その性能は本当に必要か(番外編)...侮れぬ高性能「i3」・そして「AthlonⅡX4」

 最近PCのリプレースや購入の相談の度に言われる言葉があります。

「i3って何? Core2Duoより遅いんだよね?」

 正直「えーとですね」と説明し続けていても疲れ果てるぐらいこの質問をされます。ちょっとでもPCに興味がある人ならこんなことは聞いてこないんですが、相手はPCなんて古くなって動かなくなったら買い換えればいいや...スペックもよくわかんないから見繕ってよ...とか言ってくる人たちです。

 正直IntelはiシリーズのCPUの中でもi3のブランディングは失敗していると私は思っています。

 Core2ブランドがそれだけ強かった...というのもあるんですが(海外だとむしろPentiumブランドが強いかもしれないですが)、それにしたってです。

 i7はメーカーの高いPCに積まれているので「ああきっと早いんだな」と漠然とわかるようですしi5も「売り場の大半がこのCPUだからきっと今のメインはこれなんだ。ちょっと前のCore2Duoみたいなもんかな」という具合で。

 ところがi3はというか低価格PCに搭載されているんですが...価格帯的にCore2Duoが載ってたりするPCとかぶりまくりです。

 非常にもったいない。

 2chの低価格スレの皆様などは「はっはっは...この情弱め」と笑ってくれるんじゃないでしょうか。ベアード様のAA付きで。(意味がわからない人はわからない方がいいかもしれません)

 正直1万円前後で購入出来るCPUとしては自作市場においてもかなり存在感のあるCPUだと私は思っています。低価格でPCを購入しなければならない...となるとコストパフォーマンスの高さが光るこのi3が検討するTOPに。

 

 あとは最低価格帯を狙うとなるとデュアルコアセレロンも捨てがたい。あれはあれで価格と性能で考えると「なんでこんな安いんだ」と言いたくなるんですが、i3はそれより少しばかり高くてもお得感が半端ない。(とはいえ4000円を割るCeleronも半端なく安いのでトータルコストを押さえるとなると選択肢にいれたくなります)

 HTテクノロジがないとはいえデュアルコア。そしてGPU搭載。それでいて安い。性能は...といえば、ローエンドによく搭載されるi3-550あたりを見てもかなり悪くない性能をしています。クロックアップして楽しむのもアリっちゃありですが定格でも十分以上に使える。

 侮ってはいけないCPUだと思います。もちろん予算があるならi7だろうとi5だろうと好きなものをセレクトすればいいのですが、ここでコストを削って他の部分の補強に当てる選択肢も選べるのは大きい。

 ましてマザーが今問題発生で入手しずらいとはいえSandybridgeになったi3-2100あたりは1万円前後で買えるCPUとしては破格の性能です(クロックも3G越えなんで魅力増し増し)。安価なマザーが潤沢に出てくれば古いPCのリプレースなどで活躍しそう。

 そして視線をAMDに向けると...やはり同じような立ち位置にAthlonⅡX4がいたりします。

 1万円以下でQuadコア搭載。640辺りならクロックも3G越えであり正直通常使用であればまず問題のないスペックをもっています。上位CPUであるPhenomⅡとの性能差はL3キャッシュの差なんですが価格ほど性能は落ちないと私は思っています。さすがに最上位のPhenomⅡと戦うとなると苦しいですが(笑)

 手頃でがっちりCPUの保険と私は呼んでいます。結構万能で安価なCPUだったりしますし。Amazonでも結構安い。

 

 ただ...PhenomⅡの価格が下がったためにAthlonⅡX4との価格差が小さくなり...その性能が侮られるというかあまり広まらないという結果に。PhenomⅡX2よりは早い場面も多いんですが...コア数の影響が出づらい局面では負けちゃうことも。

 ましてPhenomⅡX4の955や965が値下がりを続けて数千円差の中に入ってきてしまったので予算があればそちらを選択したくなるというもの。せっかくの安価で高性能なCPUなんですが...もったいない話です。

 i3と共に侮ってはいけないCPUなんですが...こちらはブランディングとかいう前にマーケティングで失敗している気がします(^^; まぁAMDファンはご承知のように「いつものAMDじゃないか」と言ってしまえばそれまでなんですが。

 セレロンと対抗する価格帯にあるAthlonⅡX2もなかなかに強力なCPUです。

 

 そもそも名前こそ以前のままのAthlonを名乗ってますがぶっちゃけPhenom系のコアに変わってるわけで(笑)性能が悪くないのも道理です(私は以前のコアの方が好みですが...K10コアの性能は十分に安定して早いものになってますからこれはもう趣味の話ですね)。

 本来なら「その性能は本当に必要か」というシリーズの記事の中で書こうと思っていたのですが今年に入ってからやたらと冒頭の「i3って...」というのを聞かされたため抜粋して記事にまとめました。なので番外編。

 SandyBridge時代が本格的に到来したところで各CPUの性能をもう一度把握しなおしてから...またこの辺りの低価格CPUの話に触れようかと思っています。

 発熱を気にする人からするとAthlonやセレロンはかなり魅力的なCPUだったりします(^^)

 なお、今回ご紹介した低価格CPUはどれもWindows7で普通に使用していてまったく問題がないCPU達でした。GPUに関しては...後付けで安価なRadeon4350や5450辺りを搭載すればさらに快適に。まぁi3はそのままでも別に...使い方次第ですが。ぶんまわす使い方をする方はそもそも低価格CPUを購入すべきではないと思うので...

 たまにしか使わない。あるいはつけっぱなしにしたいから発熱の少ないものがいい...そんな人にも低価格CPUはお勧めしたい。侮れない性能がそこにはあるのですから...