2012年4月10日...VISTAがそっとその役目を終える日

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 来年の春。ひとつのOSが終焉を迎えます。
 その名はWindows VISTA
 おそらく功名より悪名の方が多く...そして人々の記憶に残ったWindowsのバージョンのひとつとなったことでしょう。
 今回はそのVISTAと一足お先に別れを告げて...OSの延命のためにXPへと戻した話。そしてそもそもVISTAとはどうやって生まれたものだったのか。そんな話になります。

(2012/03/21 追記 VISTAのサポートが延長されています。この記事のタイトルは過去のものとなりました! 記事の最後に新しいサポート期間を書いておきました)

 マイクロソフトのすべての商品には「サポートライフサイクル」が設定されています。
 これは何かとわかりやすくいうと「いついつまではサポートしますよ」という約束の期日が定められていて、これを過ぎると「すいませんあっし(マイクロソフト)の力不足で...新しいOSを買ってくださいまし」ということになります。
 まぁ実際には「もういい加減古いOSのサポートは嫌でございます。絶対に嫌でございます。この期日までしかやりたくないのでございます」という感じなんですけれど(笑)

 これがまた顧客の要望や市場の動向によって結構延長されるものなので、いったん定められたからといってその期日が「絶対」とも言い切れないんですが...通常は次の世代のWindowsが販売されているという条件で、古い方のOSは大幅なサポート期間の延長を受けることなく終焉を迎えることになります。

 Windowsのサポートライフサイクルは家庭用とビジネス用では期間の違いがあります。家庭用の場合はメインサポートフェイズといってOSの発売から5年程度がサポート期間となります。
 ビジネス用のエディションの場合は「延長サポートフェイズ」というものが設定されており更に長い期間のサポートを受けることが出来るわけです。
 マイクロソフトの場合特別な条件(サービスパックが公開されるなどして延長されたり、あるいはXPのように市場の動向をにらんで特別措置として延長したりとか)がない限り先に書いたように発売から5年がメインサポートの終了年となります。
 VISTAの発売日は2007年の1月30日ですから、2012年はちょうど5年。ルール通りの設定なわけです。(むしろ3か月ほど長いように見えるぐらい(笑))
 これがVISTA Businessであれば延長サポートが設定されていますので2017年の4月11日までサポートが受けられますがVISTA Businessは一般受けがあまりしなかったエデションですので使ってる人も少ないでしょう。(企業であればEnterpriseを使用していますか。ゲーム用の機能が足りなかったり本当にビジネス向けすぎるんですよね~)

 むしろ人気があったのはOEM版のUltimateですが(いわゆる全機能搭載の全部入りみたいなエディション)、これは「家庭用」と位置付けられているためサポート期間はHome Basicなどに準じます。なのでやはり来年の春に終焉となります。

 当初はUltimateも延長サポートが受けられるというふれこみだったのですが...いつの間にかその話は聞かなくなりまして。非常に残念なことになってしまいました。高かったのに...

 ではなぜXPにダウングレードすることでサポートの延命が図れるかというと...これはVISTA発売までのながーーーーい期間とマイクロソフトの挫折の歴史が関係してきます。VISTAの成り立ちにも関わる部分の話です。

 少し横道にそれますが、このWindows VISTAというOS。相当に野心的なOSとしてスタートしています。WindowsXPでついに16bitとの縁を切り家庭用エディションですらも32bitOSとして完成させることができた(XPHome)マイクロソフトとしては「その次」に相当入れ込んでしまったのです。

--------------ここから横道

 夢のような機能が語られ...その中のいくつかは実際に見ることも触ることもできる機能として開発者に提示されました。実際この時点で64bitOSへの移行も視野に収めていたものと見えます。(発売されたVISTAの64bit版のカーネルの出来を見ればわかろうというものです)。

 が。

 入れ込み過ぎたのかやり過ぎたのか。VISTAの開発は暗礁に乗り上げます。
 そもそものコードネームは「Longhorn」。XPが2002年発売のOS(発表は2001年)ですが、それまでのマイクロソフトは「だいたい2年から3年で新しいバージョンのWindowsを発表して発売する」というサイクルを守っていました。
 Windows95の次はWindows98(実際にはその間にWindows95OSR2という1996年冬から1997年に市販されたパソコンに搭載されていました。これはWindows98の技術を前倒しして95に搭載したものと思えばいいかと。Windows95からだいたい2年後ですね。OSR2.5とかまぁいろいろありました)。
 その次に来るのがその安定度と完成度からいまだにファンの多いWindows2000と...一部の萌え系の人にはいまだ人気のWindowsMe。どちらも2000(Meはミレニアムエディションから来ている)という年号から来た名前です。
 余談ですが本当はWindowsXPの前にこの2000でマイクロソフトは家庭用OSも一気に32bitのものにしてしまいたかったようです。このWindows2000というOS、雑誌にベータ版等を付録でつけるなどして一般普及を促しまくりました。そして開発者たちに実際に触ってもらいながら魅力をアピールしたのです。
 残念ながら2000年の時点では依然として16bitアプリが現存して幅を利かせていたためマイクロソフトは急遽次期OS用のアイディアをデコレーションのようにWindows98SEに搭載して(Windows98のバリエーションのひとつで先に説明したOSR2と似たようなものですがこちらは市販されました。1999年、まさにWindows2000の前の16bitWindowsの最後の形として力を入れて開発されたものです。DVDのサポートや本格的なUSBのサポートはこのセカンドエディションからだったのは覚えておいても面白いパソコンの歴史のひとつかもしれません)WindowsMeを発表します。中身は16bitOSなのに外見は未来のOSの先取り。見た目はいいが安定しない。OSが自分自身でメモリを消費しまくっていたのですから仕方ないんですが...不遇なOSでした。
 このWindows2000。ともかく「安定」させることを主眼に置いたためゲーム用の機能などはWindows95・98などの16bit系Windowsには及びませんでした。そこでMeで取り入れた外観をさらにブラッシュアップして2000に搭載し...多少の安定を犠牲にしてでも最新機能を取り入れたOSとして完成したのが今日でも大人気のWindowsXPになります。
 もともと安定度抜群だった2000の後継でもありますし、何より最新ハードウェアにも対応しまくり。家庭用も32bit版となったため今までにない安定度が一般家庭に普及したわけです。そりゃあ評判もいい。何より価格もそれなりに控えめ(パッケージは相変わらず高かったですが)だったのも功を奏しました。
 ここまでの流れを見ればわかりますがマイクロソフトは定期的に魅力的なWindowsを発表してPCの買い替えを促進し続け...市場を刺激し続けました。
 新しいWindowsが発表される=新しいPCへの買い替え次期かな?という漠然としたイメージを植え付けることにも成功していたぐらいですから。
 本来は2003年ごろにXPのマイナーアップデートとしてLonghornが発売されたのちに2004年か2005年にはその後継のBlackcombが発売されるという筋書きでした。
 Blackcombが結構野心的なOSであったためにXPからそこに至るまでの過度期のOSとしてLonghornが用意されたわけです。いわば中継ぎ(^^;
 ところがマイクロソフトにとって最大の誤算であり市場にとっても非常につらい時期となる2002年から2003年にかけての「ウイルス大暴れ」の季節が到来します。OSのセキュリティ対策を求める声が非常に強くなり...マイクロソフトはその声にこたえなければならなくなります。
 Longhornの開発は一時ストップし...総力をあげてXPの改良に取り組むことになります。こうして完成したのがWindowsXP SP2。サービスパック2とは名乗っていますが、イメージ的にはXPを生まれ変わらせるほどの改良が加えられています。実際にSP1のXPとSP2のXPを同じPC上で動作させてみればわかりますが、SP2の方が格段に「重い(遅い)」OSになっています。それだけ徹底的な改良が加えられて安全性が高められたわけです。
 市場からは「重くなった」とか「いろいろと面倒になった」と言われましたが一定の効果はあったわけで、それはそれでいい話なんですが...
 割を食ったのはLonghornです。2004まで発売されないと明言され...仕切り直しになったときには本来Blackcombが開発・完成していなければならない時期。先に出たXP発売からすでに2年が経過している訳で...
 マーケティング的にも「中継ぎ」は許されない。Longhornに求められた性能・機能は大変すさまじいものに変貌していました。これがVISTA最大の不幸といえるでしょう。

 ユーザーインターフェイスも未来派思考。カーネルも素晴らしく。FAT・NTFSと来て次は検索機能すら盛り込んだものを。その検索機能もまた先進的なものを。インターネットももっと快適に。
 そう...「もっともっと。もっともっともっと。もっともっとすごいものを」の大合唱でOSを開発していたわけです。ここで最大の不幸はそれぞれの機能を「ばらばらに」開発していたこと。個々のチームは個々の機能にのみ注力し...OS全体としての完成度はどうなっているのかマイクロソフト自体が把握しきっていたのか...当時のことですからわからないんですが、私は把握出来ていなかったんじゃないかと思っています。
 そんな開発をしていればいつかは破綻します。
 ましてこの時マイクロソフトは「顧客のために便利なものを。何が望まれているか」を考えずただ先進的なものを。目先で目立つものを。そんな開発方針だったようです。それではまとまらないし出来上がったとしても市場が受け入れない。
 この時点でWindows開発の総責任者だったのはジム・オールチン。XPの開発にも成功している訳ですから相当に優秀な方です。ところが会社が求めた機能・性能はあまりに無謀。どんなにソースコードを書き直させてもどんなに会社の要望に応えようとしてもジムの手にVISTAは余るものになっていたようです。

(これはAppleがMac OS Xを発表する前に作っていた「Copland」と同じような道をたどっているのが興味深いところです)

 

 そこでマイクロソフトが投入したのが「切り札」ともいえる人。スティーブン・シノフスキー氏。Office開発のベテランで上層部の期待に応える男。そして現実を見据える目は誰よりも強い男。(以下両氏に対しては敬称略)
 それまでの成功を見ればわかる通りジム・オールチンの能力は非常に高いと私は思っています。いまでも尊敬する技術者・リーダーの一人なんですから。ただあまりに高い要求が彼の能力を殺してしまった...そう思っています。
 シノフスキーが投入された時には「すごい技術の新Windows」でも「もっとすごいWindows」でもなく「ちゃんと発売されて売れてくれるWindows」を完成させることが会社からの要望になっていたと思われます。
 ここからは私の想像が混じるのですが...彼は着任からしばらくの間VISTAに搭載予定の技術の選り分けと進行状況をチェックしていたようです。そしてその中から「使える」ものをピックアップ。さらに「他の機能との干渉」も含めた連携出来るのか、搭載できるのかを現実的に把握していたと思われます。
 すでに完成しているものはともかく開発途中の機能で「これはすぐには無理だな」と思われるものは開発を中止させて人的リソースを確保。極めて短時間で新しいWindowsを形作っていきます。
 シノフスキーが着任したのは2006年3月24日。実際にはその前の時点で仕事に着手していたんじゃないでしょうか。
 前任のジムが2004年に「一回このOSはチャラだ」とばかりに大幅な改良をVISTAに施しました。それまでのカーネルを捨てて「WindowsServer2003」をベースにVISTAを開発することにします。ここがターニングポイント。
 そして2005年にはなんとかベータ版にこぎつけていたのです。
 そして2006年。シノフスキーが着任した時に「これは発売を急ぐには無理だな」と思われる機能の削除...あるいは代替え機能の実装がスタートしています。この手法はジムのやり方っぽくないので、たぶんシノフスキーの指示だと思えるのです。実際は違うかもしれませんが私にはそう思えました。
 だから実際の着任より早くWindowsVISTAの仕事に関わっていたのではないかと私は思っています。そしてその「次」のWindowsに視線をすでに向けていたと。
 そうして「急いで発売しても大丈夫」なレベルに達したVISTAは2006年11月に完成を迎えました。その時点ですでにVISTAチームは次のOSに向けて動いています。そう、Windows7と今言われているWindowsの開発です。
 紆余曲折を経て...着地点はだいぶ違っていたものの。
 当初の予定どおり「今までのWindowsよりも先進的で」「改良されたインターフェイスを持ち」「安定した64bitカーネルを持った」(この時点では32bit版が主流なのは変わらなかったですが)「インターネットを快適に活用出来る」Windowsとして完成しました。
 悪評が多かったのは「重い」というのと「UAC」と呼ばれる機能の面倒くささが2つ。そしてソフトの互換性の合計3つの部分で悪評が立ったかと思います。
 まず「重い」部分ですが、その後のサービスパックの適用とハードウェアの進歩でいまどきのPCであればそう重くない状態で動作させることができます。もともと新しいWindowsは発売されるたびに「重い...前の方がよかった」と呼ばれるのが常なのも覚えておきたいところ。なんでいまだに2000が人気あるかとか。まぁいろいろ。
 UACに関しては...うん。うざったい(笑) まぁもともとXPが管理者権限をもったユーザーがローカルでログインして使うというある意味で危険極まりない作りであったため(そもそもHomeエディションなどでは管理者権限を意識させない作りになっていた)それを解消しようとしたのでしょうが...ちょっとやりすぎでした。
 ソフトの互換性に関してはある意味仕方ない部分も。Windows2000からXPへの移行がスムーズ過ぎただけで、98やMeから2000の時にはもっといろいろと動かないソフトがありまくりだったのですから。
 逆にVISTAから7へはスムーズだったのは2000からXPへの移行と同じことかな...と。

--------------ここまで横道

 長い横道を終えて話をもとに戻します(笑)

 横道で話した通りVISTAは苦難に満ちた難産のOSであり、シノフスキーは「積み残したもの」を次期Windows...そうWindows7に搭載するつもりでいました。
 マイクロソフトとしては「XPが異例だったのだ。再びOSを以前のサイクルで出すようにしよう」と思うのは自然なこと。
 なのでVISTAは通常の寿命を迎える運びとなります。なんだか短かった気がするのはXPの寿命が長すぎたため。

 そう、ここで例外中の例外。WindowsXPの存在が今回の話の主眼の部分。
 あまりに長く使われていたXPですがVISTAが出ようが7が出ようがユーザーは梃子でも動かない。ともかくXPで十分。特に不自由はないと言い続けて新しいOSに移行してくれません。

 2000譲りの頑強さ。SP2から搭載されたセキュリティ強化。そして皮肉ですが...VISTA開発の遅れによるユーザー意識の変化(新しいOSの魅力より保守的に今の環境を維持したいという思い)など様々な理由があります。一概には言えません。企業からしたら新しいOSに移行するコストが高すぎる(いかんせんVISTAは上記のような経緯で出来てますのでそれなりに先進的で重いOSですからハードごと入れ替えるしかない。そのうえ互換性にも難があるといわれては企業もそうそう動けない)。

 そしてマイクロソフト自身がXPを延命させてしまう行為をせざるを得なかった現実...それはネットブックの台頭とそOSにXPを許可せざるを得なかった苦渋の判断。
 ネットブックは2007年ごろから流行となったPCで、安価で非力ながらも軽くてバッテリーが長持ちする。「インターネットを楽しむならこれで十分」というのが最大の特徴でした。そもそもはINTELが発売したAtomというCPUがその発端なのかもしれませんが...今回は割愛。
 このネットブックのハードウェアは安価にするためにそれなりに非力で...WindowsVISTAを搭載したところ「うわ、これだめだわ」と言われる始末。そうすると選択肢は他社OSすら視野に入ってしまいます。
 それはマイクロソフトとしてはうまくない話です。そこで目を付けたのがXP。すでに減価償却が終わっているような旧OSであり、VISTAに比べれは軽い。いずれはWindows7がこの位置を占めてくれる(当時からスターターエディションはVISTAにもあったためより軽いOSとなる7なら耐えられると踏んでいた)。ならそれまでのつなぎに...とXPのHomeを安価に提供することを決めてしまいます。
 まぁコストがそれほどかからずに儲けはかなりのものですから当然マイクロソフトとしてはうれしい話なんでしょうが...困ったことにWindows7が発売されるまでXPは「現役OS」として新製品に搭載され続けました。
 これがProfessionalでも搭載していればサポートライフサイクルは2014年まであったので「まぁ数年の命だけど安いからいいよね!」と逃げられたかもしれません。がコスト重視だったのか搭載したのはHome。新品の商品を買って1年とか2年で使えなくなったのではユーザーがたまりません。
 結局既存のHomeなどのエディションも延長サポートフェイズのサポートが受けられることになってしまいました。

 ここが重要で。

 XPのHomeやProfessionalは2014年4月8日までサポートが受けられます。VISTAは先にも書きましたが来年には終焉です。ところが来年には新しいWindows8(仮称)も出ると言われているわけで、VISTAから7に切り替えるにはややタイミングが悪い。ハード的に耐えられるならWindows8までバージョンアップを待ちたい...

 もしも手持ちに正規のWindowsXPのパッケージがあるのなら。もしもライセンス的に問題ないのなら。
 今回はその条件に適合しましたのでVISTAマシンを一足早く引退させてXPをインストールすることで2014年までサポートが受けられるようにすることにしました。スペック的にはWindows7でも耐えられるPC(そもそもVISTAがプリインストールされていたようなPCならよほどのことがない限り7や8の方が快適に使えたりする不思議がありますので。VISTAはやはりやや重めな部分がありますからね...)なのでXPならなお余裕。

 ターゲットPCは以前記事に出てきたDynabookになります。

 まずVISTAがインストールされている状態でデバイスマネージャーを開いて、現在使用されているハードでわかる限りの型番等を調べておきます。LANのチップやらなんやら。そしてドライバー類をあらかじめダウンロードしておいてUSBメモリなどにまとめておけばインストール時にとても便利です。

 出来ればVISTAが入っていたのとは違うHDDやSSDを用意した方がいろいろと楽です。今回は手持ちのあまりHDDを流用することに。HDDのイメージバックアップを取りましてVISTAが入っていた領域を削除します。

 この時注意したいのが、フォーマットした段階で一度リブートしてインストール作業をした方がいいこと。XPのインストール中に領域確保をするとリカバリー領域などをCドライブに割り振ってしまったりしてXP自体がわけがわからないドライブにインストールされてしまうことがあるんですね。
 私は見事にやらかして(笑)最初のインストールではFドライブにWindowsがインストールされてしまいました。あわててCDから起動しなおして同じ領域をクイックフォーマットしてちゃんとインストールしたところCドライブにきちんとインストール出来ました。

 本当ならインストール時にF6キーを押してフロッピーにいれたAHCIドライバーをインストールしたかったのですが...なぜかうまくいかずブルーバックを頻発するためいったんはIDE互換モードでインストールしてあとから強制的にAHCIに対応させることとしました。まぁ自分で使うPCですし多少は強引なのもいいでしょう。

 まずLANを認識させた後Windowsupdateを適用出来るだけ適用させてしまいます。手持ちのXPがSP1のものだったためドライバーをいれるにも.NETのライブラリ等更新しないといけない事情もありまして今回はこの手順。
 SP3まで適用して一通りのupdateが終わったらINTELのドライバーから順次適用。おサイフケータイ対応のノートなのでSONYからXP用のドライバーを、ジャストシステムのサイトからアプリのXP版をダウンして適用しました。もってる機能はすべてXPでも使用できるようにするのは今回の主眼のひとつ。幸いあっさりとうまくいきました。

 無線LANを最後にセットアップしてLANケーブルを抜いてテスト。無事にネットにつながっているのを確認して終了。必要なアプリを導入しなおします。幸いVISTA/XP対応で7対応版へのバージョンアップ料金をケチったため放置されていたソースネクストの商品がごろごろしていたためそれを活用(笑)
 結構ゴージャスなアプリ搭載しまくりのXPノートとして再生しました。

 誤算だったのは音質。実はWindowsはVISTAから音質にも手が入ってまして...ドライバーレベルからして結構出来が違います。XPでは「鳴るけどちょっとこもった感じ」でありVISTA以降だと「クリアで響く感じ」になります。ボリューム自体XPの方がやや小さめ。これはわかっていたことだけれどちょっと残念。対応ハードではVISTA以降の方がいろいろといいことがあるものなのです。

 まぁそういった部分を抜かせば実用上は問題ない...むしろきびきびしたノートPCが再生しました。ライセンス的にはこれで2014年まで問題なく使えます。OEM版ではないWindowsのパッケージはこういう時ライセンス的に便利です(高いですが)。

 後から出たVISTAの方がXPより速く終焉を迎える。それこそがVISTAというOSの最大の不幸であり誤算だったんじゃないかとしみじみと思います。さまざまな事情から延命されまくってしまったXPとの対照的な終わり方。

 決して出来の悪いOSではなかったんですが...先に書いた経緯でいろいろあったためトータルのバランスはいまひとつ。その後シノフスキー総指揮のもと「みんなが欲しいWindowsってこうだよね」とVISTAをブラッシュアップしたのが7ですから...Office2007から搭載されたリボンインターフェイスがOSにも浸食しまくっているのはこの辺りの事情もあるかと(笑) まぁ逆に7とOffice2010辺りの親和性の良さとかいい意味での進歩もあったんですけれども。


 今後注意が必要なのは中古PCやメーカーによるリフレッシュPCでVISTAが導入されているPCを購入する場合です。このままだと今年...今買ったとして1年しか正規に運用出来ないことになってしまうのですから。
 リフレッシュPCなどは販売当時のOSをいれて出荷するのがお約束なのでこのあたりをマイクロソフトがどう改定するのかしないのか。少し注目していたりします。

 

 来年。マイクロソフトが送り出したWindowsの中で最も数奇な運命に翻弄されたOSが終焉を迎えます。もちろん突然「やっぱりかわいそうだからXPと同じぐらいの期間使えるようにするね!」とマイクロソフトが言い出す可能性もまだあったりしますが...これだけ7が評判よくて普及し始めてしまうと「そのハードウェアだったらぜひ7にしましょう!」と言うだけなんじゃないかと。儲かるわけですし(笑)
 もしもVISTAのままPCを使っている人がまだいましたら...あと何か月かの間に7へのアップデートを検討した方がいいでしょう。サポートが受けられなくなったあたりから凶悪なウイルスだとか出回り始めちゃうと危険ですし。
 私のようにへそ曲がりで無駄にOSのライセンスが余っている人ならばXpへのダウングレードで延命するという本末転倒な...マイクロソフト自身がまねいてしまった奇妙なねじれ現象を活用するのもひとつの手かもしれません。

 WindowsVISTAの終焉は来年の4月。せめてそれまでの間可愛がってあげるのも...あるいはひとつの付き合い方かも。ハードウェアが早ければ十分に魅力あるOSにまとめ上げていると思うので...

 私が現在のマイクロソフトの主要人物の中で尊敬しまくっている人の一人シノフスキー。次のWindowsは。Liveソリューションは。Officeとの連携は...この人の素敵な笑顔の裏に未来へのヒントが詰まっているんでしょう。来年以降が楽しみでなりません。

※ちなみにIT業界で私が今現在もっとも尊敬しているのは「ティム・クック」氏だったりします。現AppleCOOでスティーブ・ジョブズが病気でいない時やジョブズが嫌がる仕事をすべて引き受けてAppleを支える人です。この人についてはまた別の記事でご紹介します。




※VISTAのサポート期間が延長されています。

 HomeBasic等もすべてBusinessと同様に2017/4/11までサポートが延長されました。5年も延長されたのは大きい!
 実際には延長サポート期間なんですが、それでも最後の日までしっかりとupdate等がされることになります。

 同様にWindows7のHomeBasic等も2020/1/14まで延長サポートが受けられることに。これもまたうれしい。終了間近に突然変更されたわけですが理由はどうあれ素直に喜びたいところです。