて他人のせいにするというのも困ったものです。あなたの周りにもこんな人いませんか?(^^;