農家の叫びは海を越えられないのか...個人で出来ること出来ないこと

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 ご存じの方はご存じのように、宮崎県では今...口蹄疫の問題が農家を直撃しています。 

 新聞やニュースを見ていると、その扱いの小ささにびっくりしてしまうんですが、農家にとってはまさに「死病」といえる病気です。wikiを見てもらえば、そのすさまじさがわかるかと思います。該当記事はこちらになります。

 私は東京に住んでいる身ですが、会社でも友人間でも実際に話題にのぼることは少なく、「大変みたいだねー」で終わってしまっているのが残念ながら現実です。

 

 私の母方の実家は農業を営んでおり、米を作っています。畜産家ではないため、今回のニュースには無関心かな...とも思っていたのですが、実は相当心を痛めていました。自分たちも貧乏だが、人ごとではねぇ。ちょっと酒のひとつも我慢して、募金してくるわ。おまえも少しぐらい食事抜いて、心だけでも届けておけ。ダイエットにもなるし。

 母親経由ですが、そんな話も出てまして。

 ただ、ニュースや新聞では募金や応援をしたくてもその窓口を教えてくれません。インターネットの個人サイトやtwitterだけが騒いでいるような状態で。みんながみんな他人事のように感じているだけかというと、今回はどうもそうではなく、「知らない」のが原因かな、と。

 実際、あの病気は大変で...と説明し、「ちょっと募金しようと思っててね」というと、話を聞いた人は「お、ちょっと振り込み先とか教えろよ。パチンコで負けたと思って、少しぐらいは募金出来るぜ」などと返してくれます。少なくとも私の周りでは。

 農家の方の叫びは痛切です。あちこちで話題になっていますが、現実に問題に直面している農家の方のブログがあります。

 

川南町のムッチー牧場だよ~ん。

 

 このブログの4月の日記を読めば、悲痛さが少しはわかるかと思います。母と電話で話していたら、私の母が小さい頃は実家でも牛を一頭飼っていたようで。畜産というより農業用みたいな感じだったような話しぶりでしたけれど。

 毎日毎日世話をして。家族同然に大切にしていたと。ペットではなく家族だった、と母は言っていました。売ってしまったのか死んでしまったのかは言ってくれませんでしたが、いなくなった時は大変な喪失感だったと。

 今から50年以上前のことでも鮮明に牛の姿を覚えているそうです。

 そんな母も、普段はTVを見て新聞を見ているだけのおばぁちゃんなわけですが、ニュースを見ていても話題が少ないので、半分以上終息してしまったのかと思っていたようです。

 とんでもない、今まさに地獄が宮崎に現出しているんだよ、と。マスコミの扱いが小さくなったからといって、状況がよくなったわけじゃないんだよ、という話をしました。

 我々が遠い場所のことを知る手段は、かつてTVや新聞、あるいはラジオといったメディアが頼りでした。インターネットが普及しても、年配の方のライフスタイルはそう変わるものではなく。相変わらずの影響力を誇ります。

 メディアが報道しなければ、たかが九州と本土の間の狭い海すら...農家の叫びは超えられない。

 インターネット上でいくら騒いでも、その声は届かない人にはまったく届きません。会社で、家庭で話題に上らせて初めて広まっていくのかな、と思います。...家族間が冷め切ってるといわれる現代では、それこそが難しいことかもしませんけれど。

 この病気の恐ろしいところは、発病したら必ず牛や豚を殺さねばならなくなること。そして、その費用も、埋める費用も何もかも農家が負担しなければなりません。畜産家にとって牛や豚は家族であり財産であり、すべてです。

 私の実家では、それが米にあたります。あんたんとこの米の一部が病気になったから、畑全部駄目だよ。全て捨ててくれ。その費用は自分持ちな。それから借金あるだろうけど、それはきちんと払えよ、収入なくなるかもしんないけど。そう言われているようなものです。

 トラクターを買った金。農協への借金。農家は決して裕福な職業ではありません。なかにはちゃらんぽらんな人がいるのかもしれませんが、私が知っている農家は一生懸命に生きています。たとえ裕福でなくても、東京に住んでる私たちにはなかなか出来ない笑顔を浮かべて...人の口に入るもんだからよ、大切にやんねぇとな。子供の時、おじさんはそう言って笑顔で畑に出ていました。たぶん、今でも心は変わっていないでしょう。

 国が保証する...とはいいますが、今の生活費等はどうするのか。書類を出せ、手続きを踏めというが、その余裕が今農家にあるか。なんなら役人が農家を回ってその手伝いをしたらどうか。いろいろと思いを馳せたり。

 かつて、実家に遊びに行った時、おじさんが苦笑いを浮かべて言った言葉があります。

 

「農家の苦しみは、背広を着たやつらにゃわかんねだよ」

 

 聞いた当時はわからず。後に大人になってからはIT系の仕事をする私への嫌味かな、なんて思ってましたが、今考えると重い。私はきちんと理解出来ていなかったな...そう思います。

 


 ぼそっとつぶやいた一言。背広を着た人とは、役人か政治家か。それとも無関心な我々か。

 

 まぁ農家の人だって背広は着ますけれど。揶揄かたとえか、まぁ当時そう言われたってだけの話なんですけれど。

 個人でも出来ることはあるはずだよな...と考えさせられます。そして、個人では出来ないことも。県ならば出来ること。国ならば出来ること。いろいろと考えさせられます。

 このところtwitterでつぶやきつつ、個人で出来ることはないかな...といろいろと調べていました。そんな時、メールをくれた方がいて...先のブログでも募金の受付を開始しているとの話が。

 この農家の方が信じられないなら仕方ありませんが、行政を通じず農家に100%還元するとのことなので、私は紹介したいなと思いました。5月の日記に収支報告がされていますし、振り込み先等も書かれています。興味がある方は自分の目で見て、判断されるといいと思います。

 また、行政の窓口としては「ふるさと宮崎応援寄付金」という窓口があるようです。今回の問題に使われるか保証はありませんが、知事の東国原知事はその辺りはきちんとしている方だと私は思っています。対応が遅いと怒っている方もいるようですが、外遊を優先してから現地入りする大臣よりはマシかな、とは思いますよ。参考動画を下に貼りますが...3:55からのやりとりは、さすがに呆れてしまいました。江藤議員も興奮しすぎとは思いますが、気持ちはなんとなくわかる気がします。

 冷静に迅速に。早急に対策してほしいものです。

参考