E・本田のおにぃさんですよね?...あの子供達は今

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 学生時代に大ブームとなったストリートファイター2。末期の頃まで私のメインキャラといえば、E本田。簡単操作だし、破壊力はあるし、立ち回り次第ではそこそこ戦えるのが大好きで。設定もおもしろおかしくて今でも大好きです。そんな縁でスーパーストリートファイター4も買いましたし(^^)

 で、ふと思い出したのが20年ぐらい前?のとある出来事。何年前かはちょっとうろ覚えですが。

 当時は今住んでるところとはちょっと離れたところに住んでいたんですが、今住んでいるところの近くにあったゲーセン(今はもうなくなってますけれど)に足繁く通っていて。連日対戦に盛り上がっていました。

 とはいえ、ゲームの台数には限りがありまして。待ってる時間は他のゲーム...テトリスやってたりとか、シューティングゲームやってたりとかしてたわけで。

 毎日いるもんですから、いわゆる「常連」となってしまい、店員のおじさんとも仲良しに。小さいゲームセンターですから、おじさん一人がいつも店番。ゲームのメンテナンスが行き届くはずもなく。

 常連の中の何人かは、自分からボタンやレバーの修理をするように。パーツだけあれば、案外簡単にできますし。ハンダゴテがあれば楽勝ですしね。

 それが何日も何ヶ月も続くと、ゲーセンにくる子供もおじさんではなく、常連のおにーちゃん達のところに声をかけるようになります。

「コイン飲まれちゃった-」「ボタン反応しないー」「レバーおかしいよー」

 ゲームをしてる最中でも言われるのですから、ちょっと閉口。まぁ、でも悪い気はしないので、道具を借りてせこせこ直してて。まぁ、そんな時期があったんですね。

 そうこうしてる間にブームも終わり。私も仕事が忙しくなり。足も遠のき...いつしか行かなくなって。

 で、今から何年か前に今住んでいるところ...ゲーセンのある街に引っ越してきまして。まぁ当時の知り合いも多いし、勝手も知ってる街ですから便利なもんで(笑)

 久しぶりにゲーセンに顔を出したところ...知ってる顔はなくて。まぁ当たり前なんですが。

 それでも、帰宅途中にあるもんですから、酔っ払った帰りにちょっと休憩するために立ち寄ったりして。あの頃のおじさんもたまにいましたしね。お金がないとかで、古いゲームがまだまだ現役だったので、古いゲームをやったりして。NEOGEOのゲームがいまだに大好きなぐらいですから、まぁちょっと...のつもりで遊んでたわけです。

 そしたら、見るからにやばそうな若者が横に立ちまして。ガムを噛んでるわけでもないのに、口元はくちゃくちゃと。うわーやべーと思いましたね。

 口元にはピアスなのかなんなのか、リングついてますし、髪の毛は3色ぐらいに染められ、かっちり固まってます。どこの世紀末の人かと思うぐらい装飾品がごちゃごちゃついてる服装のうえに目つきもおかしい。

 もう絵に描いたような柄の悪い若者で。パンクロッカーのがもっとマシなんだけどなぁ...というのが初見の印象。あまし格好良くはなかったですね。

「おっさん、ちょっとさー」

 あー、これはかつあげフラグだなー、喧嘩はやだなぁ。でも金はもっと払いたくないなぁ。ナイフとかもってたらやだなぁ...とかいろいろと。当時は多かったんですよね、親父狩りみたいの。酔っ払い相手に金を脅し取るのが...

 一瞬で脳内判定して、もうしょうがない...と覚悟を決めてゲームを放棄して立ち上がりました。

 

「おっさん、俺らに......こづかい......あれ?」

 

 見る間に顔の表情が変わり、きょとんとした年齢相応の顔に。あれ、よく見れば高校生ぐらいじゃないか、こいつ...そう思ってると...

 

「エドモンド本田のおにぃさんですよね!? ゲームなおしてくれたりしてた! 俺のこと覚えてます!?当時小房でぇ~」

 

 いやいや、わからんて! 

 

 あんなに純真な顔してたガキがこんな糞ガキになってるとは思わないし、第一そんなに記憶力ねぇよ!!

 

「おう、なんだよ...XXX(この若者のあだ名)、このおっさんなんかあんのかよ」

 そうこうしてる間に、仲間が増えて。あれよと5人ぐらいに。あーまいった。5人相手じゃ喧嘩にもならない...そう思ったのですが、最初に声をかけて来た若者が...

 

「おう、覚えてね? ほら、このゲーセンで前いた店員さんだよこの人、ほら本田使ってた人!!」

 

 頼むから本田から離れてください(涙)あと、店員じゃなかったんですけど!!

「おおー、覚えてるよ! ...あ、そうだよ! あの人だ!」

 なんと若者達全員、あの時いろいろと頼み事をしてきた小学生だったという...

「いやぁ、すんません」*5

 すんませんではない、こっちは相当怖かったぞ...酔っ払った勢いで拳握っちゃったし。

「今この街に住んでるんですか? 何かあったら声かけてくださいよ、みんな助けますから。あの当時はほんと、いろいろおごってもらったりしたし。いや、ほんとすいません」

 ...あーそういえば、当時は羽振りがよくて。仕事もうまく行ってたもんだから、結構お菓子だのなんだのおごってたなぁ...と。ゲームも結構おごってあげてたし。...当時の羽振りの良さは、今はもう影も形もありませんけれど(苦笑)

 とかなんとかありまして。まじめにバイトしろよーとか、悪いことすんなよーとかいろい注意して。無事帰宅。

 ああ怖かった...という話なんですが。

 

 これには後日談がありまして。

 それから半年ほど経った後。また同じゲーセンで酔いを覚ましていると、今度は酔っ払ったとび職の方に絡まれまして。またかよ!と思いもしましたが、まぁ酔っ払いなんで、手が出るとかそういうこともなく...わけのわからないことを言ってるだけなんですが...

「ちーす」

 背後に立つは、あの若者達...まて、人数が前回より増えている!?

 

「なんすか、なんすか? こいつに絡まれてるんすか? やっちゃいましょうか?」

 

「やるなって」

 まぁ、人数もいるもんですからとび職の酔っ払いさんもすごすごと。

「お前らなぁ...ありがたいんだけど、ちょーーーーーっとコワイってば」

 とちょっとだけ文句言いまして。その場はそれで終わり、と。

 

 で、それから6年以上経ってるんですが。

 こいつらの何人かとつきあいがまだ続いてまして(苦笑)

 若者から青年に。というか、社会人になってもこいつら本当にダメダメで。でもまぁ、あの時よりはマシになってます。身内にはとことん甘く、でも敵と見ちゃうとすぐつっかかる。馬鹿だなぁといいつつも、面倒みたりして。

 こっちも若いひとの言葉とか考え方を知るのにはちょうどいいもんですから。利用するぞーと宣言してまして。フリーターやめてぇ...とかいうやつには仕事紹介したりしてね。鉄骨職人というか、まぁとび職の仕事につかせてあげて。あれで結構面白い仕事ですから。建方やって、本締めして。軸力検査したり。私、今でも出来るんじゃないだろうか(^^;...無理ですね(苦笑)

 これがまた、ほんのちょっと前まで「本田の人」で通ってて。今ではさすがに本名で呼ばせてますが。

 ゲーセンからつながっていくつながりなんてのもあるもんだな、なんて笑ってますが。

 今ではそのゲーセンもなくなり。人と人とのつながりだけが残って。

 あの当時ゲーセンで仲良くなった同年代のやつらとは、今でもつきあいが深かったり。いやはや、これが世代を超えたやつらも混じるとは思ってなかったんですけどね。

 まぁ、当時の小学生が今や一緒に酒を飲み。あいつが嫁さんもらったのどーのと話してるわけですから、こっちもいいおっさんだねどうも、と苦笑することしきり。

「なんで結婚しないんすか? もてない?何言ってるんですか、優しいしなんとでもなりますよ~。なんだったら女の子紹介しましょうか?年上好きってかわいい子いますよ」

 なんて言われても、歳の差を考えると...15歳以上離れてるとちょっとね(^^; とか言って遠慮してしまったり。最初はコワイなんて私が言ってたやつらも、つきあってみればただの馬鹿で(本人達が見たら怒るんですが、実際年中「この馬鹿!」と言ってますから)。

 そもそも15歳も離れてると話題合わせるだけでも大変なんですけどね(^^;

 ただ、癖ってのはなかなか抜けなくて。なんでこの人と知り合いなの?と同年代の若者に尋ねられると、彼らは決まってこういうのです。

「ガキの頃行ってたゲーセンで、エドモンド本田使ってた店員さんで...」

 私は店員じゃなかったんですが...まぁ、彼らにとってはどっちでもいいでしょう。

 あと何年、私は本田の人って言われるんですかね(苦笑)

 まぁ、あれだけ不良っぽい格好してた彼らですが、今では身なりはちゃんとして。親御さんからもお礼言われましたが、それなりにまじめになりました。馬鹿ですけど。本当、モノ考えない馬鹿達ですけれど。

 少なくとも、私が彼らの年齢だった時は、あそこまで女にもモノにも恵まれてなかったので、私から見たら十分「リア充め」(リア充の意味は検索してみましょう(笑))なんですけれど。馬鹿なりに楽しくやってるようです。

 犯罪だけはしてくれるなよ、と。私も親御さんも願ってるんですけれど。まぁ...フタマタがばれて女性にフルぼっこにされましたって言ってくる時点で、もう駄目かもしれませんね(^^; そもそも再会のきっかけがすでに犯罪ですから。

 

 

※記事を公開した時はここに余談が書いてあったのですが、本人に見せたところ「ぜ、全国にさらし者は勘弁してください、あと今後いろいろと女の子口説く時に大変になっちゃうじゃないですか~!」と電話で20分も食い下がられたので余談を削除しました。彼の悪行三昧は、次に迷惑をかけられるか、貸しをさらに積み重ねるようなら、あらためて。女性の敵のようで、それでもつきあってきた相手にはそれなりに思い出にされてるんだそうで...本当かなぁ(^^;