江東区の高齢者向けサービスを利用した話...介護保険がなくても使える便利な行政サービスはたくさんあった!

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 おかげさまで母がある程度回復し退院することが出来ました。ご心配をおかけしました。

 まだ階段の昇降に問題があるものの、自宅内で生活する分にはある程度なんとかなるまでに回復。
 まだ足にしびれが残り(おそらくは軽い麻痺)、入院による筋力低下で日常生活での歩行も長時間は無理な状態ですが...脳梗塞による危険な状態はもう脱していますし、何より早く帰りたいと泣かれてはこちらである程度サポートすることで退院を早めるしかなく。
 1日おきに顔を出してはゴミ捨て買い物など様々なことをサポートする前提で、退院させることになりました。
 とはいえ日中付きっ切りとはいきません。

 せめて買い物の補助してくれるサービスはないか...
 とはいえ介護保険などの申請をすると1月は時間がかかるうえ、退院がいつになるかわからない。
 母はともかくすぐに出たい病院は嫌だ帰りたいと懇願する。
 私も人生5回以上交通事故で病院に運ばれている身。気持ちはわかります(事故が多すぎるのはなんでですかねぇ...)。
 なんとかしたい、そう思って探したところありましたありました。いいものが。

 今回私が利用したのは江東区が行っているサービスのひとつ。
「高齢者生活支援ホームヘルパー派遣事業」


 65歳以上の高齢者のみの世帯で傷病等により緊急かつ一時的に生活支援または外出支援が必要な高齢者に、ホームヘルパーを派遣または費用の一部を助成し、高齢者の自立した生活への復帰を支援します。

※公式ページより抜粋

 まさにこれです。
 区から委託を受けた業者が派遣するホームヘルパーが買い物などのサポートをしてくれる制度で、一週間で3時間を上限として2~3回程度(区や業者との相談になります)来てもらってお手伝いをしてもらう制度です。
 母は週2回程度買い物が出来ればということだったので、週2回、1回1時間の派遣を依頼しました。
 また、出来れば地力で買い物に行きたいということなので、階段昇降の見守り(あくまで自力でリハビリ兼ねて母自身が昇降する)、スーパーまでの歩行補助(ヘルパーさんに捕まって歩く)、見守り、買い物時のお手伝いという形で依頼を行いました。
 条件は他にもあり、

 65歳以上の在宅のひとり暮らし、又は高齢者のみで身体的機能の低下により家事・介護が困難な世帯であること。
1.緊急時生活支援
 自立しているが、傷病等のため緊急かつ一時的に生活援助が必要な方。
2.外出支援
 介護保険要支援1・2で、身体機能の低下又はうつや認知症により閉じこもり傾向にある方
3.訪問介護(非該当)費用助成
 暫定期間中に介護予防訪問介護を受けたが、介護保険要介護認定が非該当になった方(生活保護受給者は対象になりません)

※公式ページより抜粋

 上記3つの条件のうちどれかに当てはまらないとだめで。
 母は1に該当していたので、条件には合致。
 自己負担は1割なんで、1回数百円になる計算(4000円かかるのなら400円負担)。
 毎週2回なら1月でも負担はそんなに高くない。

 会社を休んで江東区豊洲にある長寿サポートセンターに赴いて、お話しを聞きながら最適な支援を選択したのが上記サポートでした。
 その説は担当の方にものすごく丁寧な対応をしていただき、迅速に申込みをしてもらうなどひとかたならぬお世話になりました。
 ブログ上ですがお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 区役所はお役所仕事などと言われますが、担当してくれた方はとんでもなく勤勉で有能な方でした。

 当日中に申請は受理され、業者の方から電話がありました。
 流れとしては母本人と面談。説明。それから家族の了承を得て、日程を確認。ヘルパーを所定の日に派遣する...というものでした。
 そのあとちょっと母のリハビリ進捗が遅く、一週間ほど入院が伸びてしまいましたが、無理を言ってそこも対応していただきました。

 現在母の買い物は週2回。このヘルパーさんがサポートしてくれています。
 まずは今月いっぱい。
 それでだめなら来月いっぱい。
 最長でも3か月程度しか受けられないサービスですが(正確な日数等は窓口で相談する時にご確認ください。サービスの種類によって日数が違うようです)、母が一人暮らしに戻るまでのサポートには十分です。
 朝のゴミ出しなどは私が通ってなんとかしています。土日に買い物したければ、私が手伝えばいいでしょう。
 入院中、よくお見舞いにくる息子さんですねとナースさん達に言われる度に母は「息子なんて役に立たない。女の子だったら下着とかちゃんと買ってきてくれるし、もっと役にたつのに」とこぼしていました。
 それに対して私は「まったくそのとおりだがお袋、嫁に行っちゃってたらなかなかこれないと思うぞ?」と返し。
 それでも迷惑かけて悪いねぇと言われれば「息子なんてのはこんな時しか役に立たんのだ。だからこき使うぐらいでいい。一生面倒見ろと言われてるのではないんだ。社会復帰までの間お袋をマネージメントしてやるさ」と返していました。
 ナースさん達は笑っていましたが、割と真剣にそう思っています。
 普段は仕事仕事でなかなか親子そろっての時間も取れません。
 今回ももう少し早く連絡していたらと思わないではないのです。まぁ無理な結果論でしかないんですが...まぁそれならせめて母が望むような未来な向かって手助けしようと。
 職業病ですが、私の本業はプロジェクトマネージャーです。
 母の社会復帰というプロジェクトをマネージメントしてスケジュール通り遂行しようと。そのためには様々なサービスを調べて利用し、段取り、相談先も準備します。
 行政書士の知り合いにもいざとなれば相談させてくれと頼み。
 区だけではなく都や国のサービスも調べ上げ。
 主治医には万が一の時には介護保険申請をするので、診察等再度お願いすることを相談し。
 近隣の住人に挨拶し、母がこのような状態になったので、地区の仕事はしばらく無理なことを詫び。
 他にもいろいろありますが...なんのことはない、普段やってる仕事のちょっとした応用です。
 座組み、段取り、スケジュール計画、配置・配役を考えたアサイン、進捗確認をしながらの進行。仕事より楽なぐらいだと笑ってやっています。
 負担がないとは言わないですが...まぁ今まで母親にかけていた負担に比べたら大したことはない。
 親だから無条件にサポートするのか?いいえ違います。
 尊敬する人だから助けようとするのです。
 私は母を尊敬しています。
 だから出来る限りのことはしたいし、遠慮もして欲しくない。
 母は歳を取るのに失敗した人ではなく、きちんと人生計画を立て、貯蓄をし、自分で決めたルールを守り、女手ひとつで私を育て切りました。
 その上で老後を考えて蓄えを作り、年金だけでなく積立も行い。
 今一人できちんと暮らしています。
 たまたま脳梗塞という不慮の事態が起きただけで、立ち直れば元通りわがままにしかし他人に迷惑をかけないで生きていくでしょう。
 ならばそれまでのサポートぐらいはなんでもないかなと。
 退院から10日ほど経過しました。
 だいぶ以前の切れ味も戻ってきて。でもまぁちょっと記憶力は落ちたし、筋力も落ちちゃったんでわがままも増えちゃいましたが。相変わらず私の母親だなぁと実感出来るのはうれしいことで。

 ちょっとしたこと。ちょっとしたお手伝い。
 はたから見たら大したことのないサポート。
 でも家族からみたら大変にありがたいサポート。
 知らないだけで、利用したら大変ありがたい便利なサービスが行政の隙間に埋もれています。
 自分から探しに行かないと見つからない様々なサービス。
 家族のトラブル時になかなか頭は回らないし、身動きとれないものだけれど。
 それでも自ら探せばきっと何がしかのサービスがあなたを助けてくれるかもしれない。
 今回はその一例をご紹介しました。


※聖路加国際病院のソーシャルワーカーさんの紹介がなければ、区に相談することもありませんでした。ここに深く感謝します。(介護保険についての窓口をご紹介いただきました)

江東区の該当サービスのページはこちらになります。

高齢者生活支援ホームヘルパー派遣事業
https://www.city.koto.lg.jp/seikatsu/koreisha/6582/6599.html

江東区では他の高齢者支援も行っています。
条件はいろいろありますが、該当する人は検討してみる価値があると思います。
https://www.city.koto.lg.jp/seikatsu/koreisha/6582/index.html