ホビーPC。かつてゲーム専用ハードがなかった時代。
およそゲームに向いた性能ではないパソコンであってもームを遊ぶには...それしかなかった。
作る。
雑誌のプログラムを打ち込む。
お小遣いを貯めて購入する。
そして、世に生まれ出ていった数々のパソコン用ゲーム達。8bit時代に「ホビーPC」と呼ばれた名機達。
今回は「時代を彩ったかつての名機たち」シリーズ番外編として、youtubeやニコニコ動画で見つけられるかつてのホビーPC用ゲーム動画をセレクトしてご紹介してみようかと思います。
どちらかといえば超メジャーは避けてのセレクトです(たんなる個人的な趣味も入ってますが)。
それではいってみましょうか...
「DAIVA ヴリトラの炎」 PC-8801mkⅡSR版
かつて、ホビーPCをまたにかけ...それぞれの機種で同一の物語の違う主人公達のストーリーを展開しようとした意欲作があった。それがT&EソフトのDAIVAシリーズ。
曲はあの浅倉大介さんが参加しているだけあって今聞いてもなかなかいける曲だらけ。
機種ごとに特色があるかというと...ちょっと微妙だったのが残念ですが。
ゲームブックを全部買えばおおよその各キャラのストーリーとつながりがわかるんですが...
ゲーム本編ではそこまでの差は少なかったのが残念でした。
他の機種の主人公が助けに来てくれたりと結構面白いギミックもありました。
「DAIVA ドゥルガーの記憶」 FM77AV版
「DAIVA ニルヴァーナの試練」 X1版
X1版が音色とか雰囲気とか一番好きかもしれません。今ですと、PS3とXBOX360と3DSとPSPで同じ時間軸の物語を機種ごとに違う主人公で楽しむ...そして連動する。そんなイメージでしょうか。野心溢れるソフトだったと思います。
「SILPHEED」 PC-8801mkⅡSR
ホビーPC全盛の頃。他機種のユーザー達を歯噛みさせ、PC-8801mkⅡSRユーザーを驚喜させたシューティングの金字塔。今やっても面白く、そして涙が出るほど美しいゲーム。
OPだけでもやはり格好いい。私はMEGA-CDより88だ。テクスチャに頼らない時代の渋さと演出の格好良さ。当時「ポリゴン」なんて概念も知らず、ただ美しいワイヤーフレームに少年達は目を輝かせた。各種の隠しコマンド等遊び心満載であり、今でも語られるパソコンシューティングゲームの伝説。
「SILPHEED」 FM77AV
その後、唯一移植されたのがFM77AVであり、そのOPが店頭でDEMOされた時88ユーザーは目をむいた。美しい発色。 流用かと思わせて実はきちんと手が入ったOP。
そのOPの最後に待ち構えるザカリテの姿。
ややドットは荒かったかもしれないが、機種の特色を生かした移植に今度は88ユーザーが歯噛みした。地味にスネアの音色などFM77AV用にいろいろと手が入ってるのが今聞いても新鮮だ。
最後に表示されたシルフィードの格好よい1枚絵。あれだけでもFM77AVユーザーの誇らしい顔を思い出せる。
「SILPHEED」 MEGA-CD
ホビーPCではないが、あえてここに載せたのには理由がある。
当時ゲーセンでスターブレード等にどっぱまった世代は、MEGA-CD版シルフィードで体と心をふるわせたのだ。
PS2?
XBOX360版?
悪いがどれも劣化したものにしか見えない。 MEGA-CD版のOPを見るだけでわかる。美麗なムービーもいいが、生ポリゴンの魅力は当時を体験したものにしかわからない感動を呼ぶのだ。懐古趣味と言うなら言えばいい。いいものはいいのだと胸を張れる。
格好よい演出と曲。「かっこいい」とはどういうことか。古きこのゲームが教えてくれる。
「女神転生」 PC-8801mkⅡSR
古い時代のPCゲームを語る上でテレネットは外せない。
代表作はヴァリス等いろいろあるが、BGMに限ればおそらく女神転生ですでに頂点に達していた。
これはレアな店頭デモ版。当時はゲームそっちのけでミュージックモードに聞き惚れた人達が多かったという。
アトラスの女神転生シリーズとは違いこちらは原典の小説をゲーム化していた。今聞いても泣くほど完成度が高い。PSGとFMの融合はFM音源のみよりも厚みがあるのだとテレネットは教えてくれていた。
「YAKSA -夜叉-」 PC-8801mkⅡSR
テレネットを語るならばウルフチームを忘れることは出来ない。たくさんのゲームを出したウルフチームだが、気合いの第一弾は相当な難産になったという。
これがその第一弾「YAKSA」。
ゲームとしては破綻していると言われることもあるが、店頭デモで客を引きつけるその手法は映画の予告編にも似て実にうまくいっていた。
それはブランド終焉まで続いていく伝統となった。
上の動画は今みても格好いい店頭デモ。ストーリーもたぶん今リメイクしても通じる渋い中二病めいた魅力がある。
「FINAL ZONE」 PC-8801mkⅡSR
「今回のポイントーマンは...俺一人でやる!」
「またジョーカーを引いてしまった」
数々の名台詞と共にに記憶に残るゲーム。
テレネットからウルフチーム独立への流れを決定づけたのはヴァリスでもなんでもなくこれだと思う。ゲームとしては非常に難易度が高くなるので結局は主人公一人で突き進んだ方がいいという...PC-engine版のⅡ?そんなものは見てはいけない。(歌は好きだけどね)
上の動画はやはり店頭デモ版。
「ザ・スクリーマー」 PC-8801mkⅡSR
かつてテレネットのXZRシリーズが問題になったことがある。
麻薬を使う主人公はどうなんだという話だった。
冗談じゃない。それ以上にやばくて危険で...そしてかっこよくてCOOLなゲームは他にもあった。
未だ破られぬ「やばさ」を持ち、未だ私の心を鷲づかみにするRPGがある。
それがこの「ザ・スクリーマー」。
パッケージに漫画が同梱されておりプレストーリーを効果的に演出していた。エンディングに「バオー来訪者」のパロディがあるものの全体的にはサイバーパンク染みた暗くて汚い雰囲気が漂う。
麻薬、毒、人体改造なんでもごされ。
私自信...ゲームブックは今でも所有しているぐらい愛して止まないゲーム。
叶うならば18禁(エロではなく)でリメイクして欲しい。今時は無理だろうけれど...
「Thunder Force」 X1版
他機種ユーザーからしてみたらX1が欲しくなる逸品だった。
スタート時の声は酔っ払いの叫びとまで言われたが、技術的には結構すごい。
当時の8bit機でこれだけのものを作れたのはX1ならではだったかもしれない。
サンダーフォース。後のシリーズの原典はここにあった。
「戦国ソーサリアン・ピラミッドソーサリアン」 X1turbo版
X1Turboユーザーに「なんだ88かよしょっぱいな」と言われ歯噛みして耐えた日々があった。
そう。
ファルコムのゲームに関しては...BGMだけでも...負けていたのだ。
今聞いても素晴らしい 戦国・ピラミッドソーサリアンX1turbo版。サウンドボード2にアレンジを打ち込んで対抗したのもいい思い出。PMDで対抗したものの曲の素養がなくていまいち再現出来なかったのが悲しかった。
当時これを遊べたユーザーはX1turboユーザーであったことを誇りに思うべきだ。
少なくても馬鹿にされても何も言えず聞き惚れた他機種ユーザーが何人もいたのだから。
「レイドック2」 MSX2+版
MSXのファンはたくさんいる。
MSX2のファンは今でもたくさんいる。
だが、MSX2+はどうだろうか?
不遇の規格と言われるが、そのユーザーだけが遊べたゲームがあった。
スーパーでも無印でもない。
「レイドック2」...今聞いても富田節全開で気持ちいいBGMだ。
「グラディウス2」 MSX版
ファミコンを横目に、ゲーセンにもファミコンにもない「コナミの本気」のゲームを遊び倒したうらやましいユーザー達がいた。
MSXの至宝 「グラディウス2」 Ⅱではない...そのおもしろさは語り継がれる。
技術力とBGMと力業も含めて。
...いや本当に力業...
「ザナックEX」 MSX版
アレスタ?
MSXファンが知っているのは「ザナック」だ。
SEGAファンだけが知る世界とMSXファンだけが知る世界。
それはファミコンのディスクシステムへと融合発展、日本を席巻したのだ。
コンパイルシューティングの金字塔 MSX 「ザナック」。
上の動画はそれらの他機種の要素を盛り込んでMSXに凱旋した「ザナックEX」のもの。
MSX2のファンなら当然対抗するようにアレスタで遊びまくっていた自分を思い出しているだろう。
「ガリウスの迷宮」 MSX版
難しさも何もかも吹き飛ばしてBGMを聞きたくて遊びたくなる。
MSXファンなら知ってるだろう。ガリウスの迷宮のBGMを。
名曲のみで構成された他のパソコンにはない「うまみ」を今ここに。
「Xak3」 PC-9801版
イースシリーズは確かに名作だろう。
だが、もうひとつのRPGの金字塔があったことを忘れてはいけない。
マイクロキャビンが残してくれたあのシリーズを。
XakシリーズよりXak3。今に伝えたいRPGの名作はここにもある。
BGM。ストーリー。1993年当時に完成度は極まりつつあった。
3は完結編にふさわしい素晴らしいゲームだった。
(フレイかわいいよフレイ)
「幻影都市」 サウンドトラックより
マイクロキャビンからもう一作。
スナッチャーもどきとかいろいろ言われたが、かなり面白いゲームだった。
音楽の格好良さは特筆に値する。
今でも通じるサントラは私もまだ保有中。
今回は「幻影都市」 サウンドトラックより。
MD版? ...すまない、あれは私の中ではなかったことになってるんで。
「アマランスシリーズ」 PC-9801版
マイナーに甘んじてしまっているが、確かに人気のあったRPGとして忘れてはいけないのがこのアマランスシリーズだ。
微妙にHだったり鬼畜だったりするが、大人の雰囲気溢れるRPGとして少年達の胸を焦がしたといえる。
マイナーとはいったが人気があったのは確かで続編がいくつも作られた。第一作のヒットからサントラCDが発売されている。アレンジ版の曲はどれも珠玉。
プロジェクトEGGが現代にその血を残してくれているので興味がある方は検索をしてみるといいだろう。
「38万キロの虚空」 X68000+CM-64版(本来はMT-32L対応)
最後に個人的に絶対に忘れたくない曲とそのゲームを。
システムサコムはMIDIに力をいれたゲーム会社でした。
そして、それらの曲を提供していたのは...若き作曲家「斉藤学」氏。
当時のパソコンゲームプレイヤーなら「ソフトでハードな物語」や「闇の血族」と聞けばピンとくるでしょう。
パソコンゲームの中に新たに登場してきたMIDI音源の黎明期。そんな時期に完成度の高い曲をひっさげて登場した人。
そして...今はもう土の下に還ってしまった人...
私はこの人の曲の大ファンで、MIDI音源の曲が聴きたいがために高いお金を出して一式そろえました。まだ対応ゲームなんて...この38万キロの虚空しかなかったというのに。
若くして病に倒れ。慟哭の中に消えた人。
遺族の方が作ったホームページが今でもこの人の記憶を伝えています。
当然発売日にCDを買いました。...まさかその後プレミアがつくとは思いませんでしたが...流通量が発売時点で少なくて、予約して買った記憶があります。
ゲームのシナリオも秀逸で、SF好きなら思わず引き込まれるでしょう。突っ込みどころはあるかもしれませんが、当時としては内容も含めて画期的なソフトでした。
生きていれば...もっともっと曲を書き続けていてくれたでしょう。ゲームだけでなく、映画音楽も手がけていたかもしれません。本当に惜しい方が逝ってしまわれたのだと...知った時には泣きながらバーボンを煽ってしまいましたから。
懐かしい時代のゲーム達。
ホビーPCを彩るのに欠かせないゲーム達。
今から見たら貧弱かもしれないFM音源やPSG音源で精一杯表現された珠玉の音楽達。
メジャーなものは今でも語られているけれど。
ちょっとマイナーなゲームにも名作はたくさんあった。
今でも耳を楽しませるBGMがある。
今後も機会があればまた懐かしいゲーム達の話を書ければと思っています。