格安サーバーはどこまでも悪魔じみて...NEC Express5800/GT110b導入(1)

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 先月セカンドPCが破損し動作不能となってしまいました。
 ゲーム用PCだったのでしばらくは仕方ないかな...と思っていたところに、タイムリーな特売発生。

 なにかと話題なNECの格安サーバーなど購入してみました。
外観.jpg

 本当は通称鼻毛鯖こと「Express5800/S70 タイプRB」が欲しかったのですがどうも特売が待ちきれず。セカンドPCが壊れた直後に勢いで注文してしまいました。

 送料込9800円ならいいか...ということで。

 今回はNEC Express5800/GT110bの購入とパーツ追加。実際の使用感の話になります。
 (まさか購入数日後にExpress5800/S70 タイプRBが12800円で出てくるとは思わず...これもkonozamaか...でもタイミング的にこのタイミングで注文していたことが奇跡を起こします)

※後日写真等追加しますので今回は速報ということで。

 安価なサーバーは昨今結構なブームでして(とはいえ一部のマニアの間に留まりますが出荷数はものすごいことになってます)、実際のところ使い方さえ間違えなければそのコストパフォーマンスはその辺りのショップブランドのPCを蹴散らすほどです。

 なんで安いの?というのは諸説あるんですが、結果的にものすごく安い値段でメーカーの保証がたっぷりついた(たとえば3年のパーツ保証。通常の民生PCでは1年が標準。その間修理パーツが保証されているだけでも安心感がまるで違います)PCサーバーが手に入るのは大きな魅力です。

 反面。

 スペックが固定(安いサーバーはBTO出来ない場合が多い。出来たとしても高価になってしまう。そもそも決め打ちのスペックのものを大量にさばくからこその低価格ですから。BTOすれば特売ではなく普通の価格になってしまいます)されてしまう。

 そのスペックも最低限の武装しかしていない(安価なCPUに最低限のメモリ。低容量のHDD。音源なんてサーバーですからついてないのがほとんど)。

 マザーボードが特殊(PCのマザーのOEM系が多いですがAHCIがOFFに出来なかったり設定項目が少なかったりして結構特殊なものが多いです。その分サーバー向けの設定が出来たりするもんなんですが今回の私の買ったものはそう特殊な設定はなかったです)
 メモリがECCしか使えないものもある(使うCPUとの組み合わせで変わるのですが、今回のCeleron G1101はまさにこのタイプ。以前はとても困ったものですが...後述しますが今はECCメモリもだいぶ安価に買えます)


 ...などと制約が結構あったりします。

 そんな中で人気があるのが通称『鼻毛鯖』と呼ばれるNECの格安サーバー。
 Express5800/S70 タイプRB」。

 まずCPUがお手頃のPentiumG9650であり性能もそこそこ(売られるタイミングによってCPUは変更されることもある)。G9650の性能は結構なもので、内臓GPUはSandyな最新には勝てないかもしれませんが普通に使う分には十分です。

 そもそもGPUも追加出来るマザーボード(PCIe×16搭載のマザーボード)なので追加は自由。搭載するGPUには制限は少なく人気のせいもあって動作検証されたGPUはたくさんあります。
 メモリは市販の安いものが結構動く(ECC対応でなくてもOK)と非常に使い勝手のよい...というかごく普通のPCのようなサーバーだったりします。

 なんで鼻毛鯖? という人もいますが、全てはNTT-Xというオンラインショップがいけない。(断言)
 なぜかこのサーバーとセット(抱き合わせともいう)で鼻毛カッターをつけて安く売ってたものですから通称が「鼻毛鯖」に。
 人気商品ゆえの喜劇というかなんというか。

 私が見る限り最も人気があるモデルです。
 昨年私が「ぐぬぬ」と見送ったタイミングではメモリは1G程度は積んでますしHDDは160G~250Gを搭載(私が見たときは250Gだった)。
 これで10000~16800円の間で買えるわけですからある程度詳しい人間なら1台抑えたくなるのも仕方ないかな...と。昨年ぐあああああとか騒いでいた時は12800の送料込だったかな。

 実際のところOSがついてこないわけでそれなりに知識(できればlinux系)がある人間かWindowsで使用するなら正規のOSのアカウントが余ってる人間でもないと使い勝手はあまりよくないのも事実。

 まぁそんな鼻毛鯖ですが私が買おうと思った時には残念ながら特売にはなっておらず。代わりに兄弟機が格安で売られていました。それが今回の主役機「NEC Express5800/GT110b」になります。(イワンめ...また新型を作りおったか! と登場時に思わずつぶやいたサーバーなんですよね。わかる人にしかわからないネタですが)
フロント.jpg
(この色合い。この匂い。まさに9801世代を思い起こさせます)

 実際のところPCとしての魅力は鼻毛鯖勝てない。けれどサーバーとして純粋に見たらそう悪くない。そんなサーバーです。しかもコンパクトで使い勝手のいいサーバーには違いない。何より安さが魅力すぎます。

 実際使ってるパーツもいい感じのものばかりですし。

 まずこのサーバーのスペックですが、値段の割に非常に優秀です。
 CPU:Celeron G1101
 MEM:1G(ECC)
 HDD:160G
 DVD:DVD-ROM/CD-R/RW

 となかなかに優秀な構成。
 電源も80PLUSのブロンズ対応の400W。まず不足はないところ。というか相当優秀な電源です。ちょいと工夫すれば市販のATX電源と交換出来なくもないですがそのまま使うのがいいでしょう。(サーバー用のちょっと大きめの電源が搭載されているので普通の電源を搭載しようとすると固定でちょっと困る場合が)

 GPUはG1101のものではなくマザーに搭載されたXGI Technology Volari Z9s/64MBという代物です。サーバーではGPUの性能など重視されませんから(むしろ古いOS等でなにもせずに動いてくれる方がうれしい)こんなものが搭載されています。映ればいいんです。映れば。という感じ。


 PCばかり触ってると違和感があるかもしれませんが...サーバーの世界では古いOSでさっくり認識してくれるパーツの安心感といったらそりゃあもう大変なものです。ATi Rageなんてものが現役の世界ですから。
 性能より対応ドライバーがあるかどうか。OSが初期対応してくれるかどうか。その魅力の前ではGPU性能なんて...半分どうでもいい。映ればいいんですよという世界ですし。

 この点をExpress5800/S70 タイプRBよりも「よりサーバー仕様だな」と思ってしまうあたりすでに私もどこかおかしいのかもしれません。CUIベースでサーバーを立てる人などはむしろこちらの方がしっくりくるんじゃないでしょうか。

 メモリは残念ながらecc unbufferedでないとダメです。
 これはG1101のせいなのでたとえばi7-860などに乗せ換えればマザーはそのままでnonECCメモリが使用出来ます(私はまだ試してませんが実際にやってる人が多数です)。

 DVDは...別にこのサーバーでメディアを焼くつもりはないのですが読めるのは重要です。素直にありがたい。

 最後にCPUのCeleron G1101。非常にクセの強いCPUです。
 コアとしてはClarkdaleコアですので一世代前のiシリーズと同じですか。LGA1156なのでそれも当然といえば当然。デュアルコアの2.26GHzということで一番非力と言われるはずのCPUのくせに地味に力持ち。

 思ったより低くない。結構やれる。けれど踏ん張れない。そんな感じの子ですか。力が必要な処理には向いてないですが、ファイルサーバーを含めてちょっとしたサーバーとして使う分には性能はかなりのものです。

 ある意味初期のCore2Duo並といっていいかもしれません。まぁ世代差というところですか。
 本来はGPU内臓のCPUなんですが、今回購入のサーバーではその部分はオミット。対応マザーで使えば内臓GPUが生きてきます(今回のVolari Z9sに比べたら性能はかなり上なんですけどね)。
 癖があるのはこの内臓GPUが使われてない部分もそうですが、CPUがサーバー専用みたいなもんで先にも書きましたがECCメモリしか受け付けてくれません。

 マザー自体はnon ECCメモリにも対応してるようで、CPUを乗せ換えれば普通のnon ECCメモリが使えますが今回はそうしませんでした。ECCメモリの方が信頼性考えると上ですし...後述しますが価格的にそれほどの価格差がなかったもので。


 購入した状態ではだいたいこんな構成。
 音源カードもついておらずそのままPC替わりに使うとするとちょっと不便な感じ。
 特にメモリ1Gはちょっといまどき少なめかな。CentOSをCUIで使うとかだとこのままでまったく困らないんですが今回はそんな用途ではないので...うーむ。


 まずはこのスペックのままでWindowsXPを導入出来ないかテストしてみました。結果は...青い衝撃...もといブルーバック発生。Sp3を当てたメディアを使おうがなにしようがブルーバック。AHCIがらみの部分かとも思いましたがドライバーをいれてもだめなので素直に諦め。
 このサーバーにXPが導入出来るのは確認していますので(ネットでも動作実績はかなりあります)、まぁ私の日頃の行いが悪かったのでしょう。XPは諦めることに。


 届いた当日はいったん動作検証だけして(ubuntuのHOTディスクを動かしたりして)おしまい。翌日にパーツを増強することをたくらみました。
 秋葉原に行ってGPUを物色。PC FreeTでRadeonの5450を2480円でゲット。これはお得でお安い(消費電力等重視すると結構使い勝手のいいGPU。4350と並んで安いPCのお供)。
 ましてメモリ1Gでファンレスモデルとあってはちょっとうれしい。
 持ち帰って鼻歌まじりに取り付けて起動すると...動かない。エラーのBeep音が鳴り響く。

 ...汗がたらりと出てきました。まさかやっちまったかkonozamaか(通販ではありません)。

 よくよく調べてみるとRadeonの5XXXシリーズはこのG1101の内臓GPUと「とても」仲が悪く。ぶっちゃけガチで仲が悪い。これはうかつでした。調べておけばあえて5XXXを選択せず実績ある4350か6450を選択していたというのに。

 まぁ、使い道は他にもあるだろうということでいったんはここで終了。また翌日を待つことに。OSも手持ちのOSを調べてみると...余っているのはVISTAのみというちょっと悲しい状態(XPはたくさんあるのですが...)。

 購入から2日目。いい加減このタイミングで動かさないとなーと思い秋葉原に。まずはGPUをチェックです。私個人の趣味が全開のRadeonがよかったのですが、ここはGeforce210をチョイス。なんといっても安かった(笑)

 なんでこの辺りのGPUを物色しているかというと、このサーバーはTVをモニタにしようと思っていたためで。HDMIで接続する前提であればGeforce210は結構悪くないかなと。



 そもそも普通のPCで使うなんて誰も言ってないですよ?


 一風変わったサーバーにするつもりで買ったのです。...最初は(えっ)

 気を取り直してGPUの話。Radeon4350以降もそうですがGPU内に音源を搭載しているためHDMIで出力するとサウンドカードなんてなくても音が鳴ってくれるんですよね。

 だから最初に5450に手を出したんですが、残念な結果に。かといって別にこれで3Dの凄い表示とか期待するものでもないわけで。ぶっちゃけVISTAや7がさくさく動作して音がなるGPUならなんでもいいかな~と。

 これもまたFreeTで1980円で購入。奇しくも両方ともにMSI。なんてこった。
 しかもこのGPUでファンレスじゃない。がっでむ。でも1980円ならよし。
 とはいえ持ち帰って取り付けたらあっさり動作してしまったのでこれはこれでよしとします。

 このgeforce210。
 おそらくはnvidiaの現在のGPUの中で私が一番評価しているGPUです。
 性能ははっきり言って低いんですが、まず安い。
 なによりnvidiaがようやく折れて(わかる人にはわかるネタですが)HDMI用音源を搭載したGPUだということ

 別に3Dで表示をぐりぐりしたい訳ではなくVISTAや7のエアロが快適に動いてなおかつ音が鳴ればいいな...という用途にはいいのです。ある意味Radeonより使い勝手がいい部分もあるかもしれない(ないかもしれない)。

 このちょっと上のクラスになると型番だけでは性能がさっぱりわからない世界になるのでnvdiaのGPUの世界は奥が深い。そんな理由で評価されるこのGPUもなんですが、実際のところ使い勝手は非常にいいです。

 予備にもっておいてもいいぐらい(性能に期待しているわけではないんですが)。
 残念なことにファンレスではなくなってしまいましたが1980円という値段が全てを洗い流してくれます。


 GPUを買った後はメモリ。
 ECCメモリは一時期高かったのですが...というか実際高いし在庫も少ないんですが...秋葉原には無敵で無駄にメモリ系に強いショップ「PC Arc」があります。ここにいけば安価なメモリがあるはず。

 閑話休題してショップの話など。どちらも秋葉原のお店です。

 最初に訪れたPC FreeTはもともと「T・ZONE PC DIY」が閉店した時に当時のスタッフでも超濃ゆい人達が立ち上げたショップで、小さめの店内ながらラインナップに遜色なし。特売も頻繁にやってるという面白おかしいショップです。

 先日メインPC用に購入したマザーボードもここで買ったのですが...店員さんのこだわりっぷりはものすごく。

「すいません、Asrockなんですが...」
 と聞けばそれこそかなりの詳しさで特徴を教えてくれます。ASUSのマザーもそうでした。そのマザーの特徴やいかにお得かを話してくれました。

「で、店員さんだったらこの予算でどれ買います?」

 こう聞いてみると...

『私だったら今説明したものは全部買いません。これを買います』(きっぱり)

 突然違うマザーを指さしてくれまして。趣味と勧めるものは違うということでしょうかねー。
 面白い店員さんが多いのも特徴です。偏りのある店が好きなら抑えておきたいショップでしょう。個人的な感想をいえば...特価も多いですが、客にも詳しい人がうろうろしてる店のひとつかなと。
 昔は初心者に敷居が高かったのですが...(オープン当初は特に)今はそうでもなく。親切にいろいろ教えてくれる店になっていました。


 そしてメモリ関連で私が頼りっぱなしなのがPC Arc。
 かつてはトライタワーというゲーセンの近くにあったんですが、だいぶ前に今の位置に移転してきました。
 移転前は正直雑多な雰囲気が強く店員同士が喧嘩をおっぱじめてしまったりして雰囲気がよくなかったのですが、いつしかそうした部分がなくなって...今の位置に移転してからは結構な良品質の店になりました。マニアックさは変わりませんが。

 特色は...メモリへの無駄な...もとい無類な強さとこだわり。
 マニアなら知ってるサンマことSANMAXのメモリが欲しければここに行くのが手っ取り早い。PCのメモリに限らずSDメモリやUSBメモリなど様々なメモリを多種ラインナップをそろえていますし店員さんも親切丁寧。そして値段もそれなりにお安いものがある。

 海外ゲーム好きなら店の奥の方が楽しいスペースに思えるかも。
 いろいろと面白い商品の多いお店ですが私の身内では「メモリで困ったらあーく」ということになってます。(保障が欲しければヨドバシにでも行ってろという迷言もありますけれど)

 実際行ってみるとあっさり欲しいメモリが見つかりました。
 SANMAXの2G×2が4680円程度だったので最初はそれにしようかと思ったんですが...店員さんが思案顔。

「片側実装のメモリだし...大丈夫だと思うんですが...うーん」
 とのことで、じゃあ両面実装の4G×2だといくらですか?と聞いたら...
「5980円です」

 ...財布と相談ですがこの価格差ならむしろ安心の4G×2の方がいいかなーと。(実際は2G×2でも動作するみたいですが)
 というか価格差を考えたら余力があるならここは4GX2です。あとあとを考えて。

 結局のところメモリ8G搭載でGeforce210を搭載した「どうみてもサーバーというよりパソコンと化した」本体が完成予定になっていました。

 秋葉原から帰宅後さっそくパーツを組み込みました。
 Radeon5450で鳴っていたエラー音もなくなりHDMIでさっくり動作。検証のためにVISTA(32bit)をまずインストールします。問題なく動作。(ドライバー類は自分で拾ってこなければなりませんが)

 せっかくメモリをがっつり積んだので今度はVISTA(64bit)をクリーンインストール。これもあっさり動作。いったんはこのOSで環境を構築して検証しました。

 ドライバー類をいれるまではよかったんですが...ともかくアップデートが多いのなんの! SP3が出てないのが辛いところです。これはまぁXPもそうですが。マイクロソフトのルール上サービスパック出しちゃうとOSの寿命が延びてしまいますから仕方ないのかもしれませんが...

 我が家ではサーバーがくるとなぜかいったんVISTAで運用する習慣があったりします。これはXPよりも対応ハードの幅が大きいためある程度はOSがインストール時に自動認識してくれること。AHCIに標準に対応していることなどがあります。ハードの検証にちょうどいいんですね。

 でまぁとりあえずはアンチウイルスも含めてマイクロソフトのソフトで固めてしばらく電源をつけっぱなしにします。数日の間ネットやったりファイル転送したりと検証を開始。使ってる限りは非常に優秀なPCだな...と実感。
 3年間のオンサイトサポート保守とパーツ保証ありでこのハードはありがたい。

 いったんこのまま一週間ほど運用していたのですが...いやー...VISTAのままではいろいろと不都合というか不具合が。
 なんといっても。多少重い(^^; 7と比べてですが。
 ともかく32bitも64bitもVISTAは普通に動作させることが出来ました。

 Linuxでもいいんですが、録画サーバーとしても運用したいのでWindowsサーバーが欲しい。(他にもいろいろともくろんではいます)
 とはいえプライベートでWindows server2008R2を買うのはちょーーーっと財布に厳しい。厳しすぎる。というかあまりそれはしない。

 となると。

 やはり。

 あれしかないよね!!

 というわけでワンクリックでこんなものを購入してみました。




 AmazonでもOSRというかOEM版のWindowsは購入出来ます。安価な分本体に必ず同時購入したハードを取り付けなければいけないのであまり変なものは避けたかったんですが...これはかなりありがたい。
 付属はI/Oデータの100MLANカード。これなら邪魔に決してならない。(CPU付属なんてのもありましたが、規約に準じるなら取り付けられるLANボードの方がいいかと)
 いざという時のネットワークの出入り口にもなりますし。
(そもそもOSに付属してきたのがI/OデータのLANカードだというのもネタとしてはおいしい。人によってはPCIのギガイーサだったりと結構まちまちな話を聞くのでAmazonの気分次第なのかも? どの道...蟹さんのチップには違いないのですが)

 ...しかしここまで投資して3万円行ってないとは恐るべし。
 (本体9800円。GPUに1980円。メモリ8Gで5980円。OSに6093円)

 HDDの価格がタイ地震の影響で値上がりしましたが特売で2T9800円程度は見るようになってきています。そうすると35000円程度でかなり強力な家庭内ファイルサーバーが完成するわけで。

 すごい時代になってしまった...

 まぁもともと録画サーバー兼いろいろをさせようというもくろみのサーバーにするつもりだったので鼻毛鯖でなくともいっか...となってたのでした。

  今回のサーバーで残念なところがあるとしたら...そのままではAHCIに対応してないことですか。一応マザーがOEM品ということでOEM元のマザーのBIOSを入れてやることで使えるようにはなるようなんですが...個人的に今回はあまり重視しないということで。IDEモードの方が逆に安定します。10%程度の性能向上であれば安定を取りたい。サーバーなんで。

  AHCIで確かにパフォーマンスアップはしますが、その差は10%~20%の間。それもベンチマークでの差。実運用だと目くじらたてるほどのスピード差ではありません。体感だと差を感じるのは難しいぐらい(大容量のファイルの転送とかかけてると数秒から数十秒の差が出るのは確認していますが。

 1Tのファイルを一気に転送とかするとさすがに差が出ますが1時間違うとかそういうこともなく。確か何分単位の差だったしなーということで。気分的には負けた気がしますが、安定重視はIDEモードと前から思ってるところなので今回はこれで

 これも変な話ですがSATA3のカードとか買ってきて搭載すれば解決します。が、そこで発生する速度の低下(ボードを介してる分やや遅い)とAHCIでの速度アップが拮抗しては意味がない。(以前試した限りでは速度差以外のメリットの方が大きかったですが。あとHDDにもよりますが増設カードを使ってAHCIを使用した場合IDE互換モードよりは若干早くなったのが私のところでの検証結果です)

 まぁマザーのBIOSをOEMモデルに書き換えてやればいいんですが、そうするとNECの保証もなくなりますしねー。弊害がないでもないですし。


 さて。Windows Home Server2011(以下HMS2011か2011)に話が移ります。

 このOSは価格改定されるまでそれほど注目されていませんでした。

 そもそものHomeServerが日本マイクロソフトのやる気のなさが色濃く出た形での登場となってしまったため(国内で出るかどうかもあやふやなまま秋葉原のショップ等で英語版を売ってなし崩し的に日本語版も発売するという...)やや不幸なスタートとなってしまったOS。

 初代の内容はというとXpとか2003serverをデチューンしたファイルサーバー用OSといった感じのものでした。面白い部分もあったんですがいまいち魅力に乏しかった。

 それが2011になるとWindows7の64bit版や2008serverR2と共通の基盤を持ったかなり楽しいOSになっていたんですね。

 そのままでもサーバー用としては安価だったんですが、ある日突然日本マイクロソフトが...


「明日から本気出す」
(といったかはともかく)

 ...とばかりに大幅な価格改定を実施。

 一気に半額近く値下がりしたため市場で手に入るWindowsとしては最安値のOSというわけのわからない状態になってしまったのでした。実際約6000円というのはWindowsとしては破格過ぎます。

 腕に覚えがあるならこれをWindows7の代わりにするぜ! なんて人もいるんですが(実際頼まれて設定しに行ったことがありますし)、セキュリティはクライアントOSに比べてきつめなので知識がないと結構大変な思いをするかも(アンチウイルスなどはサーバー用が必要。フリーだと対応してるのは少ない。市販で安価なものをというならNOD32がおすすめかな)。

 どちらかというとWindowsServer2008R2の廉価版のつもりで使うといいんですけどねー。
 私はサーバーとして使うつもりなので実はものすごくありがたい。

 Linuxの知識もないし...なんて人もこの価格ならちょっと試してみようと買える金額です。まぁターゲット層を考えるとこの価格でも高いのかもしれませんが、価格以上の価値があるOSだと思います。

 初代WHSは...まぁ今から買う人は興味がないでしょうから、今回はこのWHS2011をメインに書きます。いやーいろいろと魅力のあるOSでして。

 ・WindowsSever2008R2が基になっただけあって堅牢である。(ゆえに64bit版しかない)
 ・ドライバーはWindows7(64bit)用か2008R2用が使えるためあまり苦労しない(たまにだめなハードもあるそうですが私はまだ出会っていません)
 ・DLNA2.0に対応しているため動画をたくさんエンコードして保持している人は家庭内の様々なハード(PS3等ゲーム機も含む)で動画をストリーミング再生することが出来る。(対応ハード用のエンコードファイルを無理に用意しなくてもサーバー側で変換しながらデータを出力してくれる)
 ・スマートフォン等でログイン出来るため外出先からサーバーにアクセス出来る(ちゃんと設定していればですけど)
 ・登録したクライアントのバックアップを自動でとってくれる。(たくさんPCがある人にはたまらない)
 ・ファイルサーバーとして使うならものすごく簡単に設定が出来る。(2TぐらいのHDDがあればかなり使い勝手のいいファイルサーバーになる)
 ・クライアントPCがWindowsVISTAや7なら非常に早いスピードでファイル転送が出来る。

 とご家庭内で使う分には無駄に高機能と言っていいOSです。
 多少は制限もありまして。

 ・メモリは8Gまでしか使えない(サーバーだと16Gや32Gはザラにありますがご家庭内のサーバーで8G使えれば十分以上です。今回これが念頭にあったのでメモリを買う時にあっさり8Gにすることを決断出来ました)。
 ・インストール用のHDDは160Gが必須(腕と知識があれば64GのSSDにインストールすることも可能なのであまり制限になってない)
 ・インストールすると強制的にCドライブを60Gで作ってしまう(後で簡単に変更できるのでインストール時のお約束だと思っていただければ。私はインストール直後に160G全てをCドライブにしました)
 ・パーテーションは2Tまで(3TのHDDとかだと2T+1Tになるそうです。試してないのでこれはわかりませんでした)。
 ・WHS2011自身のバックアップはCドライブに出来ない(余ったHDDを追加すれば済む)
 ・ダイナミックディスクにバックアップが取れない(ベーシックディスクで運用すれば済むこと)
 ・ソフト類は基本的にServer用を使用するためアンチウィルスソフトなどに制限がありまくり(Server対応のアンチウイルスはややお高い。でもフリーのものもあるはある)
 ・全機能をちゃんと使おうとするとそれなりにスペックが必要(ストリーミングなども含めてですが。とはいえ最近のCPUならまぁ耐えられるかと。今回の私のサーバーだとぶん回したらちょっときつめ)
 ・ファイルサーバーとして見た場合ギガイーサをフルに利用出来ない。サーバー側からクライアントへのデータ転送はフルパフォーマンスだがクライアントからサーバーへのアップロードは200Mちょいぐらい。これはWHS2011のいくつかの機能のせい。とはいえ一度転送してしまえば...後は転送済みのHDDをつければいいという発想もなきにしもあらず。
 ・ドメインなんてものはない(参加も出来ない)。ワークグループ名も固定。まぁ初心者にはその方が使いやすいかもですね。廉価版ゆえ文句いっても仕方ない。そのまま運用しましょう。


 といったところ。約6000円でこれだけのものが手に入るのですから...マイクロソフトどうしちゃったんでしょうね。ご家庭にサーバーも置こうよ! ということのようですけれど...マニアな人以外はなかなかそういう発想にはならないかと思うのですけれど。

 ただまぁ以前はともかくWHS2011になってから一気に強化されたので、複数のPCを持っている人間ならば安いサーバーと合わせて運用すると世界がぐっと広がる気はします。あとはまぁ...OSが高いからせめて安いもので...という人にもいいとは思うのですが...正直おすすめしなかったり。
 ちゃんと設定しないとサウンドサービスはOFFになってるはIEはセキュリティが高い状態になってるわで知らないとパニックになるかな?と。

 まぁ...裏を返せば制限が制限になってないので安価にWindows7の代わりに使うことは不可能ではないんですけれど。困るのはアンチウイルスぐらいで後は普通に使う分には困らないかなーと。

 サーバーとして使用するにしても。

 一応フリーのアンチウイルスもありますし...そもそもサーバーなんでこの辺りは一考の余地がある。。
 いずれマイクロソフトの無料アンチウイルスが対応すると言われていますので(windows8が出てからでしょうけれど)そうなるとまた面白いかも。

 IEも別に使わないっちゃ使わないので。chromeやfirefoxをいれてしまえばいい。サウンドはサービスをONにするだけです。GPUも認識しますしDirectXも導入出来ます。
 ぶっちゃけ東方とかシューティングやったり肌色過多なゲームやったりする分にはたいていのものが動きます。あくまでたいていのものが...であって人柱のリスクはいつもありますが。(動作検証にやってみたという。サーバーOSで何してるんだか)

 Windows7(64bit)で動くソフトはたいてい動くと思っていいかと。ハード周りは情報収集して動くものだけで固めれば不安は少ないでしょう。たいてい動くとは思うんですが私は保証しません。
 なので困るのはたぶんアンチウイルスぐらいです。(あとこまごまとした設定をしようとするとどこに設定する画面があるかわからない人も多そうですね)

 むしろ今回のように「家庭内サーバーで使うぜ!」という人には最高におもしろいOSです。Linuxサーバーでもいいんですが、きっちり設定しなきゃいけないですし手軽とは言い難い。(きっちり設定してあげれば無料で無限の機能を操れますが)

 テラステーションなどのNASをRAID5で運用するぜ! みたいな人でない限りは安いサーバーとWHS2011でかなり幸せにはなれると思います。

 このWHS2011を今回の安鯖に導入したところ...快適過ぎてびっくりの事態に。

 まずVISTAの時に感じたディスクアクセスの多さが解消。これは予想していましたけれど。全般的にきびきび動きます。
 GPUは7(64bit)のドライバーで余裕。HDMI接続したTVからも音がきっちり出まして。
 サーバー設定画面さえ出さなければWindows7として使ってもまぁわからないレベルです。いきなり東方遊んだり真剣に私に恋しなさいSを遊んでいた私もたいがいですが。

 本体がコンパクトな分だけ置き場所も困らないかな。ファンも比較的静か。ただし電源を入れた時だけはサーバーらしい轟音で笑えます。まぁつけっぱなし前提ですしね。
 24時間運用するサーバーとして考えれば買って正解だったかな...と思ったりもしました。あとあと別のサーバーなど購入したらCentOS辺りぶちこんでいろいろ設定して別のサーバーにしたりも出来ますし。

 さてさて。OSをセットアップして誕生したkonozamaサーバーは最終的にはどんな形になるのでしょうか。それはまたいずれ書こうと思います。ベンチマークなども行ってますので含もうかな...と。格安サーバーの実力はどんなものになったでしょうか。

※1
このサーバーが届いてVISTAを導入してすぐメインPCのSSDが昇天しました。回りからは「OCZなんて使ってるからだよ!」などと囃し立てられ結構しょんぼり。
 修理からあがってきていたHANAのSSDに再び戻してOSを再セットアップしました。データのクラウド化をかなり進めているのでセットアップ自体は数時間で終わりほぼ元の環境には戻せましたが...かなり焦りました。
 その時にこのサーバーをデスクトップ替わりにして活用していました。
 鼻毛鯖の特売が直後にあったとしてもあのタイミングでこちらのコンパクトサーバーを購入していなかったら検証も含めてうまくいかなかったろうなーとは思います。なんせサーバーをセットアップした直後に壊れたわけで(涙)
 鼻毛鯖が特売になったタイミングでは間に合わなかった...個人的には小さな奇跡でした。

※2
まさかデスクトップが2台とも同時に壊れる事態がおきるとは...え?セカンドPCはなんで壊れたかって?
 ...ケース買い替えて組み替えてたら静電気でマザーを壊しちゃったっぽいです。しょんぼりですね...MacBookAirと今回のこのサーバーがなかったらデータを吸い出したりインターネットからドライバーを探したりするのも苦労しまくったでしょう。
 やはり複数のPCを持つのはこういう的助かるな...と実感しました。
 数が多すぎるのも問題ですけどね!!
 さて。我が家には何台のPCがあるのか。...えーと、ひのふのみのよの...いつむー...た、たくさんってことで!