Amazonの悪魔大暴走!?メインPCのアンチウイルスに選ばれるのはどれだ!

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 今年の頭に思ったことがありまして。
「...結局今年のアンチウイルスって何が一番いいんだろう。何が私の用途にあってるんだろう...」
 漠然としたその思いは強く。
 しかし発売されたばかりの「2012」の年号を持つアンチウイルスソフト達の実力はその時点では未知数。
 使用しているノートン2012の使用期限切れまでまだ半年はある...その間に納得がいくソフトはどれか調べられれば...面白いんじゃないか?
 そう...まだあせる時期じゃない。
 けど他人の評価だけじゃなぁ...やっぱり自分で試してみないと。
 だいたいみんないい事しか言わないしなぁ。
 そうだよ。どうせなら。
 触れて。
 使って。
 その上で実際にウイルス検知させてみないと納得出来ないんじゃないか!?
 そうだよ。
 使ってみて...私が自分自身の独断と偏見で選べば何があっても納得出来るじやないか!!
 そうして始まった計画は、思いも寄らぬ大変な計画へと変貌し。
 やってる自分で「何やってるんだろう」と思ってしまうほどのものに。
 さて...様々な要因から選んだアンチウイルスは結局なんだったのか。そしてそれぞれのソフトの評価はどのようなものだったのか。2012年konozama式アンチウイルス選定の義。はじまります...

 今回は「独断と偏見と個人的な感想と感情が100%」の記事になります。各社の各ソフトのファンには言いたいこともありましょうがその辺りを念頭にお読みいただければと。



 あれから半年...ついにノートンが「あと7日で期限切れだぜ?さぁ金を払え今すぐ払え。でないとノーガードになるぜへいへいへい!」と警告を出してきました。


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 その間私の方は準備を整えに整えて...

 や・り・す・ぎ☆

 なほど準備を整えていました。
 いろいろな(そして個人的な)選考基準に則って選ばれたいくつかのアンチウイルス達。それらを全て「正規品の製品版」で集めていたという。そして入念な検証を繰り返していたと...

bakanoyarukoto.jpg

(検証中の写真より。他のソフトもそこらに転がってました。ダウンロード版以外は...本当にもうなんというか...馬鹿だなぁ私)

 そう。

 今回は「正規品をインストールして」「仮想環境ではなく実際のPC上に構築した環境で」「いまだこの世に存在しない新しいウイルスをチェックする」ことも含めて実力を計測する...アンチウイルスソフトに対する私からのストレステストを兼ねたテスト。

 見事に選ばれたソフトはメインPCにインストールされ、選ばれなかったソフトはそれなりの環境にインストールされて使用される(いったいどれだけインストールすべき環境があるんだよ...という声は無視します)ことに。
 タイトル通り「私が私自身で選ぶメインPC用のアンチウイルス選び」。

 ただちょっとだけ違っていたのは...

 個人サイトでは珍しい「オリジナルウイルス、しかも本場仕上げ」にどれだけのソフトが耐えられるか!というテストがあること。
 協力は中国人留学生のYさん。技術職志望の留学生。ふるう場所もない趣味の腕を活かしての参加。
 本場仕上げの(ある意味嘘ではない)ウイルスは果たしてメジャーソフトを突破出来るか。

 片っ端から正規品を手に入れてここまでやってみせてこそAmazonの悪魔らしいだろうということと、半年あればアンチウイルスの実力もある程度は見えてきます。その中で個人的な基準でいろいろなソフトを評価する。
 馬鹿だな俺!と言いたいところですが、やるからには徹底的にやりたかったので今回のお祭り騒ぎ。果たしてどうなったのか。

 なお、最初にお断りしておきますが今回はウイルス検知の画面等は一切公開しません。それと使用したウイルスについても他人に渡すことも詳しい仕様を述べることもしません。
 あくまで自分自身が納得するための実験でありその結果なので。それと各ソフトに対してふくむところは多少あったうえでの記事となります。ご了承ください。

 ※作成したウイルスは研究目的のために作成したものであり、他者を害する目的で作成したものではありません。検証後はその全てをソースごと破棄させていただきました。

 それでは実験に使用した環境を。

環境1「Amazonの悪魔宅クライアントPC」

 この実験のために借りて来たPC。
 想定スペックは「ちょっと古いビジネスPCか少し前の家庭用PC」を想定。
 E8400+メモリ2G+HDD500G+Gefroce210というハード構成でOSはXPとVISTAを使用。検証には2つのOSを使用しました。(7は余ってるアカウントがなかったのでVISTAで代用)
 OSは最新までパッチをあててのテストです(6月初旬までのパッチは全て適用)
 OfficeソフトはXPでは2003を使用。VISTAでは2007を使用。
 それぞれ年代を合わせてのテストです。


環境2「静岡に設置されたサーバー」

 ガンプラータイプのウイルスチェックがしたかったのとフィッシング関係の調査をするためにWEBサーバーを設置。実はスペックはよくわかっていません。Core2DuoのDELLのPCで構築したと聞いています。

環境3「検証に付き合ってくれるYさん宅に置かれたPC」
 クライアントPCが複数台ないと検証にならないでしょう!とYさんがどっかから借りてきたPC。i5搭載ですが、Sandyではなく1世代前。OSはWindows7で、ある意味現役稼働してるPCを想定した構成。

環境4「イントラネットサーバー」

 実は私の家のクライアントPCもYさん宅のPCもこのサーバーにぶら下がっていました。イントラ内で感染PCが発生した場合に防げるか?というのも検証したかったため。また、イントラサーバーがガンプラーをはじめとするウイルスにやられてしまった時にアクティヴディレクトリー下のクライアントPCが法人用アンチウイルスではなく民生用アンチウイルスソフトで耐えられるのか?というのも今回確かめたかった項目。
 実際いつくかのアンチウイルスを拠点ごとに切り替えてリスクヘッジしている会社もあるのでそのミニチュア版として設定しています。

 そしてテストウイルス達。それぞれ実際に存在したものを想定して作成されています。ソースは中国のサーバーから拾ってきたソースを含めアンダーグラウンド流通のもの...を想定しているみたいですが、私は詳しいところを聞いていません。Yさん渾身の作品群。実際に出回ったらちょっと危険なものも多いですが、感染部分だけで、破壊行為はしないように作成されました。

テストウイルス1
「ファイル添付型」
 メールでよく送られてくるEXE型。WEBからもアダルトサイトなどでよく出てくるもので、EXEを実行すると感染するオーソドックスタイプ。

テストウイルス2
「ガンプラー改良型」
 一世を風靡したガンプラーウイルスを発展させたウイルス。特徴は「実際に広告と一緒に配信されて感染する」ことをエミュレーションしていること。改ざんされたホームページも用意し、感染経路を複数用意した。
 このために仮想で広告サーバーも作っていただきました。YahooならぬGehooポータルに表示された広告から感染する仕組み。イントラ内からしかアクセス出来ないように万全を期してのテスト。今回最も準備に時間がかかりました。

テストウイルス3
「画像ファイル埋め込み型」
 Jpg等に仕込みをいれてWindowsの脆弱性をつくもの。まぁ、HTMLファイルをJPGに偽装したものですね。特定ページのJPGをクリックすると感染したりとパターンも複数用意。

テストウイルス4
「動画ファイル埋め込み型」
 WindowsMediaplayerの脆弱性をつくもの。AVIファイルだけかと思いきやYさんいわく「Mediaplayerで再生出来ればつつけると思う」とのことで各種ファイルを用意してテスト。

テストウイルス5
「エクセルウイルス」
 ずばりエクセルファイルに仕込んだウイルス。脆弱性をつくものですが、知らずにVBSを実行してしまうとどうなるか。警告が出ればめっけもの。

テストウイルス6
「潜伏爆弾」
 Yさんオリジナル。挙動はまったく問題ないソフトとして動作するが、指定した日に挙動が大きく変わる。振る舞いはゲームソフトと同じ挙動をするがDirectXを叩いて画面が出ないようにしてしまう。ジョークソフトとしては悪質。

テストウイルス7
「日本鬼子1号」
 Yさんオリジナル2。日本をターゲットとしたウイルスで、もし中国本土の学生が愛国心に燃えて日本を攻撃するなら...という想定で作成。動作は「画像掲示板のJPGを保存しようとするとブラウザの脆弱性をついて進入してくる」というもの。掲示板自体を改ざんして仕掛けるウイルス。
 感染すると「ひのもとおにこ」の画像が出るサービス付き。名前とはうらはらにそんな挙動をする辺りにYさんの複雑な心境があるようですが。

テストウイルス8
「謎のウイルスX」
 実は挙動も何も聞かされなかったウイルス。Yさん曰く「半年先にもしかしたら誰かが作るかもしれない」ウイルス。聞いても答えてくれなかったが、中国のどっかのサーバーにアップされていたソースを元に作成したものとだと思われる。ある意味最も危険なウイルス。

上記のラインナップ。



迎え撃つは9つの精鋭アンチウイルスソフト達。今回はテスト後に使用することも含めて「金額」や「入手性」「得意・不得意」「サポート体制」までを評価対象に。独断と偏見と個人的な趣味でばっさりと評価。


エントリーNo1
「ノートンインターネットセキュリティ2012」
 誰もが認める「世界のノートン」の主力ソフト。かつてはその動作の重さがネックだったが今はその辺りも改善されて隙がない。ちなみに課金を忘れると余裕でノーガードPCになるので警告が出て他のソフトに乗り換える気がないんだったらすみやかに金を払った方が吉。

エントリーNo2
「ノートン360」
 ノートンが初心者向けに発売している統合セキュリティソフト。かつてのノートンユーティリティーズ+アンチウイルス-あまり使わない機能=ノートン360と思っていただければ。同じエンジンのはずなのにえらく動作が重いのが特徴。ただしおせっかいなほど親切な設計は初心者にうれしい。

エントリーNo3
「ESET Smart Security V5.0」
 年号じゃなくバージョン番号が質実剛健さを物語る。名前を聞いてピンとこない人は「NOD32」といえばわかるだろうか。あの系譜に連なるソフト。統合ソフトではないが実力は高い。
(リンクは今回検証したものよりもお得なパッケージ。これでテストしていればもっと評価は上だったはず。ちょっともったいない)

エントリーNo4
「ウイルスバスター2012」
 なにかと話題のウイルスバスター。国内ではノートン並び称される巨頭だが意外に問題を起こしがちな暴れん坊。クラウド対応になってからの実力はどうか。

エントリーNo5
「カスペルスキー マルチプラッフォームセキュリティ」
 かつてはジャストシステムから販売されていた統合セキュリティソフト。独立後伸び悩んだがAKB48を宣伝に使うようになってから法人需要が10代の少年の情熱のように急上昇。あれよあれよと勢力を広げたという嘘のような実話を持つ。もともと実力は高いだけに民生用にも勢いよくパトスを叩きこんできた。今回はお得感バツグンのパッケージでテスト。

エントリーNo6
「マカフィーオールアクセス2012」
 個人的には「キング オブ 無難」と呼んでいるアンチウイルスソフト。平均的に見て否定する要因が少なく最初からPCに入っている確立も高いので必然的にそれなりにシェアをもっているソフト。今回はお得感たっぷりのパッケージでエントリー。その隠れた実力を見せることが出来るか。

エントリーNo7
「G DATAインターネットセキュリティ2012」
 その実力は高くそして重い。日本ではまだまだ知名度が高いとはいえませんが、世界に名だたるソフトなのは確か。各種テストで見せつける高い検知力は果たして未知のウイルスと戦えるのか。今回最も期待しているソフト。検出力の高さは折り紙つきだが果たしてオリジナルウイルス達と戦えるか。アンチウイルス界のゴルゴ13。

エントリーNo8
「AVG 2012」
 Avast!と並んで無料アンチウイルスの強豪のひとつ。今回は有料版でエントリー。正月にたまたま980円で買えたからというのは秘密。実際無料版より高機能になったその実力はどうか。安さがとてつもなくアピール度満点。

エントリーNo9
 マイクロソフトが提供する無料アンチウイルスソフト。今回唯一「無料」のアンチウイルスとしてエントリー。実力はそれほど高くはないのは承知でその他の魅力をどこまでアピールできるか。今回のダークホース。


 以上9つのアンチウイルスを実際に使用しての大一番。Amazonの悪魔が選ぶのはどのソフトか。財布の中身を犠牲に得られる成果とは。
 恐怖のぶっちゃけトーク炸裂で展開される結果はこの下に。



※ちなみにメジャー級はすでにオリジナルウイルス第一弾を耐えきってしまったので、改良型ウイルスが作成されたという。さすがメジャー系は強い。
 ガンプラー型。動画埋め込み型。画像埋め込み型。時限爆弾型Etc。日本鬼子(中国での日本の侮蔑称らしいが、日本ではとっとと萌えキャラにされたため言ってた人達が困ってしまったという逸話あり)ガッデムとばかりに中国から贈られてくるウイルスを想定したテストウイルス達に今回エントリーしたソフトは戦えるのか。


※再度書きますが使用しているウイルスはあくまで研究用であり、専門家の立ち合いのもと無害なものになるよう制作されています。拡散したり被害をもたらす機能はありません。
実際に中国出身の方が作っていますが、おもしろおかしくするために文章では上記のように書かれていることを明記します。というか彼は毎週秋葉原に通いたがるディープな...うわやめろなにをする(音信普通



 上記の環境を用意して、毎日毎日テストを繰り返しました。
 具体的には...
「朝、PCをセットしてウイルスによる攻撃を起こす」
「残業続きの仕事から帰宅して夜中にデータを収集。バックアップからリストア」
「朝、リストアされた環境に新しいアンチウイルスをセットアップして再度テスト」
 これを出張以外の毎日繰り返していたという。正直自分でも「馬鹿なんじゃないか」と思いつつ。

 そんなこんなでいろいろデータを収集し。そのデータから私自身が選んだものは...
 以下、私の評価と順位発表。具体的なデータはいろいろと理由があってあえて出しませんが文章からお察しください。


栄えある第1位「今年のAmazonの悪魔のPCは君に任せた!!」
「G DATAインターネットセキュリティ2012」

 総評:ともかく堅牢。ファイル型ウイルスやユーザー自身が実行するウイルスは鉄壁にガードしてくれた。検出率の高さは本物だった。ガンプラー型も含めて用意した全てのウイルスを「ほぼ」ガードしきった実力を高く評価。
 痛い点としては動作がやや重いところ。Amazonの悪魔で使用しているPCがそこそこ高スペックなので問題ないと判断しての結果。
 ほぼと書いたのはテストウイルスのうち1つだけ検知しそこねたから。ただ、実際にウイルスが稼働しようとした時にはブロックしていたので問題にはならないかと。
 twitterにも書きましたが最終的な私からの評価は...
「ゴルゴかおまいわ。というぐらい検知率が自慢。性能は悪魔も見入るほど高い。たぶん今回検証した中ではダントツ。だが!重い!アイドルスキャンはいいががっつり検知しようとしたら超重い!PCのスペックに自信がないならやめるんだ。あんたのしょぼいPCじゃ無理だ。せめてC2Dなら。iシリーズでメモリがある程度あるなら大丈夫だ。安心して使っていいよ」




同率2位「以前のダメさはどこいったんだ!?最初からこういうのにしてくれ!」
「ノートンインターネットセキュリティ2012」

 総評:メジャーソフトの面目躍如。そつない動き。そこそこ軽い動作。防御力はやはり高い。が反面「更新を忘れたら活動を停止してひたすら課金をしつこく求めてくる」とか「アングラソフトを検知すると謎のパケットを送信している気配かある」などいろいろと個人的に気に入らないところがあるので減点が。
 あとテストウイルスではないが、VBで作成した自作ソフトを「これはウイルスです」と消してくれる(100%再現する)余計な部分がものすごくイラっとしたという。その分安心っちゃ安心ですけどね...
 twitterにも書きましたが最終的な私からの評価は...
「わるくねぇ。今まで使ってきたし。重さもまぁいいだろう。しかしなんだね。日曜プログラムで作った人のVBソフトをウイルスって言って隔離するとはいい度胸だなこのソフト。捨てるぞ最後には。開発者にはとても勧められない気がする。日頃の行い?ほっとけ」



同率2位「AKB抜きでも魅力あるぞ!あとは価格が下がれば1位に違いない!」
「カスペルスキー マルチプラッフォームセキュリティ」

 総評:トータル性能ではおそらく今回テストした中では一番。G DATAは確かに検出力は高いがPCをトータルで守るという観点から見たらカスペルスキーの方が上だった。メールに付属するウイルスなど追加テストをいくつか行ったがきっちり守ってくれた。
 あと1つのパッケージでMACやAndroidも守れるのはポイントが高い。
 順位を落としてしまったのは「価格」。少しばかりお高い。更新も含めてコストがやや高くつくのがネック。個人の趣味でG DATAを1位としたが、本来はこっちが1位でもおかしくなかった。人にはこっちを勧めると思う。
 twitterにも書きましたが最終的な私からの評価は...
「人に勧めるならこれだな。値段も悪くない。32bit大好きなあなたにはさらに面白い。でも俺64bitだから新機能無意味。値段に目をつぶったらこれでいいんじゃね。でもうちのメイン向きじゃない。マックとかマルチに使うんで別の意味でメインにするつもり。我が家のメイン以外のPCとタブレットは君に頼もう」


4位「性能以外の面が秀逸すぎた伏兵」
「Microsoft Security Essentials」

 総評:ものすごく偏った性能を持つ。ファイル型ウイルスには滅法強いがWEBからの攻撃に滅法弱い。それもそのはずで、そもそもがhotmailやlivemailから得た情報をフィードバックしているため。
 WEB系からの攻撃はWindowsのファイアーウォールとブラウザのフィッシング詐欺検知に頼るように作られているのかも。そう考えるとXPで使うのは怖い。ファイアーウォールもVISTA以降とXPではまるで性能が違う。(もちろんVISTAも万全ではないが大きく差がある)
 反面なによりも優秀なのは「お金を払うのを忘れることがない」という点。無料のアンチウイルスソフトも1年ごとにアクティベーションしないとノーガードになってしまうものがあったりする中でこのソフトはその点をまったく気にしないでもいい。
 初心者にありがちな「買った時にお金払ったんだから大丈夫」という更新に対する意識の薄さに対して優しいのが高評価となった。動作もびっくりするぐらい軽い。
 性能の弱さは新しいOSとフリーウェアでカバーする...という運用ならある程度のレベルまでセキュリティを高めることも可能。あやしいことをしない、あやしいところにいかない...というならこいつで十分戦える。あと仮想環境にも(ライセンス的にも重さ的にも)優しい。
 twtiterにも書きましたが最終的な私からの評価は...
「性能は...実はあんまりよくないが、無料でこれならまぁいい。あと純正っぽい安心感な。なんもいれない馬鹿には絶対これいれとけっていう。あとSPYBOTあたりも併用おすすめ。ともかく金がない人はこれでいい。更新忘れはWindowsupdateしてる限りないし。ただしあやしいところはいくな。あやしいことはするな。ノーガードの馬鹿よりこいつをいれた馬鹿の方が生き延びる。利口なやつは活用して生き延びてる」

5位「やはり鉄板。無難に使えるうえにお得感バツグン」
「マカフィーオールアクセス2012」

 総評:ウイルステストで2つほど見逃しがあったものの動作は防いだ。実際に使ってみるとさすがの老舗というか使い勝手は結構よくてぶっちゃけノートンより使いやすかった(個人的に)。
 もし価格面で順位をつけるならダントツの1位となっていただろうパッケージが今回のテスト品目なのが面白い。なんといっても「1年の間ならあんたのもってるあらゆるPC、ガジェットを守ってやろうじゃないか。何台でもだ」というシンプルでわかりやすいパッケージは最高の評価をしたい。
 動作は重くないといったら嘘だが最近のPCならば気にはならない。少しメモリを多めに搭載したPCで使うともっといいかも。
 XPで使った場合とVISTAで使った場合ではXPで使った場合の方がいろいろと挙動が安定していたのも面白い(別にVISTA上で不具合があった訳ではないですけれど)。
 やや古いPCも含めてたくさんPCやガジェットを持ってる人なら迷わずこれ一本押さえておきたいソフト。無料の変なものをいれるよりは絶対に安心だから。
 twitterにも書きましたが最終的な私からの評価は...
「うん。無難。超無難。なにより一人で使うなら何台でもインストール可能なんてのはふとっぱらすぎる。金がないなら毎年これ買ってればPCやスマホが多いやつはOKだ。私もそう使う。でもメインじゃねぇな。実は言うほど性能は高くないかもしれない。来年になると穴はなくなるだろうけど」

6位「アンチウイルスとしてだけ見たら品質はかなりいいんだが...」
「ESET Smart Security V5.0」

 今回トータルで値段やらお得度やら見てしまったのとトータルでPCを守ってくれるか?というのを考えてしまったのでこの順位。純粋な「アンチウイルス」として見たらG DATAすら蹴散らしていたかもしれない。テストウイルスは...WEB系以外全て鉄壁の検知。予備検証に使ったものも全てはじいた。
 反面。たとえばフィッシング詐欺対策は?等考えるとまったくの無防備。あくまで「アンチウイルス」であることにこだわったソフトなので。わかりやすいくいうと「すごいMSSE」とでもいうか。
 あと価格がものすごくネック。やや高い。たくさんPCをもってる人には...というところがちょっと。
 その代わりとしてWHS2011(WidowsHomeServer2011)に正式対応しているという大きなメリットもある。誤検知も少なかったので開発者はこのソフトが一番お勧めかもしれない。余計なことはしないが守りは固い。そんなイメージが最後まであった。
 twitterにも書きましたが最終的な私からの評価は...
「いいじゃないか。いいじゃないか。いいんだけど複数台向けじゃねぇしややたけぇ。あと子供いる家庭には絶対むかねぇ。エロサイトもフィッシングも警告しねぇ。独身男性向けって気がする。男の子って感じのソフトだ。質実剛健でまっすぐ過ぎるその姿はどこか孤高で寂しい」
(お得感のあるパッケージを記事内でリンクしています。そちらでテストしてれば...もったいなかった。ただ、あくまでテスト条件を変えたくなかったのでこの順位のままとします)

7位「おまえさん本当にエンジンいっしょなのかい?」
「ノートン360」

 総評:非常に評価に困るソフト。ノートンの名を冠しているしそれなりに売れてるソフトだから似たような結果になるだろうと思ったらインターネットセキュリティとは違う性能を有しているという。それと重い。ひたすら重い。2011年版に比べたらだいぶ軽くなったが、それでも重さは感じる。
 本来なら「通常のノートンインターネットセキュリティ+ノートンユーティリィの一部機能」といったソフトになるはずなんだけど、どうもそれだけではないような感じ。
 検知力は低くないので、最近PCを買った初心者にはとてもよいかもしれない。フリーウェア等「よくわからない」ものをいれなくてもこいつがあればある程度のことは出来るし防御力もある。
 XPにいれると戦闘力が落ちる傾向にあるがVISTAだとさらに重いので7使いの初心者な人にお勧めしたい。
 twitterにも書きましたが最終的な私からの評価は...
「重い。ほんとに同じエンジンかこれ?でもまぁ性能は悪くない。つか無駄に高機能多機能だ。初心者にはいいかもしんない。ずぼらで家族が多いならこれでいいかも。でも俺はきにいらねぇ。つかいづれぇ。独身向けじゃないねぇ。マルチアカウントでひとつのPCをみんなで...ってところにはすごい向いてる気がするんでリビングのPCにおすすめかも」


8位「有料にしてもそんなに意味なかったかなぁ...」
「AVG 2012」

 総評:すっごい難しい判断を迫られた。性能は普通に悪くないしそもそもキャンペーンで980円で買ったものなのでコストパフォーマンスも高い。MSSEに比べても性能は高いしトータルでPCを守ってくれることに変わりはない。
 重さもそれほどでもなくマカフィーよりトータルでの性能はちょい下?ぐらいのイメージでいいかもしれない。
 じゃあなんで難しい判断になったかというと...有料の意味があんまりなかったという...
 細かい設定が出来るのが有料版の特徴なんだけれど...詳しくない人はそんな設定しないんですよね。無料版と比べて防御力があがるか?というとそんなこともなく。
 そして何より「有料になったからってサポート品質があがるわけではない」という点が超マイナスポイントに。質問しずらい別の意味で鉄壁な環境を構築されてしまっては...という感じ。性能とは別の面のマイナスが光ってしまったのが残念。
 それとフィッシング詐欺等含めたブラウザ系の安心感はないので(そういう意味ではESETに近いのかも)家族向きではないと思う。子供がいる家には勧めない。
 無料版を愛用してる人は性能は悪くないのでそのまま愛用するといいと思うよ!
 twitterにも書きましたが最終的な私からの評価は...
「うん。無料で有名なだけあって悪くないんだよ。980円で買ったしさ。でもね。サポートも含めてね。不親切なのね。家族で使うPC向きじゃ絶対ない。まぁ無料よりは高性能だしいいよ。でも子供に有害な...はこいつもだめ。アンチウイルス特化。わかってて使うならいいが、だったら無料版でいいんじゃね?」


9位「検知もまともに出来ないうえにえれぇ人達の検閲ソフトに成り下がるなら今後私は使わない」
「ウイルスバスター2012」

 総評:今回個人的な心証で最下位に落ちたソフト。検出力は悪くなかったが、誤検知がともかく多かった。自作VBソフトも含めて片っ端から検疫してしまうその自信はどこからくるのか開発者に聞いてみたい。先日トレンドラボで行われたセミナーに参加した際に聞いておけばよかったと後悔している。
 WEB系ウイルスを全て防いだのは評価するが、一部で話題になってるようにフリーウェア作者を詐欺師のように扱っておいて対処が遅いなど最近の同社の姿勢に疑問を感じるところ。
 使っていていいところはあるが他のソフトより優秀というわけでもなくともかく余計なことばかりして本質を見失っているように思えたのが個人的な心証を最悪なものとした。
 昔はここまでひどくなかったのに...どうもクラウド対応になってからこのソフトはおかしくなってしまった気がする。(謎のパケットのやりとりも気になるが今回は検証していない)
 PCの中身をスキャンしてアンチウイルスを探すのではなく「不適切なソフトを検出して通報する」機能を搭載してるんじゃないか?と疑っていたりもする。
 twitterにも書きましたが最終的な私からの評価は...
「誤検知増えてるわウイルスじゃないもん隔離しまくるわ。少なくとも友人知人には絶対すすめん。もうこれ政府御用達の検閲ソフトになるんじゃね?とか思ったりも。来年にはまたガラっと変わりそうだけど今年はちょっと使わないと決めました」




 という評価となりました。個人の感想100%ですので使う人によってはまた違う評価があるでしょう。
 細かいデータを公開しないのも含めてそれぞれのアンチウイルスソフトに対して公正なテストをしているとは言いがたいのは明記しておきます。

 ほぼ1月をテストに費やしました。残業続きで疲れ切った体をむち打ってテストを繰り返しました。貴重なデータが取れたと思います。このデータはしかるべきところに提出して今後に役立ててもらおうと思っています。
 それぞれのアンチウイルスの得意・不得意の傾向もある程度判断出来る材料がそろったのは個人的に嬉しかった。
「あのソフトどう?」
 と聞かれた時に自信をもって「あのソフトはね...」と答えられる。私にとってはそれは結構うれしいことなので。

 テストが終わった週末。
 作成したウイルスを全て破棄。イントラも含めた環境を止め。この計画は終了となりました。
 そして改めて協力してくれたYさんと連絡を取りました。お礼を述べたところ彼は笑って言いました。
「私も楽しかった。実際にやったら怒られることをこうして安全な環境を作って思う存分やっていいと言われた。すごく楽しかった。もう出来ないだろうけど趣味と欲求は満足したよ。ありがとう」
 中国からの留学生。
 ついに一度も「実際に会う」ことがなかった人。
 そう。
 人づての紹介でSkypeとメールだけのやりとりで最後までやり通しました。
 東京に出てくることがあればお会いしたいのですが、ちょっと地方大学からでは無理かな?

 銀河英雄伝説の魔術師な提督と似た名前が印象的です。この記事をとても楽しみにしていたのでおそらく読んでくれているでしょう。こんな記事になりました。どうでしたか?予告通り細かいこと抜きでわかりやすく...そして自己中心的な記事になりました。
 私だけではここまでの検証は出来なかったでしょう。環境構築を手伝ってくれた各大学のみなさんありがとうございました。日本人ほとんどいなかったのがびっくりですが、今時の学生さんの質からするとある意味必然だったのかもしれません。私が知らないところで協力してくれた人もいたようです。
 この場を借りてお礼を言わせていただきます。

 本当にありがとうございました。


 最終的には「これ個人でやることじゃないなぁ」と思いながらテストを繰り返しました。体調が悪い時もふんばって続けました。なにでそこまでやってるんだろうと思いながら。

 そうして得られたのは...

「いやっほぉぉぉぉぉぉぉ今年のアンチウイルスはこれにしよう!1年よろしくね!」

 ...そう、メインPCに使うアンチウイルスを決定しただけ(笑)

 たったそれだけのためにこれだけ手間暇かけてテストを繰り返しました。馬鹿だなぁとは思いますが、それもまぁAmazonの悪魔らしいかなと思いつつ。実験に参加したYさんもサーバー構築を手伝ってくれた人も目的を知って笑いながら参加してくれたのが印象的でした。
 でも実際やってみないとわかんないもんですよね。こういうソフトの良さも悪さも。

 今回の記事はこれで終了となります。いろいろと途中であったことやYさんのことなどは後日あふたーわーどな記事にまとめます。

 読んで「愛用しているソフトの評価が低いなぁ」...と思う人もいるでしょうけれど、それはまぁ人それぞれの感想のひとつだと思っていただければ。
 少なくとも今回の9ソフト。それぞれそう悪くはないソフトを選出したつもりです。バスターだけ私の個人的な考えからけちょんけちょんにしてますが、普通に使う分にはメジャーソフトらしい悪くないソフトのはずですから。

 難しいことは一切なしで。わかりやすく恣意的で独善的なアンチウイルスソフト選びをしましたが、ひとつの読み物として読んでいただければ。
 楽しんでいただければ幸いです。


2日目.jpg

 あ。メインPCのアンチウイルス入れ直すの忘れてたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!