ケータイ世代の落とし穴...採用担当者に聞いてみた

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

 週末に古い知人達といろいろあやしい企みをしていたのですが(といってもたいした話ではなく、集まって何かやりたいねーという話)。そこに先生がおりまして。どこのとはいえないのですが、ともかく先生(笑)

 その人と話していて、今時の学生さんはね~という話で盛り上がり。「まさか」「馬鹿な、それはさすがに(笑)」なんて盛り上がりっぱなしで、腹筋が痛かったんですね。

 で、そのネタがあまりにあんまりだったので、実際のところどうなのかと、そこそこ大きい会社の人事担当をしている知人に聞いてみました。

「最近さ、ケータイ世代っていうの? インターネットなんてケータイっしょ?みたいな子増えてるじゃない。で、採用する時に変な言動とか行動をするって話題があってさ。学校の先生やってるやつから聞いてね。採用してもらえなくて大変だって話でさー」

「いや...俺、笑えないわその話」

 

 ふむ。どういうことかと直接会って聞いてみることにしました。たまには飲み屋で話すのもいいだろうと、某所にある串八珍(居酒屋です)に行きまして。酔わせて聴きだそうかと思ったんですが...

 ビールくる前にすでに愚痴モードだったのでした(笑)

 彼のいる会社はそこそこの大手で、上場企業です。採用するのは大学卒業者ばかり(新卒は)。だけど、面接までこぎつけた学生さん...下手すると「パソコン触ったことがない」なんて子もいるようで。

 まさか、それはないだろう...と聴いてもくらーい瞳でじっと上目遣いでニヤニヤしています。どうも本当らしい。

 インターネットもメールも携帯。なんでも携帯。だから、パソコンなんていらないよ!という感じで来てしまった学生さんは「ワードやエクセルの経験は?」の質問に「へ? なんですか、それ」というのもいたそうで。...六大学出身の学生さんだそうですが...どうなってるんだ...論文とかどうしてたんだろう...

 その他にも問題があるある。

「指示してもらえれば、嫌なことだって必死にやる自信があります!」

「じゃ、指示がなかったら?」

「え? 上司が指示出してくれるんじゃ?」

「じゃ、君が上司になったら?」

「......わかりません」

 こんな問答が昨年実際にあったそうで。おーい、まてよーと言いたくなったり。

 かと思えば、

「君がこの会社に望むモノは?」と聞かれて

「給料はこのぐらい。待遇はこのぐらいで、将来は...」

 とひたすら自分の願望を述べた学生さんもいたそうで。うーん、すごい自信だ(^^;

 後は...面接に親がついてくる...なんてのはまぁありがちな話ですが、さらにその親、お婆ちゃんまでついて来てた学生さんもいたようで。あげく不採用になったら親とお婆ちゃんが乗り込んできちゃったとか。...いやもう言葉が見つからない。

 実際、iphoneとか大流行ですが、パソコンなんていらない、これひとつで十分って人もいるわけで。でも、これから就職しようっていうなら、ちょっとぐらい自分を売り込む材料になるものはおぼえて行くものではないかと。他人との差別化にならなくても、マイナスの材料にはならないでしょうし。

 この春も本当にいろいろな子が来たそうで、去年より悪化したよ! とのこと。さすがにここでは書きませんが...いやはや、これから年々すごくなっていくのだろうか...

 採用担当とか人事の人は本当にお疲れ様です。

 あと、ちょっと言ってたのが「辞める時は一人で辞めない」って話。必ず他の人間を巻き込もうとする。有望な人間も引きずりこもうとするそうで。ありがちっちゃ...ありがちな話。でも、なんとなくわかるような。

 企業の求める人材と、学生の持ってるイメージがズレてるというか。そんな話も出てました。

 先日の「滅びを待つだけの会社」で、人件費の高い若い社員を全て解雇し...の記述に過剰に反応してる方もいましたが、そもそも「誰もクビにしたくないから、全員の給料を少し下げたい」という提案に「ふざけんな年寄りからクビにしろよ」と猛反発した若い子がいて、自ら辞めると言いだし、あげく同年代の同僚も誘って突然辞表を送りつけて本人達は出社しなくなり。

 業績悪化がさらに拍車をかけて、会社の縮小をするしかなくなり、管理する中年だけ雇っていても...という状態に「ああ、私たちだったらなんとか転職出来ますから」と本人達から言ってくれて、だったら退職金は出せないまでもせめて給料の2ヶ月分だけでも出すよと。会社都合退職にするから、ごめんね...そう言って解雇にしたわけで。

 まぁ、ほぼ同時に会社の縮小話があったので、たぶん辞める方にも言い分はたっぷりのどっちもどっちの話ではあるんでしょうけれど。私の書き方も悪かったのですが、実情はそんな話。具体的に書いてもあんまりいい話じゃなかったんで、あんな形で書いたんですが...

 まぁ、そんな現実を見ているとあながち「嘘くせぇなぁ」とも言えず。

 これからしばらくは「ゆとり世代」と呼ばれる世代が社会に巣立って行きます。でも、彼らだって好きでそんな世代じゃないわけで。そんな呼ばれ方はしたくないでしょうが、呼ばれてしまう同年代がいることも知っておいて欲しい。

 雇う側も雇われる側も、真剣なのにすれ違う。難しい問題だなぁと思います。技術や経験を武器に中途採用を狙うおっさん達の方がよっぽど研究してたり。...いや、なりふりかまってないだけか(^^;

 採用担当者の友人が、是非これは書いてくれと言っていた言葉を最後に書いておきます。

「別にパソコンの使い方なんて知らなくてもいい。ただ、自主性を持って。指示待ちにならないように心がけて...今は出来なくても、自分はそうなるんだと強く思って。そして、周りの大人に一般常識や目上の人間との接し方を学んでから面接に来てください。足りない部分は企業で教えることが出来ます。けれど、素直に言うことを聞けない人は残念ながら、当社にはいりません。きっと他社さんにもいらないと言われるでしょう。大学を出たからといって、社会に通じる何物もあなた方はもっていないかもしれない。けれど、きちんと修めるべき勉強を修めて卒業した。その実績と、大学時代に培ったであろう人脈を買うのです。それと自分の判断も大事ですが、人の話はきちんと聞く姿勢も必要です。自分の意見だけを押しつける人は、会社だけでなく社会人としていらない人になっちゃうかもしれませんよ?」

 酔っ払って人の手帳にメモってくれた文章です。一応、ブログに書くにあたって原稿は見せましたが、企業名さえわからないならかまわないということなので今回記事にしてみました。