一日パソコンの前に座って、いろいろとデータを入力。一日が終わってご苦労様。
で、その日の仕事は?と聞かれて...ふと思えばデータ入力のみ。
本来やらなきゃいけなかったのはそうじゃなかったのにな...そんなことありませんか?
それが単純に作業量が多かったり、打ち込みスピードが遅かったり...というのなら、問題としては簡単で量を減らすか日程を調整するか。自分のスピードアップは...まぁずーっと続けていればそれなりのスピードは身につきますので、それほど気になさらなくても。
仕事でPCを日常的に使っていると陥りやすいもの。
それはPCを前にして何がしかのデータを入力していると「仕事をした」気になってしまうという気分。
もちろんデータ入力業務が仕事ならばそれでいいのですが、そうでない人もいるわけで。
メールデータのやりとりも重要ですし、書類作成も重要でしょう。
でも、本当にやらなきゃいけない仕事って、入力作業だったっけ?(^^;
その打ち込んだデータで何かをする。例えば分析する、例えば集計する。見積もり書を作っているなら、それを注文に結び付けないと。
でも、帳票とかデータを入力しただけで終わっちゃって、満足しちゃったり。
データを元に何かやるべきことがあるはずなのに、そこまで行かないで終わっちゃって満足してしまう。
PCの前に座ってキーボードを叩いていれば、なんとなく仕事をした充実感は得られます。外から見ててもなんか忙しそうに見える。
けど、自分の望んだ結果はそんなことだったろうか。会社が望む仕事だったろうか。自分が定めた目標は。本当はその先の仕事があったはずでは?
疲れてる時、逃げたい時ほど陥りやすいものです。「あれ?」となったら危険信号。無意識のうちにやっちゃうので。
それ以外にも...
「何かをなしとげるため」にPCを使うはずが「時間を埋めるために」PCを使ってたり。
PCに振り回されるのもありがちですし、PCに使われるようになっちゃうのもありがちな話。
で、この「入力だけして仕事した気になっちゃう」のもまたありがちな話なんですけれど。
個人でやってるぶんには「あー、まいった」で済みますが、毎日の仕事がこんな日々になってると...見てる人は見てるもので。
「入力作業だけならパートを雇えばいい。正社員がやることじゃないな...本来はもっと違うことをしてもらうためにいるんだから」
とか辛らつな言葉を飛んでくることも。ご用心ご用心。実際に以前いた会社であった会話ですしね(^^;
言われた方はピンと来てなくて。本人はまじめに仕事してるつもりだったんで...(ちゃんと細かく説明したら理解して、その先の仕事が出来るように成長し始めましたが)。必要以上の資料をまとめはじめたり、今やらなくていいことを手がけて肝心の作業をしない、なんてのも私は同じ根源かな、と思ってます。
無意識のサボタージュとか、逃避行動ではないのか...とかつての上司が言ってましたが、とうなんだろう。気づいてないだけで気づけば「あ、まずい」と思ったりするものなので。
ある意味で思考の迷宮と同じく、仕事で迷いこんでしまう迷路のひとつかな、なんて思ったりも。
さらにありがちなのが「見積書」を作りまくってて、それだけで一日終わっちゃうとか。相手に提出して、仕事に結び付けなきゃいけないのに、見積書作っただけで満足しちゃったり、メールしただけで終わっちゃったり。見積書送るだけで仕事が取れるかというと...世の営業さんたちはご存知でしょう。不景気だとそんなに甘いもんじゃない。
メールしたら確認の電話をする、アポイントメントをとって交渉する、相手の表情を読み取る...見積書もまたスタートに過ぎなくて、本当のゴールは契約を取ること。自分の仕事の最終目的がなんなのか。会社でもらう仕事は、どんな仕事につながっているのか。自分が決めた流れ作業のその先は。
自分で定めたスケジュールや作業ではなく、言われてやってる仕事だと発生確率は跳ね上がる気がします。
きちんと見据えてやれるようになると、ただの流れ作業ではない仕事へとステップアップ出来る様になるかも。あるいは、仕事を「終わらせられる」人になれるかも。仕事は最後まできちんとやり遂げなきゃいけないですけど...なかなか難しい。途中で引き継いでもらって外れることになったり、実力が足りなくてはずされちゃったり。
そんなことを書いてる私もよくやってしまうので、逃げは駄目だぁぁぁ、やらないとぉぉぉ! なんて自分で叱咤したりも。まぁ、気づけば急いでその埋め合わせをして、成果を出すようにしてますけれど...これがなかなかうまく行くものではなく。逃げてるつもりはなくても、思考の迷路にはまってたり、作業の迷路にはまってたり。
本当にやるべきことはなんだったか。思い返しつつ、今日もエクセルやパワーポイントと格闘するのです。資料を作ったあと、プレゼンもしないといけないんで...さらにその先の仕事とやらを見据えつつ、それに備えた下準備を。たくさんの人と仕事をするために必要な手順書を...いろいろなものを作らないといけないので(^^;
新入社員の人も、次の年からは先輩になるわけで、今の仕事の先にあるもの。期待されるものってのをちょっと考えてみると面白いかも。サラリーマンをするなら、ちょっと避けて通れないかな...と。さらにその先には人を使う、管理するなんて仕事も見えてくるんですが...こればっかりは適正もありますし、一概には。
そういうのが嫌なら、いっそ起業するのも手で。庇護はないけど自由な世界。全てが自己責任なので、期待される仕事がどうのなんて言ってられない、大変な日々。けど、たぶんサラリーマンでは味わえない、知ることが出来ない充足感やその他のものを味わうことが出来ます(その分大変さもあるわけですが)
自分を例にすれば...
泥にまみれ、屈辱感に身を震わせつつ人に頭を下げまくる...という経験なんか積みました。泣きながら金策に走り、自分より年下で生意気言ってる...けど金はもってる、そんなクライアントに頭を下げまくって仕事を取ることも経験しました。あれはサラリーマンではなかなか得がたい経験だと思います。
土下座で仕事取れるなら、むしろ安いもんだよと笑っていえる。泣いて済むならいくらでも泣いてやる、でも泣いても駄目だから、歯を食いしばってなんとかしようとする。
小さいとはいえ、あれも経営者の姿。ただ、成功した側の姿ではなかったですけれど。明らかに失敗してドツボってたんですけどね。今はそれを肥やしにして、今度はサラリーマン側の視点から人生を過ごしつつ、いろいろと学んでいます。
あの経験はサラリーマンをするようになった今、かなり役に立ってます。望んで得た経験ではないですが、挫折や失敗を肥やしにしないとやってられないのも現実。次はうまくやるさ...そう嘯いて。
今日もカタカタとパソコンのキーボードにいろいろな資料や文章を打ち込んでいるのです...打ち込むのが目的にならないよう、自戒しつつ。
会社の庇護があるのがいいことか悪いことか。でもサラリーマンでないと得られない経験や充足感もあるので、どっちがいいとはいえないですけれどね(^^; 人生なんでも経験は無駄にならない、無駄にしないようにしていくのがいいのかな。
どんな職業でも「仕事」をするからには、XXした気になっていた...なんて失敗は簡単に致命傷になってしまうので。