流転の時(4) 余談...技術者がこれから身につけるべきもの

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 ながながと続いたリストラ話の最後です。

 

 ともかく転職が出来ることになり、今はちょっとだけほっとしています(^^;

 

 

 まずは受け入れてくれた企業に感謝を。そして、転職に際し...リストラする側でありながら様々な便宜や手助けをしてくれた社長に感謝を。切られるのは残念ですが、それはそれ。個人としては恨みもなにもない。事情は理解しています。

 表向きは

「こいつ、うちに見切り付けて大企業に行っちゃうんだよ。中小で仕事すんのもう嫌なんだってさ。これから儲かるってところなのにな」

そう言って、他の社員には説明しているようです。その方がいいでしょう。実情を言って「明日は我が身」と思わせては仕事の効率が落ちます。それは本意ではない。リストラして負担を軽減したのなら、出来た余力で立て直していただかないと。

 私自身もそう言ってもらった方がいい。わだかまりなく、すっきりと出て行きたいですし。

 ちょっとスネたように言う社長の肩が、少し落ちて見えました...もしかしたら手放したくはなかったのかもしれません。が、現実はこのように推移し、結実したのです。いまさら後戻りは出来ません。きっかけは向こうから出た話です。

 この不景気。どこもかしこもリストラリストラ。けれど、リストラした側にはリストラで出来た余力をもって会社を建て直す責務があります。それが出来ないなら...いくらリストラしてもダメでしょう。人件費ほど高い経費はなく、それを削ってもだめだというのであれば、経営者としての資質を問われることになります。

 それに...仕事は選ばなければあるもので。今回の件がダメだった場合でも、いくつかの選択肢はありました。きつい仕事、辛い仕事ばかりですが、それでも食べてはいける。そして、なんだか面白そう。そんな仕事はいくつもありました。

 仕事がない、ないと騒ぐ前に自分の条件ばかりを前面に押し出してしまっては、決まるものも決まりません。相手に「この相手はおいしそうだ」と思わせないと、話も聞いてもらえません。それを踏まえて、どう動くか。普段から準備しておくか。リストラされる側も自分の問題点を洗い出し、次に備えないと。人生、リストラされたからって終わりではない。むしろそこから始まりなんですから。

 リストラ・倒産...さまざまな大波がいつ襲ってくるかわからないです。備えよ、常に。...とはいえ間に合わないことがほとんどですけれどね(^^;私も間に合いませんでした。

 給料はこれだけ欲しい、待遇はこうでないと嫌だ...そんなことを言っていたら、仕事なんてそうそう見つからないです。相手に合わせて、自分の生活すら合わせるぐらいでないと。そうでないと選択肢は少ないままです。選択肢が多ければ、精神的にも余裕がもてます。結果として待遇が上がるのが理想かな(^^;

 そういえば今回の転職で、強く思ったことがあります。

  今後の技術者は、ただ腕をあげるだけでは厳しいのではないか。営業力も身につけていかねば生きていけないのではないか。今働いている会社が倒産したりしたら、技術者達はスムーズに転職出来るのだろうか。たとえすごい技術を持っていたとして...その持てる技術、相手に伝えなければ無いも同然。そういうことなのかもしれません。とくにある程度以上の企業に対しては。

 システムを売り込むように自分を売り込んだ私ですが、結果としてはなんとかなりました。導入されるからには、せめて役に立つシステムとしてまずは稼働しなければ。その後は...自分のやれる範囲を広げ、足場を固めないと。ふんばりが効かないと、無理も無茶も出来ないものですから。巨大な会社の業務システムに携わる...結構わくわくしてたりもするのです。

 

 

 でも、実は...今の私の状況は...

 

 引き継ぎどうしよう、時間なさすぎ(T_T)

 

 という現実(^^;

 決まったら決まったで、すぐに来いと言われているわけで、時間が相当ない状態。むむう、どうなることやら。

 ともかく、流転の時は終わり、再び激流の上を流れる人生に。ドラマティックと友人には言われますが、疲れるだけです。穏やかな方が何倍もいい。退屈だけはしませんが...ともかく疲れます。(好きでやってるんだろ、とも言われますが)

 けれど、激流に揉まれる人生だからこそ、こういった事態にすぐ対処出来るし、結果も出せるのだと思って再び激流に身を任せましょうか。飲み込まれないよう、力をこめて。

 これで今回の私のリストラ話はおしまいです。新天地でどうなるかは...まだわかりません。守秘義務があるので、自社のことは今まで同様、書かないでしょうけれど(笑)

  たぶん、勤め先とは違う場所でいろいろな事例やシステムに顔を突っ込むのは、これからも変わらないでしょうから。その手の話には事欠かないと思うんですけれど。