Facebookとtwitterと上司と部下と...日本でのSNSの特殊な事情

シーン1
上司「きみ、facebookやってるみたいだね。画面にいきなり名前が出てきてびっくりしたよ。リクエストするから登録してくれないか」
部下「え、いやあれはプライベートのもので...」
上司「...なんで嫌がるんだ。私が「登録してくれ」と言ってるんだよ?」
部下「う...」

シーン2
先輩「こないだBに聞いたけど、お前ついったーやってるんだってな。アカウント教えろよフォローするから」
後輩A「え? あ、いや...たいしたもんじゃないんで...」
先輩「あ? なんで嫌がるんだよ。いいじゃないか」
後輩A「え...」

 この2つの例。ちょっと簡略化してますが実際に起こった事例です。海外では特に問題にならないことも日本だと困ったことになってるなぁという...今回はそんな話。


 私はFacebookはあまり熱心ではありませんが、twitterはそこそこ楽しんでいます。

 まぁ日本では使い分けされてるようで。
リアルの友達と楽しむのがFacebook。

 そんな感じなんでしょうかね。
 私の場合はそもそもペンネームの方が名が知られている状態なのでそちらで楽しむのがtwitter。Facebookはなんとなく作っただけ。そんな感じです。
(ペンネームよりkonozamaの人とか悪魔の人とかの方が通りがいいのもどうかとは思いますが)

 そもそもFacebookもtwitterも「自分をアピールする」側面が強いSNSです。
 少なくともアメリカ辺りだとそんな感じ。
 でも日本だとちょっと違ってて。

 twitter=匿名でゆるーくつながるわりと自由な場所
 Facebook=本名で友達たちと楽しむもの。ミクシイっぽいけど今はこっちかな...そんな場所

 いろいろな考え方があるのでしょうが、私にはそんな風に見て得ています。
 周りを見ていてもサラリーマンやOLはまぁだいたいそんなイメージ。

 アメリカですと...誰に見られようとかまわない、私の意見はこうだ! というものがある人が多いしまぁ問題は少ないんですが。日本人だとどうなんですかね。出来れば内輪だけ...とか知り合いには見られたくないな...なんて思ってる人が多くて、ちょっと使い勝手が悪かったりするかもしれません。

 欧米は前者(積極的アピールが強い)、アジア...特にに日本は後者のタイプが多いんじゃないかな?と思っていたりします。

 日本だとむしろSNSをやってることすら隠したい人なんてのも多い。

 2ch文化と絡める人もいますが、そんなものなくたって匿名でないと発言しない。発言したくない人たちというのは結構多いのです。実際その方が意見が活発化するのは確かかかなと。(かわりにまとまりづらくなりますが)

 そもそも実名でなんか発言すると「出る杭は打たれる」よりもひどく「出る杭はみんなでぶったたきまくる」のが日本人だと私は思ってます。もうマスコミも市民もなんもかんもが一斉に「こいつが悪い」と決めつけたら最後抹殺しかねない勢いで叩く。
 そりゃ本名で発言するのが嫌だって人も出ます。自分がどれだけ正しいと思っていても一斉にあらゆるものが自分に向かって攻撃してくるとなれば怖くて仕方ないものです。

 そうした人にはtwitterなんかは非常にありがたいものでしょう。私も(友達や社の友人にもブログ名を明かしてますしやってることも隠してはいないんですが)本名でない名前で活動する場としてtwitterやこのブログを活用しています。まぁ、調べるとすぐに当人に行き着けるんですけどね(^^;

 逆に本名でのやりとりはメール主体の古いタイプの人なので(割とその方が日本だとやりとりがスムーズ)Facebookなどはあまり活用出来ていません。最近になってようやく活用し始めたかな...というところ。

 アメリカの友人に冒頭の会話を投げてみたところ。

友人「普通に断ればいいだろう。あなたに見られたくはない、あるいは身内だけの会話に使っているのでと言えばいいんじゃないか?
そもそも人に見られて困ることなら書いちゃいけないんじゃないかとも思うが。コカインやマリファナの買い方でも書いてるんじゃないだろうな」

とのことで。

みやび「言えれば苦労しないよ」

と言ったら

友人「日本人は変わっているな。そんな部分まで相手の言いなりになるのか? それに自分と同じ趣味や嗜好を共有したいというのを拒否するのか? それもおかしな話だ。自分を見てくれと表現しておいて、見るなというのはおかしいよ。どちらにせよ自分で決められることだろう? 受け入れるも拒否するも自由だ。日本だって自由の国だろ?」

と返ってきちゃって文化の違いを考えつつ「西海岸だぜ」とかダイ・ハードっぽいことをつぶやいて一人で困ってみたり。(西海岸にいる友人とのやりとりだったので。まぁ、向こうでも相当変わった人物のようなので意見も偏ってるとは思うんですが。片言でも日本語が話せるので友情が微妙に成り立っているのも面白い)

 プライベートと仕事をはっきりと分ける文化ならば断わっても角は立たないのかもしれません。(友人はそれで仕事がうまくいかないんならそんな職場やめてしまえとも言ってましたが)

 けれどそうした感覚は日本には薄いようで。冒頭のやりとりも上司や先輩には悪気はまったくなく。けれど言われた方は困ってしまったというわけで。
 もしかしたらそこで書かれていることをネタに何か言われるかもしれない。そんな意識が働いてしまうわけで。

 別に上司や先輩の悪口を書いているわけでもなくても...言われた側は見られたくなかった。
 しかし断られた側は悪意がないだけに「なんでだよ」となってしまう。自分の立場を利用している自覚はない。
 けれど言われた方は否が応でも意識してしまう。断ったら報復されるのではないかと勘繰ってしまう。

 笑い話でもなんでもなく。現実に起こっている話。

 今回は悪気のない人達の話でしたが、実際のところ立場を利用してSNSでつながろうとする上司や先輩の多いこと。部下との関係性をうまく確立できていない人が、ネットを利用して近づこうとしているのかもしれませんが...なかなか微妙。これに男女の関係が絡むとさらに微妙に。セクハラ・パワハラがとうとうSNSの世界にもって感じですかマスコミ風に書いてしまうと。なんだかなぁという感じもします。

 海外とは違った広がり方をしてるなーと思ったり。

 Facebookも使い方をきっちりしてれば、相手先に合わせて投稿を調整したり出来るのかもしれません。
 twitterであれば別アカウントを作ったりすることで対処は出来そうですが、よくわからないまま日々気ままにつぶやいたり友達とのやりとりをしていた人には、職場の人間からのリクエストはちょっと辛いものかもしれません。
 なまじっか「匿名」であることを条件に書かれた文章だらけですから、知り合いにみられるのは恥ずかしいというのもありますが(笑)

 一応私はそうした懸念をSNSを始める段階から想定していたので...ブログもtwitterも特にやってることを隠していません。むしろ見て、見て! とばかりに知らせていましたし(ブログの方ですが。ブログを見ればTwitterのアカウントも載ってますしね)。まぁ、今はちょっと勘弁して欲しい人なんかもいますのでそこまで宣伝はしていませんけれど。

 なのでtwitterのアカウントもブログ自体も友人知人含めて知られまくってます(^^;


 リアルの友達にブログなんか読まれてると、「まぁ偉そうなこと書いてるなお前」とかいろいろ言われるわけで。それでも別段自分で書きたいことを書いてるだけなんで見られて恥ずかしくはあっても...読んでほしくて書いてるわけですから。からかわれても「うるせーなーだったらよむなよーちくしょー」とか言って流してしまえる。

 ただ本名だとちょっと書きづらいだろうな...とは思いますか。
 身内に知られていようとも。私だけに被害が出るならともかく...


 まぁ話を戻せば、日本独自の文化もありますんで...最近はじめようかなと思ってる人は少しその辺り考えた方がいいかもなぁと思うことも。本来は気軽に「おまえの意見見たいし教えてよ」といえるツールのはずなんですけれど。

 そういえばTwitterなんかみてると...危険な発言してる人達もいて。
 本人たちは匿名だったり閉鎖された環境での発言だと思っている。
 それもFacebookやtwitterをやってる人達の中に多い感覚で。

 twitterなんかはモロにそうですが、路上で大声で会話しているようなものですから。誰が聞いているかわからない。ダイレクトメッセージ以外は常にオープンなわけで。
 書いてる側に自覚がないので、舌禍に近い「失言」が公開されることもしばしば。犯罪を暴露しちゃってる人とか多いのはそのせいかな...と。そんなところに知り合いから「よお、見たぜ」と来たら...見せたくない言葉が入っていたりしたら。

 そうしたクローズドなイメージで使ってるからこそ冒頭の言葉に「あ...」とか「うう...」とかなるのかな...とも思うのですが、そこは民族性もあるので面白いところ。これからどう変わっていくのか。

 使う側が意識を変えていくのか。自然と変わっていくのか。それとも日本独自の進化を遂げるのか。それもまたガラパゴスなんて言われちゃうのか。

 冒頭の話もパワハラにならずスムーズな受け答えが簡単に出来るようになるのでしょうか。
 日本ならではの解決を見るとしたらいつのになるのか。

 ちょっと楽しみだったりします。...たぶんうまい具合にはいかず...本名でのやりとりはビジネスの名刺のように使われて...海外のような広がりにはならないのかな、なんて思ってますけれど。その点ではtwitterの方が日本には馴染みやすいツールに思えています。



※余談
 個人的にはFacebookは日本ではミクシイの代わりにはなれるしビジネス分野のつながりには使えるけれど、海外ほどはブレイクしないと思っています。
 本文でも書きましたが、代わりにtwitterはとても...そう、とても良く日本の文化に馴染む気がしています。
 もう根付いているんじゃないかな、すでに。
 twitterのサーバーがいつも危険水域にいるなら日本のユーザーから少しお金をもらうといい。毎月100円か200円の課金をしてもみんな使うんじゃないかな?なんて思うことも。それだけで新しいサーバーが追加出来るんじゃないかな?とか思ったりしています。

 変な携帯サービスに比べて楽しめている人も多いので。むろん無料がいいってのは事実なんで、出したい人だけ出す寄付みたいなもんで。なくなったら困る人は有料でも払うでしょう。価格次第で。途中搾取なしでtwitterの社に届くなら。

 携帯キャリア各社もその受付代行してもいいんじゃないかなとかね。携帯より(ある意味パソコン使うよりも)スマホの方がやりやすいよ! と言いやすいサービスなので。最初からインストール済み(この間購入したEVO 3Dもインストール済みで削除出来ないアプリになってましたね)にするならそのぐらいしないと。
 携帯キャリアも別会社の無料サービスにおんぶにだっこじゃ企業の底が知れてしまう。もちろん提携してお金を出している会社もあるんでしょうけれど。どうなんですかね?