工事現場で使われるスマホというとみんなTORQUEかG'zだろうという思い込みがあったが...
私物に関してはだいたいやっっっっっすいAndroidかMNPで安く買えたiPhoneだったりする。
そして壊れる。落としたらそれまで。だいたい壊れる。割れる。
なので業務用として会社が支給する時にようやくTORQUEとかが選択肢になってくる。
なんでかっていうと...高いんだよね高耐久のスマホって。自腹で買うとか中小企業が複数台導入となるとやっぱりコストがね...
それこそ会社で一括でいれるとなると零細だと二の足を踏む。
ましてTORQUEとかほぼau専用になっちゃうし。
そこにBlackviewが新発売したN6000が登場したので購入して知人の協力を得て工事現場に持ち込んで「実際に現場で使えそう?」というのを踏まえてテストして来てみたのが今回の記事。
とはいえ現場内の写真はNGとなったのでそこは所感だけとなる。(さすがにだめ!と言われた。そりゃそうだ)
違う現場で外から写真撮ったりはしたので今回はそちらを掲載している。
クーポン込みで3万円切りのスマホは果たして現場で使用出来るものなのか。興味がある方は見ていただければ。
今回使用しているBlackviewN6000のスペックを簡単に記載する。
画面:4.3インチ(TN)輝度は450nits
リフレッシュレート:60Hz
メモリ:8G(ストレージ拡張で8+8可能)
ストレージ:256G
重さ:208g
サイズ:縦133mm横62.25厚み18.4mm
SOC:MediaTek Helio G99
バッテリー:3880mAh(18W充電可能。リバース充電も2.5Wで出来る仕様だがテストしていない)
カメラ:広角48MP フロント:16MP(水中でも撮影可能)
セキュリティ:指紋認証(側面)/顔認証
SIM:デュアルSIM(排他でSD対応)
対応バンド
Fdd : b1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/
26/28a/28b/30/66
Tdd:b34/38/39/40/41
防水防塵:IP68/69K
OS:Android13ベース独自(DokeOS3.1)
NFC:あり
といったところ。
簡単にいえば「MIL規格の頑丈で防水防塵ばっちりのちっこいスマホ」となる。
このサイズでG99搭載なのでわりとサクサク動くしメモリも8Gありストレージも256Gとかなりのものがある。
おサイフケータイはないがこのスマホが活躍する現場では必要ないだろう。
ちょうど新発売のタイミングで4000円のクーポンが出ていたので私は27900円で購入出来た。
厚みはあるが片手にすっぽりと収まるサイズでかなり小さい。
エネループと比較して見てもその小ささがわかる。
あと箱は地味に綺麗でちゃんと日本仕様のACアダプタとType-Cのケーブルが附属してくる。
マニュアルも一応日本語で書かれているが慣れてる人はざっと読むだけでいいだろう。
対応バンドもアプリで調べたので掲載しておく。
なぜこの端末をAmazonの悪魔がテストするのか?と言われたらしごく簡単な理由である。
「中小企業(特に工事関連)が社用スマホとして調達出来る頑丈なスマホが安かったから」
これにつきる。
現状母の介護生活でまともな仕事はほとんどしていないがあちこちのベンチャーなどに顔を出して知識のupdateはするようにはしている。
ツテがあってのことだがおかげである程度の知識のupdateが出来ていてありがたい。
その中でテスト的に開発されているアプリ(まだ販売の予定はない)がこの端末で使えるのではないか...と思ったからだ。
もともとはNFCを利用した出退勤と社員の移動管理のためのテストアプリの開発があって、出社したら業務用スマホをぴっ。退社する時もぴっでタイムレコーダーの代わりになるのではないか?というあたりから発祥して「会議室に行った時もぴっとする」など用途を拡大してテストを続けていた。
社内での社員の行動をある程度管理することで「この人は今どこにいるんだろう」というのをわかりやすくすることも出来るよう仕様も改められている。自席にいるかいないか。誰がどこにいるのかまで人流の管理に踏み込めそうな感じで。
会議室にいるのか。この人は中座したのか。会議は何時間あったのか。自席に戻ったのはどのタイミングか。
スマホをかざすだけなので労力は少ないしいちいち報告する必要もない。
専用グループウェア上で会議室に誰がいるのかも把握しやすくなる。
もっとも開発中でいまいち反応が弱かったり廊下で立ち話をされると行方不明になったりといろいろあるのだが...
そこはBluetoothのビーコンなども活用して併用出来ないか?と研究開発が進んでいる。
まぁ商品化のめどなんてまるで立ってないしそもそもこれ企業内での勉強会で作られている試製アプリだ。
それぞれ自宅で担当部分を開発などして分担し社内コンペに出す程度の話ではある。(なのでたぶん発売はされない)
まぁそれはさておき。
これを工事現場などにも対応出来ないかと考えた。
小さい会社だとなかなかに運用が難しいなぁと考えていたが工事現場などで3次受け4次受けで入っていたとしてもその場の長(小さいところなら社長とかだろうけど)のスマホを裏返して出社したやつらはそこに「ぴっ」で出退勤が管理出来るのはわりと楽だ。
(職長には職長用のアプリを入れて出退勤の管理もスマホ同士を接触させることで行う)
スマホアプリで「今日来てる奴ら」も把握出来るしなんならそいつらのプロフィールを一覧にして出力して現場責任者にさっと送信も出来る。
あれだいたい事前に書面とか出せと言われるが...当日変動することも多々あるから事故に備えてある程度リアルタイム性と速度が欲しいところだった。
下請けあるあるではあるが。
で、現場で使う以上外せないのが...
・写真撮影
・落下時に壊れないか
この2点である。
正直スペックなんてどうでもよいぐらいで「ある程度綺麗な写真が撮れればいい」「おっことして壊れないと最高」程度の話である。
現場で写真を撮る場面はかなり多くデイリーの報告だけでも相当な写真を提出しない現場は多々ある。
道路工事もそうだし地下の拡張工事もそうだし。
なんならマンションの建設現場でも資材を搬入したらパシャっとかまぁある話で。
そうするとある程度のストレージがあるとありがたい。
そしてなによりも「落とす」前提で運用しないといけない。
現場の人に聞けばわかるがまぁ落とす。やたらめったら落とす。
足場の上に落とすし地面にも落とすしなんなら高所からも落とす。
そして壊れる。
だいたい自腹スマホなので「あーっ」とか聞こえたらやばい。
高所からスマホとか現場猫案件である。場所によっては持ち込み禁止だ。
防護ネットがあろうとヘルメットがあろうと高いところから落ちて来たスマホは人を殺しかねない。
とはいえ今どきはないと話にならないので持ち込まれる。いいも悪いもなく。
ないと仕事にならんので。現場によるが。
工務店のおっちゃん社長なんかと飲んでるとこの手の話はたくさんある。
社用スマホ渡したらエロ動画ばっかり見やがるとか愚痴られてゲラゲラ笑うのはもはや日常だ。
で、そうした用途で使うならこのN6000がいけるのではないか?と考えた。
画面が小さいのは利点であり現場で使われるデジカメもわりと古いのが多く4インチならむしろいい感じに写真の確認が出来る。
スマホだからアプリで送信すれば自社のサーバー(まぁNASとかでもいい。無理にクラウドにする必要もないだろう)にアップロードも余裕だ。
出退勤関係はまぁ今後の課題として現場で使えるか?というのをテストして来てみた。
結果はすこぶる良好だった。
掲載は見送るが現場内で写真を撮りまくった結果「かなり鮮明に記録が取れる」のがわかった。
下に掲載しているのは「台風で雨がめちゃくちゃ降ってる中で現場写真を撮ったら」という想定でずぶ濡れになって撮影したものである。
公園の遊具や現場の資材などを撮影してみたが十分に綺麗に撮れている。
仕事以外の写真もなにもないのは寂しいのでランチに買ったセブンイレブンのカレーの写真と公園で撮った写真などを掲載しておく。
なかなかどうして結構綺麗に撮れる。
プライベートで使いたい人が飯の写真を撮るのにもいいだろう。
というか現場のおっちゃん達ふつーに弁当の写真とか撮ってたりするのでそういうのも余裕でこなせるなぁとは思った。
黒板にチョークで書いた説明文(道路工事だけではなくいろんな現場で作業前に撮る)もくっきり鮮明で実用にして十分である。
サンプルが出せないのが残念だが...
ストレージが256Gあるのもいい。
ためこんだ写真でスマホがあっぷあっぷすることはそうない。
この手の運用だと定期的に回収してストレージを誰かが綺麗にしてあげる必要があるが...作業するおとっつぁん達は特に気にすることはないのですぐいっぱいになってしまう。
256Gあればまぁ1年以上溜め込んだところでなんともないのではなかろうか。
台風が来ていたので暴風雨の中で現場の撮影などして見たが雨の中でもこれだけ綺麗に取れたのは嬉しい誤算だった。
さすが海の中でも撮影出来るのを宣伝するだけのことはあった。
実際YouTuberの方がテストで海の中とかプールで撮影とかしてたのでかなり綺麗に動画も撮れると思う。
NFCの感度も悪くなく持ち込んだ出退勤管理アプリも動作した。
そして昨今必要なのがLINEなりが使えるかというところだが...これも問題なかった。
だいたい現場で長文を打つことはなく「了解」か「折り返します」で後は電話になる。
なので4インチでも特に問題はなさそうだなというのが休憩所でタバコ吸ってるおっちゃん達の感想だった。
むしろ可愛いと評判に。
LINEの画面を出すのもなんなんでTwitterの画面を掲載する。
文字サイズがディフォルトでは小さいので最大にしたものも合わせて掲載。
スペックとしてはG99なので4Gまでしか対応していないが工事現場の中で5Gとかどうせとどかないし切替が無駄になる。
すぱっと4Gだけ対応していればいいだろう。
SIMフリーをうたっているだけあって各社のSIMを刺せば自動で認識してくれる。
写真ではPOVOを刺したあとのものを掲載する。
そこらにいたおっちゃんのスマホからSIMを拝借してテストしたがY!mobileやau、DOCOMOのSIMなんかメジャーどころはばっちり一発認識だった。
IIJとか誰ももってなかったのでテスト出来なかったがたぶんいけるだろうしAPN設定すればどこでも対応は出来るだろう。
技適も通ってるので国内での運用に問題はない。(重要)
なかなかに現場向きだと思う。POVOで現場持ち込んだ際には結構深いところでも電波は届いていた。
Volteも写真を見ればわかるとおり一発で認識してVolteがONになった。優秀だ。
SIMフリー端末として見ても魅力がある。
Twitterも入れてはみたが読むだけなら...というところ。
LINEもそうだが4インチの画面で文字入力はわりとしんどい。
使えなくはないがグローブをしたまま運用は出来ないので休憩所で素手でやるならいけるかな?というところ。
本体の設定で文字とか最大にした方がいいだろう。
それでも老眼だと結構しょぼつく。
老眼鏡してれば全然いけんべ!とは言われたので年上の言う事だし信じることにした。
私は老眼と近眼両方なのでメガネは必須なのだがまぁなんとかやりとりは出来た。かなり誤入力しまくったが。
暗所での撮影も一応ナイトモードがあったのでテストはして見た。
さすがに真っ暗だときついようだが夜間工事の現場で撮影する分には全然いけそうだった。
公園の画像は光があまりなかったのでイマイチだがわずかにでも照明がある工事現場の囲いなどは綺麗に撮れている。
資材置き場や駐車車両なんも撮影したがかなり綺麗だったので十分運用には耐えられるだろう。
antutuも試してみた。
V10がいまいち不安定なのでV9でテストしたが公称値40万に届かないまでもこんだけ出てればいいだろうという感じだ。
ストレージも恐らくはUFS2.xな感じの肌触りなのでGAMEとかやらないなら問題ないだろう。
原神とかは論外として軽いのはいけるかな?
とFGOとプリコネをインストールしてテストして見たがかなり快適ではあった。動作自体は。
ただ画面が小さく文字が小さいので老眼殺しである。FGOのスキルタップとかは全然いけるが肝心のシナリオが読みづらい。
まぁネタとしてやっただけなので問題はないが案外快適動作したのは嬉しい誤算だった。
夜間の現場での撮影も試してみたがなかなか鮮明には撮れた。広角モードだとだめだめになっちゃったのでナイトモードでふつーに撮影した方がいいだろう。
今回は公園の遊具と現場外環を撮影してみた。多少光が入って入れば結構鮮明に撮れる。
これなら工事現場で運用するのに問題は出ないだろう。
今回運用した中で「これがあれば」と思ったのはストラップホールドだろうか。
ともかく小さいからか「落としてしまう」のでストラップは欲しいな...というのが正直な感想だった。
まぁなんかケースが出てればそれでもいいがごっつい筐体なので最初から穴が欲しかったかなーというところ。
最後に肝心の電話について。
かなり聞き取り安い。やや耳が遠い職人さんでも結構いいねーという評価。
スピーカーはモノラルだがかなりの音量に出来るのでやたらうるさい現場でも鳴ってるのは確認出来るだろう。
Mi Bandなりのスマートバンドと併用すれば電話を漏らすことはないだろう。
作業から外れて安全なところで電話する分にはうるさくても運用出来た。
横で電ノコで切断してようがアンカー打ち込んでようが通話は出来たので優秀だろう。
余談だが腰につける作業袋に放り込むのにすっごくいいサイズで腰袋にめつちゃ入れやすい。
ごそごそさぐってもわかりやすい形状なのがなかなかよかった。
とび職とかにいいかもしれないが高所で落とす危険があるのはまぁ。仕方ないけど。
香港の現場で地上6F~7Fから落としても筐体が少し削れただけだったらしいので頑丈さは信頼出来るだろう。
というか発売してすぐ運用する中国の現場の人もさすがだし初日から落下する現場猫もあちゃーという感じではある。
画面から尖ったところに落ちない限りは大丈夫じゃね?という話は聞けた。
作業袋の中でスケールとがちゃついたりしたが画面に傷は入っていなかった。
長く運用したら傷ぐらいつくかもだが恐いならフィルムをカットしてはっとくといいだろう。(一応出荷時に保護フィルムは貼ってある感じだが...)
100均のやつをサイズはかって貼ればいい。なんならiPhone用から切り出したって問題はない。サイズが合えばいいのだ。
カメラのドロップ形状もフィルムには関係ないので(画面角が斜めってるので当て紙して採寸した方がいいだろう)おすすめしたい。
OSは最新のAndroid13。5月までのセキュリティアップデートがかかっていた。
届いた時からこれなのでわからないが数ヶ月ごとにセキュリティアップデートが来る感じではないだろうか。多少は安心感がある。
最後に購入していろいろテストしてる時のツイートを掲載しておく。楽しんでテストしていたのがわかるだろう。というかめっちゃはしゃいでしまった。
一連のツイートはだいたいツリーになっている。FGOをテストした時の画像もあるがまぁまぁサクサク動いた。ただ文字かね...老眼にはね...
antutu計測中の動画もツイートしていたので貼っておいた。
G99はそれなりに性能あるので普段使いでもまったく問題はなさそう。
my new gear...(●´ω`●)
-- みやび(嘘つき悪魔)
ちゃんとした日本向け出荷版だよ(笑)
というわけでBlackview N6000が着弾しました。 pic.twitter.com/cbLhPCd75v
案外快適なんだが文字が読みづらいwww
-- みやび(嘘つき悪魔)
プリコネ、FGOぐらいならまあ遊べるが画面が小さいのでパーティー名入力で苦労したりする。あとシナリオが老眼との戦いに。 pic.twitter.com/DdQeeIRjSl
数人規模の会社で社用携帯持たせたいとかだと一個3万以下で追加しやすく何より「Amazonで買えるからめんどくさくない」のはいい。
経費で落としやすいし壊されたとしてもすぐ買い替えられる。
LINEぐらいしか入れるものがないなら問題にはならないだろう。
ただホーム画面のアイコン表示数は増やしといた方が使い勝手はいいかもしれない。
運用テストとしては満充電から数日かけて
・1日30分程度の通話を毎日
・LINEで朝・昼・退勤の連絡
・毎日カメラ撮影200枚程度
を実行したところ100%から40%になっていたのでGAMEとかしないしSNSも頻繁にしないというなら十分な「持ち」だと思った。
antutuとか実行するとマッハで減る。まぁ普通やんないよな。うん。
丸1日放置すると7-10%減ったのでだいたい工事現場で毎日報告の電話とかして報告のLINEとかして休憩室でブラウズしたりして...といった運用なら月曜日の朝から金曜日の夕方まで余裕かな?と言ったところ。
18Wで充電出来るのでなんならモバイルバッテリーで休憩時間に充電すれば満充電になるだろう。
いろいろテストしたが「プライベートで使うものではないかもしれないが業務用として秀逸」という感想になった。
いろんなYouTuberやブロガーがこの製品を取り扱っているが...
海にもぐったら落下させたり車でひいたりしていても「工事現場に持ち込んでうっかり落としまくったりした」のは私ぐらいだろうか。
いやほんとサイズ的にぽろっぽろ落とすので足場の上とかで取り出すのは避けた方がいいかもだ。
作業袋にいれとけばまぁ落ちないし。
水平器出してレベルやろうとしたらスマホ落とした時にはめっちゃ笑われたりしたが...現場なんて何年も入ってないんだもん勘弁してよーとなってしまった。
ご安全に。
(技適は箱で確認出来るが本体からは確認出来なかったのでupdateなどで対応するのかもしれない。認定自体は受けているようなのでちっこいSIMフリースマホとして見るのもありだろう)
※純正でストラップホルダー付きケースが出てるそうなので探して買いたい。やっぱりストラップつけられないと高所で使えないしね